■訳してみよう万葉集■<その92>
●題材歌
乎久佐男と 乎具佐受家男と 潮舟の 並べて見れば 乎具佐勝ちめり
―東 歌―(巻十四・三四五〇)
●現代訳
① ―
② ―
③ ―
④乎久佐の男と乎具佐の助男とを潮舟のように並べてみると、乎久佐の方がすぐれているように思える。
⑤乎久佐男と乎具佐受家男とを、潮舟のように二人ならべてみると、やっぱり乎具佐受家男の方がまさっているようだ。
⑥ ―
⑦ ―
①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>
これらを踏まえて 私はこう訳しました。
《乎久佐男と 乎具佐助男を 比べたら 乎具佐助男が 良え男やで》
さあ あなたの訳は 如何ですか?
さて <その89><その90><その91><その92>を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・
●玉と拾はむ●
東の民が 暮らし中 歌い綴った 東歌
詠んだ歌数 二百と 三十余りなる 短か歌
歌の多くは 国言葉 男女で交わす 恋の歌
開けっ広げで 赤裸々な 歌の多いが 特徴か
中に好事家 垂涎の 歌も少しく 混ざりおる
歌いし国を 数うれば 遠江国 駿河伊豆
相模武蔵に 上総国 下総常陸 信濃国
上野国 下野 果ては陸奥国 十二国
先ず手始めは 可憐なる 乙女の詠う 純情歌
純情一途 東国乙女
あの人思い 佇む川原
芽吹き柳の 木陰に立って
恋の芽吹きの 春風待つよ
信濃なる 千曲の川の 細石も 君し踏みてば 玉と拾はむ
《信濃国 千曲の川の 小石でも あんた踏んだら もう宝石や》
―東 歌―(巻十四・三四〇〇)
都武賀野に 鈴が音聞こゆ 可牟思太の 殿の仲子し 鷹狩すらしも
《都武賀野で 鈴聞こえるで 可牟思太の 次男坊鷹狩を してはるようや》
―東 歌―(巻十四・三四三八)
美都我野に 鈴が音聞こゆ 可牟思太の 殿の若子し 鷹狩すらしも
《美都我野で 鈴が聞こえる 可牟思太の 坊ちゃん鷹狩を してはるみたい》
―東 歌―(巻十四・三四三八 或る本)
青柳の 萌らろ川門に 汝を待つと 清水は汲まず 立処平すも
《水汲まへんで 芽吹き柳の 川岸で あんた来んかと 行ったり来たり》
―東 歌―(巻十四・三五四六)
恋しけば 来ませ我が背子 垣つ柳 末摘み枯らし 我れ立ち待たむ
《好いてたら 来てんかあんた 柳の芽 摘み尽くすまで うち待ってるで》
―東 歌―(巻十四・三四五五)
赤駒を 打ちてさ緒引き 心引き いかなる背なか 我許来むと言ふ
《赤駒を 跳ばし手綱引き 心盗る どんな殿御が うち処来んや》
―東 歌―(巻十四・三五三六)
左奈都良の 岡に粟蒔き 愛しきが 駒は食ぐとも 我はそと追はじ
《左奈都良の 岡で蒔く粟 馬喰ても あんたの馬や うち追わへんで》
―東 歌―(巻十四・三四五一)
乎久佐男と 乎具佐受家男と 潮舟の 並べて見れば 乎具佐勝ちめり
《乎久佐男と 乎具佐助男を 比べたら 乎具佐助男が 良え男やで》
―東 歌―(巻十四・三四五〇)
乙女心は 純情可憐
洋の東西 時代を越えて
都田舎の 隔てもなしに
今も通じる 心の歌よ
●題材歌
乎久佐男と 乎具佐受家男と 潮舟の 並べて見れば 乎具佐勝ちめり
―東 歌―(巻十四・三四五〇)
●現代訳
① ―
② ―
③ ―
④乎久佐の男と乎具佐の助男とを潮舟のように並べてみると、乎久佐の方がすぐれているように思える。
⑤乎久佐男と乎具佐受家男とを、潮舟のように二人ならべてみると、やっぱり乎具佐受家男の方がまさっているようだ。
⑥ ―
⑦ ―
①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>
これらを踏まえて 私はこう訳しました。
《乎久佐男と 乎具佐助男を 比べたら 乎具佐助男が 良え男やで》
さあ あなたの訳は 如何ですか?
さて <その89><その90><その91><その92>を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・
●玉と拾はむ●
東の民が 暮らし中 歌い綴った 東歌
詠んだ歌数 二百と 三十余りなる 短か歌
歌の多くは 国言葉 男女で交わす 恋の歌
開けっ広げで 赤裸々な 歌の多いが 特徴か
中に好事家 垂涎の 歌も少しく 混ざりおる
歌いし国を 数うれば 遠江国 駿河伊豆
相模武蔵に 上総国 下総常陸 信濃国
上野国 下野 果ては陸奥国 十二国
先ず手始めは 可憐なる 乙女の詠う 純情歌
純情一途 東国乙女
あの人思い 佇む川原
芽吹き柳の 木陰に立って
恋の芽吹きの 春風待つよ
信濃なる 千曲の川の 細石も 君し踏みてば 玉と拾はむ
《信濃国 千曲の川の 小石でも あんた踏んだら もう宝石や》
―東 歌―(巻十四・三四〇〇)
都武賀野に 鈴が音聞こゆ 可牟思太の 殿の仲子し 鷹狩すらしも
《都武賀野で 鈴聞こえるで 可牟思太の 次男坊鷹狩を してはるようや》
―東 歌―(巻十四・三四三八)
美都我野に 鈴が音聞こゆ 可牟思太の 殿の若子し 鷹狩すらしも
《美都我野で 鈴が聞こえる 可牟思太の 坊ちゃん鷹狩を してはるみたい》
―東 歌―(巻十四・三四三八 或る本)
青柳の 萌らろ川門に 汝を待つと 清水は汲まず 立処平すも
《水汲まへんで 芽吹き柳の 川岸で あんた来んかと 行ったり来たり》
―東 歌―(巻十四・三五四六)
恋しけば 来ませ我が背子 垣つ柳 末摘み枯らし 我れ立ち待たむ
《好いてたら 来てんかあんた 柳の芽 摘み尽くすまで うち待ってるで》
―東 歌―(巻十四・三四五五)
赤駒を 打ちてさ緒引き 心引き いかなる背なか 我許来むと言ふ
《赤駒を 跳ばし手綱引き 心盗る どんな殿御が うち処来んや》
―東 歌―(巻十四・三五三六)
左奈都良の 岡に粟蒔き 愛しきが 駒は食ぐとも 我はそと追はじ
《左奈都良の 岡で蒔く粟 馬喰ても あんたの馬や うち追わへんで》
―東 歌―(巻十四・三四五一)
乎久佐男と 乎具佐受家男と 潮舟の 並べて見れば 乎具佐勝ちめり
《乎久佐男と 乎具佐助男を 比べたら 乎具佐助男が 良え男やで》
―東 歌―(巻十四・三四五〇)
乙女心は 純情可憐
洋の東西 時代を越えて
都田舎の 隔てもなしに
今も通じる 心の歌よ