ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

■訳してみよう万葉集■<その92>乎久佐男(おくさを)と

2012年09月27日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その92>

●題材歌

乎久佐男おくさをと 乎具佐受家男おぐさずけをと 潮舟しほふねの 並べて見れば 乎具佐おぐさ勝ちめ
                          ―東 歌―(巻十四・三四五〇)


●現代訳

① ―

② ― 

③ ―

④乎久佐の男と乎具佐の助男とを潮舟のように並べてみると、乎久佐の方がすぐれているように思える。

⑤乎久佐男と乎具佐受家男とを、潮舟のように二人ならべてみると、やっぱり乎具佐受家男の方がまさっているようだ。

⑥ ―

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

乎久佐男おくさおと 乎具佐助男おぐさすけおを 比べたら 乎具佐おぐさ助男すけおが え男やで》


さあ あなたの訳は 如何ですか?

さて <その89><その90><その91><その92>を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・

●玉とひろはむ●

あずまたみが 暮らしなか 歌いつづった 東歌あずまうた
んだ歌数うたかず 二百ふたひゃくと 三十みそ余りなる 短か歌
歌の多くは くに言葉ことば 男女で交わす 恋の歌
開けっぴろげで 赤裸々せきららな 歌の多いが 特徴か
中に好事家こうずか 垂涎すいえんの 歌も少しく 混ざりおる
歌いし国を かぞうれば 遠江とおとうみくに 駿河するが伊豆いず 
相模さがみ武蔵むさしに 上総かずさくに 下総しもふさ常陸ひたち 信濃しなのくに 
上野かみつけのくに 下野しもつけの 果ては陸奥むつくに 十二こく

先ず手始めは 可憐かれんなる 乙女の詠う 純情歌じゅんじょうた

純情一途いちず 東国とうごく乙女おとめ
あの人思い たたずむ川原
芽吹き柳の 木陰こかげに立って
 の芽吹きの 春風待つよ

信濃なる 千曲ちぐまの川の 細石さざれしも 君し踏みてば 玉とひろはむ
信濃しなのくに 千曲の川の 小石でも あんた踏んだら もう宝石や》
                          ―東 歌―(巻十四・三四〇〇)
都武賀野つむがのに 鈴がおと聞こゆ 可牟思太かむしだの 殿の仲子なかちし 鷹狩とがりすらしも
都武賀野つむがので 鈴聞こえるで 可牟思太かむしだの 次男じなん鷹狩かりを してはるようや》
                          ―東 歌―(巻十四・三四三八)
美都我野みつがのに 鈴がおと聞こゆ 可牟思太かむしだの 殿の若子わくごし 鷹狩とがりすらしも
美都我野みつがので 鈴が聞こえる 可牟思太かむしだの 坊ちゃん鷹狩かりを してはるみたい》
                          ―東 歌―(巻十四・三四三八 或る本)
青柳あをやぎの らろ川門かはとに 汝を待つと 清水せみどは汲まず 立処たちどならすも
水汲まへんで 芽吹き柳の 川岸で あんたんかと 行ったり来たり》
                          ―東 歌―(巻十四・三五四六)
恋しけば 来ませ我が背子 かきやぎ うれ摘み枯らし 我れ立ち待たむ
いてたら てんかあんた 柳の芽 摘み尽くすまで うち待ってるで》
                          ―東 歌―(巻十四・三四五五)
赤駒を 打ちてさ緒引をびき 心引き いかなる背なか 我許わがり来むと言ふ
《赤駒を 跳ばし手綱つな引き 心る どんな殿御とのごが うちとこんや》
                          ―東 歌―(巻十四・三五三六)
左奈都良さなつらの 岡にあはき かなしきが 駒はぐとも 我はそとはじ
左奈都良さなつらの 岡であわ 馬ても あんたの馬や うち追わへんで》
                          ―東 歌―(巻十四・三四五一)
乎久佐男おくさをと 乎具佐受家男おぐさずけをと 潮舟しほふねの 並べて見れば 乎具佐おぐさ勝ちめ
乎久佐男おくさおと 乎具佐助男おぐさすけおを 比べたら 乎具佐おぐさ助男すけおが え男やで》
                          ―東 歌―(巻十四・三四五〇)

 女心は 純情可憐
 の東西 時代を越えて
みやこ田舎いなかの へだてもなしに
 も通じる 心の歌よ





■訳してみよう万葉集■<その91>青柳の

2012年09月24日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その91>

●題材歌

青柳あをやぎの らろ川門かはとに 汝を待つと 清水せみどは汲まず 立処たちどならすも
                          ―東 歌―(巻十四・三五四六)



●現代訳

① ―

② ― 

③ ―

④青柳の芽がふくらむ川門にあなたを待つとて、清水は汲まないで立っていることよ。いつもいつも。

⑤青柳が芽を吹く川の渡し場で、お前さんを心待ちにしながら、清水は汲まずに、往ったり来たりして足許を踏み平している。

⑥ ―

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

水汲まへんで 芽吹き柳の 川岸で あんたんかと 行ったり来たり》

さあ あなたの訳は 如何ですか?





■訳してみよう万葉集■<その90>都武賀野(つむがの)に

2012年09月20日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その90>

●題材歌
都武賀野つむがのに 鈴がおと聞こゆ 可牟思太かむしだの 殿の仲子なかちし 鷹狩とがりすらしも
                          ―東 歌―(巻十四・三四三八)



●現代訳

① ―

② ― 

③ ―

④都武賀野に鈴の音が聞こえる。可牟思太の殿の次男が鷹狩りをするらしいよ。

⑤都武賀野で鈴の響くのが聞こえる。可牟思太のお館の中つ背様が鷹狩をなさっているらしいよ。

⑥ ―

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

都武賀野つむがので 鈴聞こえるで 可牟思太かむしだの 次男じなん鷹狩かりを してはるようや》

さあ あなたの訳は 如何ですか?



■訳してみよう万葉集■<その89>信濃なる

2012年09月17日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その89>

●題材歌

信濃なる 千曲ちぐまの川の 細石さざれしも 君し踏みてば 玉とひろはむ

                          ―東 歌―(巻十四・三四〇〇)



●現代訳

① ―

② ― 

③ ―

④信濃にある千曲川の小石だって、あなたが踏んだ石なら玉として拾いましょう。

⑤信濃の千曲川の細れ石も、いとしい我が君が踏んだ石なら、玉と思って拾いましょう。

⑥ ―

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

信濃しなのくに 千曲の川の 小石でも あんた踏んだら もう宝石や》

さあ あなたの訳は 如何ですか?





訳してみよう万葉集(88)士(おのこ)やも

2012年09月13日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その88>

●題材歌

をのこやも むなしくあるべき 万代よろづよに 語りくべき 名は立てずして

                           ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻六・九七八)


●現代訳

①大丈夫たるものは、万代の後まで語り伝えられるような功名もせず、空しくこの世を終わるべきであろうか。

②男子たるものが、万代までも語り伝えられるような名も立てないで、空しく死んでなるものか。

③男子たるもの、空しく朽ち果ててよかろうか。末の世まで語り継ぐような、立派な名が立ちもしないで。

④「士」たるものは空しくあってよいはずがあろうか。万代の後に語り伝えられるべき名も立てずに。

⑤男子たるもの、無為に世を過ごしてよいものか。万代までも語り継ぐに足る名というものを立てもせずに。

⑥男たるもの 無駄に一生を 送ってよいものか 永遠に語り継ぐべき名声を あげもしないで

⑦この世に男子と生まれたなら 語り継がれる名も立てず 無為に死んでいいものか

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

丈夫ますらおと 思うわしやぞ のちの世に 名ぁ残さんと 死ねるもんかい》

さあ あなたの訳は 如何ですか?

さて <その87><その88>を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・

【士やも】へ




訳してみよう万葉集(87)いざ子ども

2012年09月10日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その87>

●題材歌

いざ子ども 早く日本やまとへ 大伴おほともの 御津みつの浜松 待ち恋ひぬらむ

                           ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻一・六三)

●現代訳

①さあ皆のものどもよ、早く日本へ帰ろう、大伴の御津の浜のあの松も、我々を待ち焦がれているだろうから。

②さあ、人々よ、はやく日本へ帰ろうではありませんか。大伴の御津の浜松も、そして家族の人達も、待ちわびていることでしょう。 

③さあ、みんな、早く日本へ還ろう。大伴の御津の浜松が、おれたちを待ち焦がれていよう。

④さあみんな、早く大和へ帰ろう。大伴の御津の浜の松も、その名のごとく待ち恋うているだろう。

⑤さあ者どもよ、早く日の本の国、日本へ帰ろう。大伴の御津の浜辺の松も、われらを待ち焦がれていることであろう。

⑥さあ、みんな 早く日本へ帰ろう 出発の地、大伴の 三津にある浜松のマツではないが 人々が待ち焦がれていることだろう

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《さあみんな はよ日本やまとへ 帰ろうや 御津の浜松 待ってるよって》

さあ あなたの訳は 如何ですか?





訳してみよう万葉集(86)我が主の

2012年09月06日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その86>

●題材歌
ぬしの 御霊みたまたまひて 春さらば 奈良の都に 召上めさげ給はね
                          ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻五・八八二)

●現代訳

① ―

② ― 

③あなたさまのお引き立てをこうむって、春になりましたら、どうぞ奈良の都へお召しあげ下さいまし。

④あなたの御心をかけて下さって、春が来たら奈良の都に私を召上げてくださいな。

⑤あなた様のお心入れをお授け下さって、春になったら、奈良の都に召し上げて下さいませ。

⑥ ―

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《頼みます 帥殿あんたの引きで 春来たら 奈良の都に 呼び戻してや》


さあ あなたの訳は 如何ですか?

さて <その84><その85><その86>を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・

【都の風俗】へ




訳してみよう万葉集(85)かくのみや

2012年09月03日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その85>

●題材歌

かくのみや いきらむ あらたまの く年の かぎり知らずて
                          ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻五・八八一)

●現代訳

① ―

② ― 

③このように、私は溜息ばかりついていることでしょうか。いたずらに来ては過ぎ去っていく年の、いつというその限りをも知らないで。

④このようにばかり嘆息をついているのだろうか。新魂の年がやって来ては去っていく、その際限もわからずに。

⑤私は、ここ筑紫でこんなにも溜息ばかりついていなければならぬのであろうか。来ては去って行く年の、いつを限りとも知らずに。

⑥ ―

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《いつまでも 溜息ためいきついて 暮らすんか 今年も来年つぎも その翌年つぎとしも》


さあ あなたの訳は 如何ですか?