ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

家持編(一)青春・恋の遍歴(18)苦しい恋で 痩せ細るがな

2011年08月29日 | 家持編(一)青春・恋の遍歴
■平成23年8月29日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★夢見ても 見んでも苦し この思い もう良えわしは どう言われ様と
 
いめあひは 苦しかりけり おどろきて かき探れども 手にも触れねば
《目ぇまし 手探てさぐりしても さわられん 夢でうんは もどかしこっちゃ》
                         ―大伴家持―〈巻四・七四一〉 
いめにだに 見えばこそあらめ かくばかり 見えずしあるは 恋ひて死ねとか
《せめてもに 夢に出んかと 待ってても 出てえへんの 恋死ね云うことか》
                         ―大伴家持―〈巻四・七四九〉 
かくばかり 面影おもかげのみに 思ほえば いかにかもせむ 人目しげくて
《面影が 浮かび浮かんで 仕様しょうないで どしたらんや 人目いのに》
                         ―大伴家持―〈巻四・七五二〉 
一重ひとへのみ 妹が結ばむ 帯をすら 三重みへ結ぶべく わが身はなりぬ
《してくれる 帯は一重で ったのに 三重結ぶほど 恋痩せしたで》
                         ―大伴家持―〈巻四・七四二〉 


恋死こひしなむ そこも同じそ 何せむに 人目ひとめ他言ひとごと 言痛こちたみわがせむ
恋死にそやで 他人ひと非難うわさを 逃れと 逢うんめても おんなじこっちゃ》
                         ―大伴家持―〈巻四・七四八〉 
わが恋は 千引ちびきいはを ななばかり 首にけむも 神のまにまに
《かまへんで 千人引きの 石七つ 首掛けるな 苦し恋でも》
                         ―大伴家持―〈巻四・七四三〉 



千引ちびきいはを】へ


家持編(一)青春・恋の遍歴(17)二人交すは 明日の契り

2011年08月25日 | 家持編(一)青春・恋の遍歴
■平成23年8月25日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★今えらい 苦しいけども その内に 一緒なれる日 来るよなあんた

春日山かすがやま 霞たなびき こころぐく 照れる月夜つくよに ひとりかも寝む
《春日山 霞棚引き 人恋し え月やのに ひとすんか》
                         ―大伴坂上大嬢―〈巻四・七三五〉 
月夜つくよには かどに出で立ち 夕占ゆふけ問ひ 足卜あうらをぞせし 行かまくを欲り
え月や 家の外出て いろいろと 占いしたで 行きたいおもて》
                         ―大伴家持―〈巻四・七三六〉 

かにかくに 人はふとも 若狭道わかさぢの 後瀬のちせの山の のちはむ君
《なんやかや 他人ひとは言うけど 後々あとあとは 添い遂げられる そうやなあんた》
                         ―大伴坂上大嬢―〈巻四・七三七〉 
世間よのなかし 苦しきものに ありけらし 恋にへずて 死ぬべき思へば
《世の中は 苦しいもんと 分かったわ 苦恋こい堪え切れず 死にそなるから》
                         ―大伴坂上大嬢―〈巻四・七三八〉 
後瀬のちせ山 のちも逢はむと 思へこそ 死ぬべきものを 今日けふまでも生けれ
後々あとあとに 一緒になろと 思うから 死なんと来たで 今日まで生きて》
                         ―大伴家持―〈巻四・七三九〉 
ことのみを のちも逢はむと ねもころに われをたのめて 逢はざらむかも
《そのうちに 一緒なろやと うまいこと 言うてこのわし だますんちゃうか》
                         ―大伴家持―〈巻四・七四〇〉 




足卜あうらをぞせし】へ


家持編(一)青春・恋の遍歴(16)何で二人が 逢うたらあかん

2011年08月22日 | 家持編(一)青春・恋の遍歴
■平成23年8月22日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★この世間 仲良え程に 立つ非難うわさ 日毎夜毎や 隠れも出来ん

はむは 何時いつもあらむを 何すとか かのよひあひて ことしげしも
《逢うのんは 仰山ぎょうさんあるに 間運まん悪い 晩にうたで えらい噂や》
                         ―大伴坂上大嬢―〈巻四・七三〇〉 
わが名はも 千名ちな五百名いほなに 立ちぬとも 君が名立たば しみこそ泣け
《うち噂 なんぼされても かめへんが あんたの中傷うわさ くやして泣ける》
                         ―大伴坂上大嬢―〈巻四・七三一〉 
今しはし 名のしけくも われは無し 妹によりては たび立つとも
《お前との 中傷うわさやったら かめへんで 千遍せんべんされても 辛抱しんぼできるで》
                         ―大伴家持―〈巻四・七三二〉 
うつせみの 世やもふた行く 何すとか 妹に逢はずて わが独り寝む
《人生は 二度れへんで なこっちゃ お前逢わんと 独り寝るのん》
                         ―大伴家持―〈巻四・七三三〉 

わが思ひ かくてあらずは 玉にもが まことも妹が 手にかれむを
《独り寝で 恋苦くるしむよりは 玉なって お前の手ぇに 巻かれてみたい》
                         ―大伴家持―〈巻四・七三四〉 
玉ならば  手にも巻かむを うつせみの 世の人なれば 手に巻きかたし
《手に巻いて あんた玉なら 離せへん 生身なまみの人は そはいかんがな》
                         ―大伴坂上大嬢―〈巻四・七二九〉 



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家持編(一)青春・恋の遍歴(15)二人のために この世はあるよ

2011年08月18日 | 家持編(一)青春・恋の遍歴
■平成23年8月18日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★ときめいて 逢える喜び 待つ辛さ これが恋かよ あああ知らなんだ
 
思ひ絶え  わびにしものを なかなかに 何か苦しく 相見そめけむ
あきらめて 一人わびしゅう してたのに なんで逢うこと なったんやろか》
                         ―大伴家持―〈巻四・七五〇〉 
相見ては 幾日いくひぬを ここだくも 狂ひに狂ひ 思ほゆるかも
うてから 日も経たんのに なんでまた 気ィ狂うほど 思うんやろか》
                         ―大伴家持―〈巻四・七五一〉 
相見ては しましも恋は ぎむかと 思へどいよよ 恋ひまさりけり
えたんで 恋の苦しさ やわらぐと おもおたけども 募るばかりや》
                         ―大伴家持―〈巻四・七五三〉 

ゆふさらば 屋戸やどけて われ待たむ いめに相見に むといふ人を
よる来たら 家の戸けて 待つとしょう 夢でお言う お前来るのん》
                         ―大伴家持―〈巻四・七四四〉 
朝にに 見まくりする その玉を いかにせばかも 手ゆれざらむ
《朝昼と 見てたい玉を この手から 離さんとくん どしたらんや》
                         ―大伴家持―〈巻三・四〇三〉 




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家持編(一)青春・恋の遍歴(14)叔母様の 勘気解けたぞ 急げや急げ

2011年08月15日 | 家持編(一)青春・恋の遍歴
■平成23年8月15日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★竹田庄 大嬢おおいらつめが 待つ所 逸る家待 急ぎて通う

玉桙たまほこの 道は遠けど はしきやし 妹をあひ見に 出でてぞ
《遠い道 苦にもせんとに いとおしい 叔母あんたに逢いに 出かけて来たで》
                         ―大伴家持―〈巻八・一六一九〉 
あらたまの 月立つまでに まさねば いめにし見つつ 思ひそがせし
《ひと月が ってもあんた んよって 夢にまで見て 待ってたんやで》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻八・一六二〇〉 

わがれる 早稲田わさだの穂立ち 造りたる かづらそ見つつ しのはせわが背
《家の田の 早稲穂わせほで編んだ かずらです 見るたびうちを 思い出してや》
                         ―大伴坂上大嬢―〈巻八・一六二四〉 
吾妹子わぎもこが なりと造れる 秋の田の 早穂わさほの蘰 見れど飽かぬかも
《お前ちゃん 作ってくれた 秋の田の 早稲穂わせほの鬘 見飽きんこっちゃ》
                         ―大伴家持―〈巻八・一六二五〉 
秋風の 寒きこの頃 下に着む 妹が形見と かつもしのはむ
《秋の風 寒いよってに もろ下衣ふく あんたやおもて 着てみよ思う》
                         ―大伴家持―〈巻八・一六二六〉 

忘れ草 わが下紐したひもに 着けたれど しこ醜草しこくさ ことにしありけり
《恋心 消す云う草を けたけど 名前倒れや このアホ草は》
                         ―大伴家持―〈巻四・七二七〉 
人もき 国もあらぬか 吾妹子わぎもこと たづさひ行きて たぐひてをらむ
《人誰も 居らへん国が 在ったら お前連れ立ち 一緒行こかな》
                         ―大伴家持―〈巻四・七二八〉 



しこ醜草しこくさ】へ


家持編(一)青春・恋の遍歴(13)佐保山(やま)見る度(たんび) 思い出すがな

2011年08月11日 | 家持編(一)青春・恋の遍歴
■平成23年8月11日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★ああ悲し 寂しい日々や これまでに 何でいとしみ たらなんだか

かくのみに ありけるものを 妹も我れも 千歳ちとせのごとく たのみたりけり
《こんななる 運命さだめやったに 二人して ずっと長生き 出ける思てた》
                         ―大伴家持―〈巻三・四七〇〉 

家離いへさかり います吾妹わぎもを とどめかね 山隠やまがくしつれ 精神こころともなし
《この家に らすするの 出けへんで 死なして仕舞しもた 情けないがな》
                         ―大伴家持―〈巻三・四七一〉 

世間よのなかは 常かくのみと かつ知れど 痛きこころは 忍びかねつも
《世の中は  こんなもんやと 分かるけど 辛い気持は 耐えられんのや》
                         ―大伴家持―〈巻三・四七二〉 

佐保山に  たなびく霞 見るごとに 妹を思ひ出 泣かぬ日はなし
《佐保山に 棚引く霞 見るたんび お前思うて 泣かん日ィない》
                         ―大伴家持―〈巻三・四七三〉 

昔こそ よそにも見しか 吾妹子わぎもこが おくと思へば しき佐保山
《気にせんと 見てた山やに 佐保山は お前の墓と 思たらいとし》
                         ―大伴家持―〈巻三・四七四〉 




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家持編(一)青春・恋の遍歴(12)可哀想したな 放っといてから

2011年08月08日 | 家持編(一)青春・恋の遍歴
■平成23年8月8日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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おみなめを 亡くし家待 今更に 平穏生活くらし いとしゅう思う

今よりは 秋風寒く 吹きなむを いかにかひとり 長き夜を宿
《これからは  秋の風吹き 寒いのに 長い夜ひとり 寝るのん寂し》
                         ―大伴家持―〈巻三・四六二〉 

長きを ひとりやむと 君が言へば 過ぎにし人の 思ほゆらくに
《長い夜を 独りで寝るて 聞いたとき うなった人 思い出したで》
                         ―大伴書持おおとものふみもち―〈巻三・四六三〉

秋さらば 見つつしのへと 妹が植ゑし 屋前やど石竹なでしこ 咲きにけるかも
撫子なでしこの 花咲いとおる 秋来たら 見て楽しもと お前の植えた》
                         ―大伴家持―〈巻三・四六四〉 
うつせみの 世は常なしと 知るものを 秋風寒み しのひつるかも
《世の中は  無常なもんと 知ってるが 秋風吹くと 思い出すなぁ》
                         ―大伴家持―〈巻三・四六五〉 

我が屋前やどに 花ぞ咲きたる そを見れど こころも行かず しきやし 妹がありせば 
水鴨みかもなす 二人ふたり並びゐ 手折たをりても 見せましものを

《庭で咲く 花を見たかて 面白おもろない もしもお前が ったなら 並んで花を 手折たおるのに》
うつせみの れる身なれば 露霜つゆしもの ぬるがごとく
あしひきの 山道やまぢをさして 入日いりひなす かくりにしかば

《人の定めや 仕様しょうなしに 露霜みたい はかのうに 帰らん旅へ 出て仕舞しもて 日ィ沈むに 死んでもた》
そこ思ふに 胸こそ痛き 言ひもず 名づけも知らず あともなき 世間よのなかにあれば むすべもなし
《思い出すたび 胸痛い 嘆く言葉も 見当たらん 消えてく定め どもならん》
                         ―大伴家持―〈巻三・四六六〉 

時はしも 何時いつもあらむを こころ痛く にし吾妹わぎもか 若子みどりごを置きて
《人いつか 死ぬけどなんで 今やねん わし悲しませ 幼子おさなご残し》
                         ―大伴家持―〈巻三・四六七〉 

でて行く 道知らませば あらかじめ 妹をとどめむ せきも置かましを
《もしわしが あの世行く道 知ってたら お前の行く手 ふさいだったに》
                         ―大伴家持―〈巻三・四六八〉 
妹が見し やどに花咲き 時はぬ 我が泣く涙 いまだなくに
《時過ぎて  お前の庭に 花咲いた わしの涙は まだ乾けへん》
                         ―大伴家持―〈巻三・四六九〉 




せきも置かましを】へ


家持編(一)青春・恋の遍歴(11)聞きしに優る 恋の炎や

2011年08月04日 | 家持編(一)青春・恋の遍歴
■平成23年8月4日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★聞いてたが 恋する女 恐いでと 逃げられんのか 離れとないが

我れも思ふ 人もな忘れ おほなわに 浦吹く風の む時なけれ
《忘れんと  うち思てるで あんたもな いついつまでも 途切れんように》
                         ―笠郎女かさのいらつめ―〈巻四・六〇六〉

思ふにし しにするものに あらませば 千遍ちたびぞ我れは 死にかへらまし
《もしもやで 恋焦がれして 死ぬんなら うち千回も 死んで仕舞しもてる》
                         ―笠郎女かさのいらつめ―〈巻四・六〇三〉

あひおもはぬ 人を思ふは 大寺おほでらの 餓鬼がきしりへに ぬかづくがごと
《気ィめた 人思うんは 寺の餓鬼 尻から拝む みたいなもんや》
                         ―笠郎女かさのいらつめ―〈巻四・六〇八〉

いまさらに 妹に逢はめやと 思へかも ここだ我が胸 いぶせくあるらむ
《あんたには  もう逢わんとこ 思うけど ちょっとこの胸 ちくちくするな》
                         ―大伴家持―〈巻四・六一一〉 

なかなかに もだもあらましを 何すとか 相見そめけむ げざらまくに
げられん 恋やになんで 逢うたんや 声掛けたんが 間違いやった》
                         ―大伴家持―〈巻四・六一二〉 

こころゆも 我ははざりき またさらに 我が故郷ふるさとに 帰りむとは
《なんでまた 故郷くにに帰って 来たんやろ 恋くさした あんたの所為せいや》
                         ―笠郎女かさのいらつめ―〈巻四・六〇九〉

近くあらば 見ずともあらむを いや遠く 君がいまさば 有りかつましじ
《あんたはん 近くったら 生きてける 離れて仕舞しもて 生きる甲斐かい無い》
                         ―笠郎女かさのいらつめ―〈巻四・六一〇〉





餓鬼がきしりへに】へ


家持編(一)青春・恋の遍歴(10)良え女やが 一寸(ちょと)気が重い

2011年08月01日 | 家持編(一)青春・恋の遍歴
■平成23年8月1日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★恋心 初々し内 ときめきは れるにつれて 気重が増すよ

八百日やほか行く 浜のまなごも 我が恋に あにまさらじか 沖つ島守
《広い浜 ある砂数すなよりも うち、、の恋 ずっといのん 分かるなあんた》
                         ―笠郎女かさのいらつめ―〈巻四・五九六〉

うつせみの 人目をしげみ 石橋いははしの 間近まぢかき君に 恋ひわたるかも
他人ひとの目が うるさいよって 逢わへんで 焦がれるだけや 近くるのに》
                         ―笠郎女かさのいらつめ―〈巻四・五九七〉

恋にもぞ 人は死にする 水無瀬河みなせがは 下ゆ我れす 月に
《恋したら 人死ぬんやで うち、、もそや 日に日にせる あんた分かるか》
                         ―笠郎女かさのいらつめ―〈巻四・五九八〉

伊勢の海の いそもとどろに 寄する波 かしこき人に 恋ひわたるかも
《大波の とどろくみたい 勿体もったない 人にこのうち、、 惚れたんやろか》
                         ―笠郎女かさのいらつめ―〈巻四・六〇〇〉

こころゆも はざりき 山河も へだたらなくに かく恋ひむとは
《山川に 隔てられてる わけちゃうに こんな焦がれる 思わなんだわ》
                         ―笠郎女かさのいらつめ―〈巻四・六〇一〉

ゆふされば 物さる 見し人の 言問こととふ姿 面影にして
《日暮れには 睦言むつごと顔を 思い出し 恋しさ募り どう仕様しょうもない》
                         ―笠郎女かさのいらつめ―〈巻四・六〇二〉

剣大刀つるぎたち 身に取りふと いめに見つ 如何いかなるそも 君にはむため
《夢見たで おっかたなに 添い寝する なんのこっちゃろ える前徴しるしか》
                         ―笠郎女かさのいらつめ―〈巻四・六〇四〉

天地あめつちの 神のことわり なくはこそ 我がふ君に 逢はず死にせめ
《この世には ほんま神さん らんのか うち、、死にそやで あんた逢えんと》
                         ―笠郎女かさのいらつめ―〈巻四・六〇五〉





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