■訳してみよう万葉集■＜その101＞伊香保ろの

■訳してみよう万葉集■＜その101＞

●題材歌
伊香保ろの　沿ひの榛原はりはら　我が衣きぬに　着つきよらしもよ　一重ひたへと思へば
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三四三五）

●現代訳

①　―

②　―　

③　―

④伊香保山沿いの榛の木の原は私の衣につきやすいよ。お前の心を一重の一途な心と思うと。

⑤伊香保の山の麓の榛の木の原、この原の木は俺の着物に、ぴったり染まり付くようないい具合だ。着物は一重で裏もないことだし。

⑥　―

⑦　―

①斎藤茂吉＜万葉秀歌＞
②森岡美子＜萬葉集物語＞
③山本健吉＜万葉秀歌鑑賞＞
④中西　進＜万葉集・全訳注原文付＞
⑤伊藤　博＜万葉集・現代語訳付き＞
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子＜超訳万葉集＞

これらを踏まえて　私はこう訳しました。

《伊香保山　麓ふもと榛はんの木き　良よう染まる　わしに染まりや　一途いちずな気ぃで》

さあ　あなたの訳は　如何ですか？

さて　＜その99＞＜その100＞＜その101＞を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・

●真間ままの継つぎ橋はし●

眺める　だけの　時過ごし
　　やっと逢うまで　漕ぎつけた

案ずるよりも　生む方が易やすい
手にしたあの児　可愛かわいてならん

柵越くへごしに　麦食はむ小馬こうまの　はつはつに　相見し子らし　あやに愛かなしも
《柵越さくごしに　仔馬食う麦　一寸ちょっとだけ　一寸ちょっと逢うた児　可愛かわいてならん》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三五三七）
馬柵越せごし　麦食はむ駒の　はつはつに　新肌にひはだ触れし　児ろし愛かなしも
《柵越さくごしに　仔馬食う麦　一寸ちょっとだけ　一寸ちょっと肌触ふれた児　可愛かわいてならん》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三五三七　或る本）
上かみつ毛野けの　まぐはし円まとに　朝日さし　まきらはしもな　ありつつ見れば
《円まとに射す　朝日みたいに　眩まぶしいな　お前まっすぐ　見続けとると》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三四〇七）
あしひきの　山沢やまさは人の　人さはに　まなと言ふ子が　あやに愛かなしさ
《山沢やまさわの　村人むらびとみんな　手出すなと　言うて守る児　偉えろ可愛かいらしで》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三四六二）

可愛いさ昂こうじ　逢いたさ募る
見てて　欲しんや　このワシ一人

足あの音おとせず　行かむ駒もが　葛飾の　真間の継橋つぎはし　やまず通かよはむ
《足音の　発たてへん馬が　無いもんか　真間の継橋　来続けたいで》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三三八七）
下しもつ毛野けの　三毳みかもの山の　小楢こならのす　ま妙ぐはし児ろは　誰たが笥けか持たむ
《三毳山みかもやま　小楢こならみたいに　可愛かいらし児　誰の飯めし盛る　そらワシやんか》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三四二四）

待つは辛つらいが　逢うのは嬉し
逢えば逢おうたで　別れが辛つらい

遅速おそはやも　汝なをこそ待ため　向むかつ嶺をの　椎しひの小枝こやでの　逢ひは違たがはじ
《遅おそうても　わし待ってるで　椎しいの枝　重かさなるみたい　逢えるんやから》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三四九三）
逢はずして　行かば惜をしけむ　麻久良我あくらがの　許我こが漕ぐ船に　君も逢はぬかも
《　逢わんまま　別れん惜しで　渡し場の　船であんたに　逢われんもんか》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三五五八）
伊香保ろの　沿ひの榛原はりはら　我が衣きぬに　着つきよらしもよ　一重ひたへと思へば
《伊香保山　麓ふもと榛はんの木き　良よう染まる　わしに染まりや　一途いちずな気ぃで》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三四三五）
白遠しらとほふ　小新田山をにひたやまの　守もる山の　末うら枯がれ為せなな　常葉とこはにもがも
《小新田山おにいたで　守り育てる　木やあの児　葉枯からすこと無のう　緑で居って》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三四三六）

■訳してみよう万葉集■＜その100＞下つ毛野

■訳してみよう万葉集■＜その100＞

●題材歌

下しもつ毛野けの　三毳みかもの山の　小楢こならのす　ま妙ぐはし児ろは　誰たが笥けか持たむ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三四二四）



●現代訳

①　―

②　―　

③　―

④下野の三毳みかも山の小楢こならのように美しいあの子は、どんな男を夫として笥けをもつのだろう。

⑤下野の三毳みかもの山に生い立つ小楢こならの木、そのみずみずしい若葉のように、目にもさわやかなあの子は、いったい誰のお椀を世話することになるのかなあ。

⑥　―

⑦　―

①斎藤茂吉＜万葉秀歌＞
②森岡美子＜萬葉集物語＞
③山本健吉＜万葉秀歌鑑賞＞
④中西　進＜万葉集・全訳注原文付＞
⑤伊藤　博＜万葉集・現代語訳付き＞
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子＜超訳万葉集＞

これらを踏まえて　私はこう訳しました。

《三毳山みかもやま　小楢こならみたいに　可愛かいらし児　誰の飯めし盛る　そらワシやんか》

さあ　あなたの訳は　如何ですか？

■訳してみよう万葉集■＜その99＞あしひきの

■訳してみよう万葉集■＜その99＞

●題材歌

あしひきの　山沢やまさは人の　人さはに　まなと言ふ子が　あやに愛かなしさ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三四六二）

●現代訳

①　―

②　―　

③　―

④あしひきの山沢に住む人のように人がさわに「まな」（いけない）というあの子が、ふしぎに愛しいことだ。

⑤あしひきの山沢の人びとが、沢中こぞって手出しをしてはいけないと言っている子、その子がむしょうにいとしくてならぬこのせつなさよ。

⑥　―

⑦　―

①斎藤茂吉＜万葉秀歌＞
②森岡美子＜萬葉集物語＞
③山本健吉＜万葉秀歌鑑賞＞
④中西　進＜万葉集・全訳注原文付＞
⑤伊藤　博＜万葉集・現代語訳付き＞
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子＜超訳万葉集＞

これらを踏まえて　私はこう訳しました。

《山沢やまさわの　村人むらびとみんな　手出すなと　言うて守る児　偉えろ可愛かいらしで》

さあ　あなたの訳は　如何ですか？

■訳してみよう万葉集■＜その98＞真金ふく

■訳してみよう万葉集■＜その98＞

●題材歌

真金まかねふく　丹生にふの真朱まそほの　色に出て　言はなくのみぞ　我あが恋ふらくは
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三五六〇）

●現代訳

①　―

②　―　

③　―

④金を作り出す丹生の赤土のように目立っては言葉をかけないだけだ。わが心の恋は。

⑤金を吹き分ける丹生、その地で採れる真っ赤な土の色のように、おもて、そう、あらわに口に出して言わないだけのこと。私が恋い焦がれているこの思いは。

⑥　―

⑦　―

①斎藤茂吉＜万葉秀歌＞
②森岡美子＜萬葉集物語＞
③山本健吉＜万葉秀歌鑑賞＞
④中西　進＜万葉集・全訳注原文付＞
⑤伊藤　博＜万葉集・現代語訳付き＞
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子＜超訳万葉集＞

これらを踏まえて　私はこう訳しました。

《金きん造つくる　赤土あかつちみたい　表立ち　言いわへんだけや　惚ほれてるけども》

さあ　あなたの訳は　如何ですか？

さて　＜その96＞＜その97＞＜その98＞を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・

●行かくし良よしも●
　　
初うぶな男も　じっとせず　恐る恐るに　声掛ける

募つのる思いを　乙女は耐える
我慢出来できんは　男の方か
出向き声掛け　仕様しようとするが
傍そばに行ったら　心が萎なえる

上かみつ毛野けの　乎度をどの多杼里たどりが　川道かはぢにも　児らは逢はなも　一人のみして
《多杼里たどり村　川沿い道で　ひょっとして　あの児逢えんか　人知られんで》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三四〇五）
上かみつ毛野けの　小野をのの多杼里たどりが　逢は道ぢにも　背せなは逢はなも　見る人なしに
《多杼里たどり村　道の出会いで　邪魔じゃま無なしに　あの児にひょいと　逢われんもんか》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三四〇五或る本）
上かみつ毛野けの　伊香保の嶺ねろに　降ろ雪よきの　行き過ぎかてぬ　妹が家のあたり
《伊香保嶺いかほねに　降る雪違ちゃうが　行ゆき悩む　お前の家の　前うろうろと》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三四二三）
さ男鹿の　伏すや草むら　見えずとも　児ころが金門かなとよ　行かくし良えしも
《あの児ん家ち　居おるか居おらんか　わからんが　前通とおるんは　わくわくするよ》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三五三〇）
細石さざれいしに　駒を馳はさせて　心痛いたみ　我あが思もふ妹が　家の辺あたりかも
《石道を　馬走らして　胸痛い（可哀想や）　恋し児の家　すぐ傍そば来てて（胸痛い）》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三五四二）
真金まかねふく　丹生にふの真朱まそほの　色に出て　言はなくのみぞ　我あが恋ふらくは
《金きん造つくる　赤土あかつちみたい　表立ち　言いわへんだけや　惚ほれてるけども》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三五六〇）
人皆の　言ことは絶ゆとも　埴科はにしなの　石いし井ゐの手児てごが　言ことな絶えそね
《皆みんなとは　例たとえ付き合い　絶えたかて　石井の児とは　繋つながってたい》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三三九八）
薪たきぎ樵こる　鎌倉山の　木垂こだる木を　まつと汝なが言はば　恋ひつつやあらむ
《鎌倉の　枝垂たれの木は　松違ちゃうが　松〔待つ〕聞いてたら　焦がれへんのに》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三四三三）

男　うずうず　辛抱しんぼうできん
そう　は　思うが　引っ込み思案
考えあぐね　　思案の末に
腹を括くくるに　占うらない頼る

上かみつ毛野けの　佐野田さのたの苗なへの　占苗むらなへに　事は定めつ　今は如何いかにせも
《佐野さの田た苗なえ　苗なえ占うらないで　決まったで　心決ぎめして　妻問つまどい行こか》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三四一八）

■訳してみよう万葉集■＜その97＞さ男鹿の

■訳してみよう万葉集■＜その97＞

●題材歌

さ男鹿の　伏すや草むら　見えずとも　児ころが金門かなとよ　行かくし良えしも
《あの児ん家ち　居おるか居おらんか　わからんが　前通とおるんは　わくわくするよ》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三五三〇）



●現代訳

①　―

②　―　

③　―

④鹿が草群に隠れ伏すように、あの子の姿は見えずとも、あの子の門の前を通って行くのは、よいものよ。

⑤雄鹿が伏している草むら、姿の見えないその草むらのように、姿は見えなくても、あの子の門口を通るのは、それだけで気持ちがいい。

⑥　―

⑦　―

①斎藤茂吉＜万葉秀歌＞
②森岡美子＜萬葉集物語＞
③山本健吉＜万葉秀歌鑑賞＞
④中西　進＜万葉集・全訳注原文付＞
⑤伊藤　博＜万葉集・現代語訳付き＞
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子＜超訳万葉集＞

これらを踏まえて　私はこう訳しました。

《あの児ん家ち　居おるか居おらんか　わからんが　前通とおるんは　わくわくするよ》

さあ　あなたの訳は　如何ですか？

■訳してみよう万葉集■＜その96＞上つ毛野

■訳してみよう万葉集■＜その96＞

●題材歌

上かみつ毛野けの　乎度をどの多杼里たどりが　川道かはぢにも　児らは逢はなも　一人のみして

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三四〇五）


●現代訳

①　―

②　―　

③　―

④上野の乎度の多杼里の川沿い道で、あの子に逢いたいな。一人だけで。

⑤上野の乎度の多杼里の川沿いの道、一目につかないあんな道ででも、あの子はひょっこり逢ってくれるといいのにな。たったひとりでさ。

⑥　―

⑦　―

①斎藤茂吉＜万葉秀歌＞
②森岡美子＜萬葉集物語＞
③山本健吉＜万葉秀歌鑑賞＞
④中西　進＜万葉集・全訳注原文付＞
⑤伊藤　博＜万葉集・現代語訳付き＞
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子＜超訳万葉集＞

これらを踏まえて　私はこう訳しました。

《多杼里たどり村　川沿い道で　ひょっとして　あの児逢えんか　人知られんで》

さあ　あなたの訳は　如何ですか？

■訳してみよう万葉集■＜その95＞何（あ）ど思（も）へか

■訳してみよう万葉集■＜その95＞

●題材歌

何あど思もへか　阿自久麻山あじくまやまの　弓絃葉ゆづるはの　含ふふまる時に　風吹かずかも

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三五七二）

●現代訳

①　―

②　―　

③　―

④どう思うからとて、阿自久麻山のゆずる葉が開き切らない時に、嵐が吹かないといえようか。

⑤いったいどういう気でじっとしているんだ。阿自久麻山の弓絃葉がまだ蕾の時に、風が吹かないなんていうことがあるものかよ。

⑥　―

⑦　―

①斎藤茂吉＜万葉秀歌＞
②森岡美子＜萬葉集物語＞
③山本健吉＜万葉秀歌鑑賞＞
④中西　進＜万葉集・全訳注原文付＞
⑤伊藤　博＜万葉集・現代語訳付き＞
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子＜超訳万葉集＞

これらを踏まえて　私はこう訳しました。

《気ィ付けや　蕾つぼみ時分の　ゆづりはに　油断してたら　風吹くかもな》

さあ　あなたの訳は　如何ですか？

さて　＜その93＞＜その94＞＜その95＞を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・
●うけらが　花の●
次なる　歌は　同じくに
　若い男の　初うぶな歌

乙女一途いちずの　心に比くらべ
若い男も　負けては居おらん
垣間かいま見えるは　初うぶなる男
拙つたない恋芽　おずおず開く

小里をさとなる　花橘を　引き攀よぢて　折らむとすれど　うら若みこそ
《里にある　橘たちばな花はなを　折ろ思おもて　見たら若いで　まだ折られんな》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三五七四）
美夜自呂みやじろの　砂丘辺すかへに立てる　貌かほが花　な咲き出いでそね　隠こめて偲しのはむ
《砂丘すなおかに　咲いた昼顔　そっと咲き　わしは心で　見ておるよって》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三五七五）

芽生めばえの恋は　早春香り
人　知られんと　心に秘めて
大切だいじ大切だいじと　仕舞しもうておくが
伝えたい　のは　誰しも同じ

あしひきの　山葛やまかづらかげ　ましばにも　得がたきかげを　置きや枯らさむ
《滅多めった見ん　日かげ葛かずらや　大切だいじしょう　枯らしたあかん　良ええ児やからに》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三五七三）
いかにして　恋ひばか妹に　武蔵野むざしのの　うけらが花の　色に出でずあらむ
《そおおっと　伝えたいんや　恋心　うけらみたいに　目立たん様ように》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三三七六或る本）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（うけら＝山野自生の菊科多年草　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　白または淡紅色の目立たない花が咲く）

伝えたい　のは　山々なれど
あの　児気持ちが　確かめられん
人目気になり　気後おくれしてる
伝えそびれ　は　他人の花よ

左和多里さわたりの　手児てごにい行き逢ひ　赤駒が　足掻あがきを速はやみ　言こと問とはず来きぬ
《左和多里さわたりの　あの児出逢おたが　馬の脚　早よて声掛け　出来けへんかった》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三五四〇）
百ももづ島　足柄小舟あしがらをぶね　歩き多おほみ　目こそ離かるらめ　心は思もへど
《足柄の　小舟ふね漕ぎ回り　忙いそがして　逢われんけども　思てんのやで》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三三六七）
安斉可潟あせかがた　潮干しほひのゆたに　思おもへらば　うけらが花の　色に出でめやも
《穏やかな　気ィでおったら　うけら花　知らん顔して　居おれたんやのに（焦ってからに　顔出て仕舞しもた）》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三五〇三）
何あど思もへか　阿自久麻山あじくまやまの　弓絃葉ゆづるはの　含ふふまる時に　風吹かずかも
《気ィ付けや　蕾つぼみ時分の　ゆづりはに　油断してたら　風吹くかもな》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三五七二）

■訳してみよう万葉集■＜その94＞いかにして

■訳してみよう万葉集■＜その94＞

●題材歌

いかにして　恋ひばか妹に　武蔵野むざしのの　うけらが花の　色に出でずあらむ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三三七六或る本）
　　　　　　　　　　　　　　（うけら＝山野自生の菊科多年草　白または淡紅色の目立たない花が咲く）



●現代訳

①　―

②　―　

③　―

④どのようにしたら妻への恋は、武蔵野のうけらの花のように一目につかずにいられようか。

⑤どんなふうに恋い慕ったら、あの子に対して、武蔵野のおけらの花の色のように、表に出すようなことをしないで済ますことができるのであろうか。

⑥　―

⑦　―

①斎藤茂吉＜万葉秀歌＞
②森岡美子＜萬葉集物語＞
③山本健吉＜万葉秀歌鑑賞＞
④中西　進＜万葉集・全訳注原文付＞
⑤伊藤　博＜万葉集・現代語訳付き＞
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子＜超訳万葉集＞

これらを踏まえて　私はこう訳しました。

《そおおっと　伝えたいんや　恋心　うけらみたいに　目立たん様ように》

さあ　あなたの訳は　如何ですか？

■訳してみよう万葉集■＜その93＞小里なる

■訳してみよう万葉集■＜その93＞

●題材歌

小里をさとなる　花橘を　引き攀よぢて　折らむとすれど　うら若みこそ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―東　歌―（巻十四・三五七四）




●現代訳

①　―

②　―　

③　―

④里の中の花橘を引き寄せて折ろうとするのだが、まだ若いので、それが。

⑤小里のある橘の木、その枝を引き寄せて手折ろうとはしてみるが、なんともまだ末うらっぽの若い木でありすぎて・・・・・・。

⑥　―

⑦　―

①斎藤茂吉＜万葉秀歌＞
②森岡美子＜萬葉集物語＞
③山本健吉＜万葉秀歌鑑賞＞
④中西　進＜万葉集・全訳注原文付＞
⑤伊藤　博＜万葉集・現代語訳付き＞
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子＜超訳万葉集＞

これらを踏まえて　私はこう訳しました。

《里にある　橘たちばな花はなを　折ろ思おもて　見たら若いで　まだ折られんな》

さあ　あなたの訳は　如何ですか？