ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

訳してみよう万葉集(58)古の

2012年05月31日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その58>

●題材歌

いにしへの ななさかしき 人どもも りせしものは 酒にしあるらし

                           ―大伴旅人おおとものたびと―(巻三・三四〇)


●現代訳

① ―

② ― 

③昔「竹林の七賢人」と言われた無欲恬澹てんたんの人たちも、酒だけは別だった。

④昔の七人の賢人たちも欲しいと思ったものは酒であるらしい。

⑤いにしえの竹林の七賢人たちさえも、欲しくて欲しくてならなかったものはこの酒であったらしい。

⑥ ―

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《名ぁ高い なな賢人けんじんも 人並みに 欲しがったんは 酒やでやっぱ》

さあ あなたの訳は 如何ですか?


訳してみよう万葉集(57)酒の名を

2012年05月28日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その57>

●題材歌

酒の名を ひじりおほせし いにしへの おほひじりの ことのよろしさ
                           ―大伴旅人おおとものたびと―(巻三・三三九)


●現代訳

① ー

② ―

③昔、魏の時代に、清酒を聖人、濁り酒を賢人と名づけた、その大聖人の言葉の、面白いこと、隅におけない聖人だよ。

④酒の名を聖となづけた、昔の大聖人のことばのよさ。

⑤酒の名を聖と名付けたいにしえの大聖人の言葉、その言葉の何と結構なことよ。

⑥ ―

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《酒のこと ひじりやなんて 適切うまいこと 言うたもんやな 昔の聖人ひとは》


さあ あなたの訳は 如何ですか?



訳してみよう万葉集(56)験なき

2012年05月24日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その56>

●題材歌

しるしなき 物をおもはずは 一坏ひとつきの にごれる酒を 飲むべくあるらし

                           ―大伴旅人おおとものたびと―(巻三・三三八)


●現代訳

①甲斐ないことをくよくよ思うことをせずに、一杯の濁り酒を飲むべきだ。

②思ってもしかたないことを、くよくよ思わずに、一杯の濁り酒を飲んだ方がましだ。 

③甲斐もない物思いをするよりは、いっそ、一杯の濁り酒を飲んだ方が、ましに違いない。

④考えても仕方ない物思いをしないで、一杯の濁り酒を飲む方がよいらしい。

⑤この人生、甲斐なきものにくよくよとらわれるよりは、一杯の濁り酒でも飲む方がずっとましであるらしい。

⑥甲斐のない 物思いをするよりは いっそ一杯の 濁り酒を 飲んだほうがいいようだ

⑦つまらない考えごとより 一杯の酒だろ?

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

仕様しょうもない 考えせんと 一杯の どぶろく酒を 飲むえで》

さあ あなたの訳は 如何ですか?



訳してみよう万葉集(55)いづくにか

2012年05月21日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その55>

●題材歌

何処いづくにか 船泊ふなはてすらむ 安礼あれの崎 漕ぎ廻こ たみ行きし 棚無たなな小舟をぶね

                            ―高市黒人たけちのくろひと―(巻一・五八)

●現代訳

①今、三河の安礼の崎のところを漕ぎ廻っていった、あの舟棚のない小さい舟は、いったい何処に泊るのか知らん。

②今、三河の安礼の崎のところを、漕いでいって、向こう側へ見えなくなってしまった、あの小さい舟は、いったいどこへ泊まるのでしょうか。

③何処の湊に、今宵は舟がかりしていることであろう、安礼の崎を漕ぎ廻って見えなくなったあの棚無し小舟は。

④今はどこの津に船どまりしているだろう。安礼の崎をめぐって漕ぎ去っていった、あの棚無し小舟は。

⑤今頃、どこに舟泊まりしているのであろうか。さっき安礼の崎を漕ぎめぐって行った、あの横板もない小さな舟は。

⑥今ごろどこに 船泊りをしているのだろうか 安礼の崎を 漕ぎ廻って行った あの船棚もない小さな舟は

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《あの小舟 どこで泊まりを するんやろ さっき安礼崎あれさき 行ったあの舟》 

さあ あなたの訳は 如何ですか?
さて <その55>を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・

【船泊てすらむ】へ




いよいよ本になります!!

2012年05月19日 | メッセージ
平成24年4月19日

万葉歌みじかものがたりが いよいよ本になります。
刊行は5月中旬~下旬です。
主要書店の店頭に並ぶ・・・はず・・・です。
見掛けられない場合は 出版元の「JDC出版」にお問い合わせ下さい。
全十巻構成で まずは第一巻「歴史編」がでます。
表紙は次のようです。



また 宣伝用のパンフレットの表と裏は それぞれ次のようです。
(裏は字が小さくて読みづらいですが 本を買って頂ければよく見えると思います)





訳してみよう万葉集(54)楽浪の

2012年05月17日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その54>

●題材歌

楽浪ささなみの 国つかみの うらさびて 荒れたるみやこ 見れば悲しも

                            ―高市黒人たけちのくろひと―(巻一・三三)


●現代訳

① ―

② ― 

③楽浪の国魂が遊離して、そのために荒れた都の址どころを見れば、悲しいことよ。

④楽浪の地の国つ神の御心も衰えて、荒廃に帰してしまった都を見ると、悲しいことよ。

⑤楽浪の地を支配したまう国つ神の、御魂も衰えすさんで、荒れ廃れている都、この都を見ると、悲しくてならぬ。

⑥ ―

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《ここの国 作った神さん 心え みやこ荒れてる 悲しいこっちゃ》 

さあ あなたの訳は 如何ですか?
さて <その53><その54>を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・

【古の人に我れあれや】へ




訳してみよう万葉集(53)古の

2012年05月17日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その53>

●題材歌

いにしへの 人に我れあれや 楽浪ささなみの ふるみやこを 見れば悲しき

                            ―高市黒人たけちのくろひと―(巻一・三二


●現代訳

①当今の普通人ならば旧都の址を見てもこんなに悲しまぬであろうが、こんなに悲しいのは、古の世の人だからであろうか。

② ―

③私は昔の人であろうか、そうではないのに、この楽浪の古い都の址どころを見ると、悲しさがこみ上げてくる。

④旧時代の人間だからか、私は楽浪の旧都を見ると心がいたむことだ。

⑤遥かなる古の人で私はあるのであろうか、まるで古の人であるかのように、楽浪の荒れ果てた都、ああ、この都を見ると、悲しくてならぬ。

⑥わたしは いにしえの人なのだろうか いやそうではない なのに 「ささなみの古い都」を 見ると悲しい

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《この古い 都見てたら 泣けてくる 古い時代の 自分ひとちゃうのんに》 

さあ あなたの訳は 如何ですか?




訳してみよう万葉集(52)ぬばたまの

2012年05月14日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その52>

●題材歌

ぬばたまの 夜さりれば 巻向まきむくの 川音かはと高しも 嵐かも

                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻七・一一〇一)

●現代訳

①夜になると、巻向川の川音が高く聞こえるが、多分嵐が強いかも知れん。

② ―

③夜になると、巻向の穴師川の川音が高く聞こえてくる。山颪が激しくなってきたのかしら。

④暗闇の夜が訪れて来ると、巻向川の川音が高いことよ。嵐が激しいのだろうか。

⑤夜がやってくると、巻向の川音が高く響きわたる。山おろしの風が激しいのであろうか。

⑥ぬばたまの 夜になってくると 巻向川の 川音が高くなったぞ 山おろしの風が 激しく吹いているからか

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

よるけた 川の水音 こなった 今に一荒ひとあれ じき来るみたい》

さあ あなたの訳は 如何ですか?
さて <その51><その52>を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・

【川音高しも】へ




訳してみよう万葉集(51)あしひきの

2012年05月10日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その51>

●題材歌

あしひきの 山川やまがはの瀬の 鳴るなへに 弓月ゆつきたけに 雲立ち渡る

                    ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻七・一〇八八)


●現代訳

①近くの穴師の川に水嵩が増して瀬の音が高く聞こえている。すると 向こうの巻向の弓月が岳に雲が湧いて盛んに動いている。

②(あしひきの)山の中を流れている川の音が、激しく鳴り出したと思と、弓月が岳に、一面雲が立ち渡ります。

③風がでて、山川(穴師川)の瀬の音が、高まり響いてくると同時に、巻向山の弓月が岳一帯には雲が盛んに沸き立ってきた。

④あしひきの山川の瀬音が激しくなるにつれて、弓月が岳に雲の立ち渡るのが見える。

⑤山川の瀬音が高鳴るとともに、弓月が岳に雲が立ちわたる。

⑥あしひきの 山川の瀬が 鳴り響くとともに 弓月が岳に 雲が一面に立ちのぼる

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《山筋の 川瀬鳴ってる やっぱりな 弓月ゆつきたけに 雨雲あめぐも出てる》

さあ あなたの訳は 如何ですか?



訳してみよう万葉集(50)笹の葉は

2012年05月07日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その50>

●題材歌

ささの葉は み山もさやに さやげども 我れは妹思ふ 別れぬれば

                        柿本人麻呂かきのもとのひとまろ―(巻二・一三三)


●現代訳

①今通っている山中の笹の葉に風が吹いて ざわめき乱れていても わが心はそれに紛れることなくただ一向ひたすらに 別れて来た妻のことをおもっている

②山路を歩いて行きますと 笹の葉に風が吹いて さらさら音を立ててさわいでいますが その音にまぎれもしないで私は妻のことを思いつづけています

③笹の葉はこの山にさやさやと音を立てているが 私はただ別れて来たいとしい人を思いつめている

④笹の葉は山路にみちてざわざわと風に鳴っているが 私の心は一途に妻を思う。今や別れて来たので

⑤笹の葉はみ山全体にさやきやとそよいでいるけれども、私はただ一筋にあの子のことを思う。別れて来てしまったので。

⑥山一面に生えた笹が お山もとよむばかりにざわめくが その音にも紛れないで わたしは妻を思う 別れて来たのだから

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《笹の葉が ざわざわ揺れる わびしいに 別れ来た児で 胸一杯あふれそやのに》

さあ あなたの訳は 如何ですか?

さて <その49><その50>を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・

【靡けこの山】へ




訳してみよう万葉集(49)石見のや

2012年05月03日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その49>

●題材歌

石見いはみのや 高角山たかつのやまの より 我が振るそでを いも見つらむか


                        柿本人麻呂かきのもとのひとまろ―(巻二・一三二)


●現代訳

①石見の高角山の山路を来てその木の間から 妻のいる里に向って 振った私の袖を妻は見たせあろうか

② ―

③石見国の高角山の山路にある木立の間から 私のいとしい人は 私が振っている袖を 見ているだろうよ

④石見の この高角山の木々のあたりから私の振っている袖を 妻は見ているだろうか

⑤石見の、高角山の木の間から名残を惜しんで私が振る袖、ああこの袖をあの子は見てくれているであろうか

⑥ ―

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《恋しいて 高角たかつの山の あいだ 振るこの袖を 見てるかお前》

さあ あなたの訳は 如何ですか?