犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(168)稲日野も

2013年01月12日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【十一月十七日】放映分
稲日野いなびのも 行きぎかてに 思へれば 心こほしき 可古かこしま
印南野いなみのの 素通りしと 思う間に 恋し可古かこ島 おお見えとるが》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ―(巻三・二五三)

【万葉歌みじかものがたり】大和島 見ゆ》

長門をた 人麻呂の公務旅たび
大宰府 への 副次報告を終え
の津からの船は 難波なにわの津を目指していた
時化しけの怖さはあるが 沿岸伝いの船旅ふなたび
陸路の難渋なんじゅうを思えば 安全 この上ない
久方ぶり の 大和の地
はやる心の 人麻呂

 まだ 見えぬのか 大和は)
稲日野いなびのも 行きぎかてに 思へれば 心こほしき 可古かこしま
印南野いなみのの 素通りしと 思う間に 恋し可古かこ島 おお見えとるが》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ―(巻三・二五三)

(淡路島 大きゅうなってきた おお にぎやか 賑やか)
笥飯けひの海の にはくあらし 刈薦かりこもの みだづ見ゆ 海人あまの釣船
うみは いだみたいや 釣り船が バラバラバラと 出てきとるがな》 
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ―(巻三・二五六)

 うわぁ 大和や 大和や)
天離あまざかる ひな長道ながぢゆ 恋ひれば 明石のより 大和島やまとしま見ゆ
《長い道 恋し恋しと 明石来た 海峡かいきょうこに 大和の山や》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ―(巻三・二五五)

小躍こおどりしたい気持ち
それとは 裏腹うらはら
人麻呂の胸に 苦いしるが わだかまる

(このまま 地方の官吏かんりで終わるのか
 あの ほまれは 夢だったのか
 天武帝に召され「大王おおきみは 神にしあれば」とうたったのは わしだ
  統帝の覚えは 目出たかった
 吉野行幸みゆき「山川も依りてつかふる」は絶讃ぜつさんを得た
 皇子みこ達への き歌の数々
 宮めの 寿ことほぎ歌・・・
 あれ は 真のわしであったのであろうか
 時移り 世は変わり 宮廷一の歌人うたびと 柿本人麻呂は どこへ行ったのじゃ
 友もいない ぶん不相応な扱いを受けた わしに 誰も寄りはしなかった
 もう  大和はわしの住むところではないのだ)

石見いわみは い あそこは 人が住んでいる
 依羅娘子よさみのおとめが待っている・・・)

人麻呂の目に 大和島山が にじ



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