NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【六月二十日】放映分
★穴師川 川波立ちぬ 巻向の 弓月が嶽に 雲居立てるらし
《穴師川 波立ってるで ざわざわと 弓月が嶽に 雲出てるがな》
―柿本人麻呂歌集―(巻七・一〇八七)
【万葉歌みじかものがたり】《川音高しも》
人麻呂は 馬を急がせていた
ここしばらく 吉野行幸の 計らい事で
妻問いが 遠ざかっていた
昨日降った 春の雪
ぬかるみ
馬の足取りが もどかしい
(新妻を待たせて仕舞うた 巻向郎女
待ち焦がれているじゃろう 急がねば)
三輪山を 右手に見ながら
馬は 三輪の大社を過ぎた
泥道が続く
霧の立ち込める中 檜原の杜が見える
巻向の 檜原に立てる 春霞 おぼにし思はば なづみ来めやも
《すぐ消える 霞みたいな 思い違う そんな気ぃなら 無理して来んわ》
―柿本人麻呂歌集―(巻十・一八一三)
夕闇の 訪れに 湿り気の広がり
穴師川の 橋を渡り 川上に 馬首を回らす
(川に 波 立ってきたぞ)
穴師川 川波立ちぬ 巻向の 弓月が嶽に 雲居立てるらし
《穴師川 波立ってるで ざわざわと 弓月が嶽に 雲出てるがな》
―柿本人麻呂歌集―(巻七・一〇八七)
(おお 瀬が 鳴っとおる)
あしひきの 山川の瀬の 鳴るなへに 弓月が嶽に 雲立ち渡る
《山筋の 川瀬鳴ってる やっぱりな 弓月が嶽に 雨雲出てる》
―柿本人麻呂歌集―(巻七・一〇八八)
「今 戻った」
馬を 飛び降り 門前から 呼びかける
まろぶが如き 出迎えの 巻向郎女
「雨には 合わずに済んだぞ」
微笑み 面伏せる 巻向郎女
夕餉を 済ませ
くつろぎの ひと時
山間の静寂に 川音が 高い
ぬばたまの 夜さり来れば 巻向の 川音高しも 嵐かも疾き
《夜更けた 川の水音 高こなった 今に一荒れ じき来るみたい》
―柿本人麻呂歌集―(巻七・一一〇一)
至福の一夜
激しかった雨脚 次第に 遠のく
――――――――――――――――――――
【新しい試みです】
「歌心関西訳」の作成過程をご覧ください。
これなら あなたも 訳せますよ。
<訳してみよう万葉集>へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
■リンク先
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また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
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【六月二十日】放映分
★穴師川 川波立ちぬ 巻向の 弓月が嶽に 雲居立てるらし
《穴師川 波立ってるで ざわざわと 弓月が嶽に 雲出てるがな》
―柿本人麻呂歌集―(巻七・一〇八七)
【万葉歌みじかものがたり】《川音高しも》
人麻呂は 馬を急がせていた
ここしばらく 吉野行幸の 計らい事で
妻問いが 遠ざかっていた
昨日降った 春の雪
ぬかるみ
馬の足取りが もどかしい
(新妻を待たせて仕舞うた 巻向郎女
待ち焦がれているじゃろう 急がねば)
三輪山を 右手に見ながら
馬は 三輪の大社を過ぎた
泥道が続く
霧の立ち込める中 檜原の杜が見える
巻向の 檜原に立てる 春霞 おぼにし思はば なづみ来めやも
《すぐ消える 霞みたいな 思い違う そんな気ぃなら 無理して来んわ》
―柿本人麻呂歌集―(巻十・一八一三)
夕闇の 訪れに 湿り気の広がり
穴師川の 橋を渡り 川上に 馬首を回らす
(川に 波 立ってきたぞ)
穴師川 川波立ちぬ 巻向の 弓月が嶽に 雲居立てるらし
《穴師川 波立ってるで ざわざわと 弓月が嶽に 雲出てるがな》
―柿本人麻呂歌集―(巻七・一〇八七)
(おお 瀬が 鳴っとおる)
あしひきの 山川の瀬の 鳴るなへに 弓月が嶽に 雲立ち渡る
《山筋の 川瀬鳴ってる やっぱりな 弓月が嶽に 雨雲出てる》
―柿本人麻呂歌集―(巻七・一〇八八)
「今 戻った」
馬を 飛び降り 門前から 呼びかける
まろぶが如き 出迎えの 巻向郎女
「雨には 合わずに済んだぞ」
微笑み 面伏せる 巻向郎女
夕餉を 済ませ
くつろぎの ひと時
山間の静寂に 川音が 高い
ぬばたまの 夜さり来れば 巻向の 川音高しも 嵐かも疾き
《夜更けた 川の水音 高こなった 今に一荒れ じき来るみたい》
―柿本人麻呂歌集―(巻七・一一〇一)
至福の一夜
激しかった雨脚 次第に 遠のく
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