犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(110)萩の花

2012年05月26日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【九月二十九日】放映分

はぎの花 尾花をばな 葛花くずばな なでしこの花
女郎花をみなへし また藤袴ふぢばかま 朝顔あさがほの花
《萩の花 すすき葛花くずばな 撫子なでしこの花
女郎花おみなえし ふじばかまばな 桔梗ききょうの花や》
                          ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻八・一五三八)

【万葉歌みじかものがたり】 日暮らさむ》

 文庫の中
七夕歌 を 整理した 憶良
なつかしさに 思わず こぼれる

(おお これは 紀伊国きのくに 行幸みゆきの供の時
  持統帝の時代であった
  わしも 若かった 三十一の年か
 磐代いわしろ
 道行く人 皆 思わずにはいない 有間皇子ありまのみこ
 手向たむけの歌)
白波の 浜松の木の むけぐさ 幾代までにか 年はぬらむ
《松の木に 幣布きれを結んで 祈るんは 何時から続く 習慣ならわしなんや》
                          ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻九・一七一六)
天翔あまがけり ありがよひつつ 見らめども 人こそ知らね 松は知るらむ
《空飛んで 皇子みこたましい かよてるで 人間ひと見えんでも 松知っとるわ》
                          ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻二・一四五)

 良 次の歌へと 目をやる
秋の野に 咲きたる花を および折り かき数ふれば 七種ななくさの花
 秋の野に 咲いてる花を 指折って 数えてみたら ほらそれ七つ》
                          ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻八・一五三七)
はぎの花 尾花をばな 葛花くずばな なでしこの花
女郎花をみなへし また藤袴ふぢばかま 朝顔あさがほの花
《萩の花 すすき葛花くずばな 撫子なでしこの花
女郎花おみなえし ふじばかまばな 桔梗ききょうの花や》
                          ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻八・一五三八)
(これは うたじゃ 
  しかし 皆は よき歌という
 人生の苦労も知らず 純粋に若かった
 今に思うと 心に秘めた人を なぞらえしか)

(これは これは また なつかしい)
春されば  まづ咲くやどの 梅の花 独り見つつや 春日暮らさむ
《春来たら 最初さき咲く梅花はなを 独りして 見て春日いちにちを 暮らすんかいな》
                           ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻五・八一八)
(ああ 旅人たびと殿を 思い出す
 天平二年(730)正月の うめはなうたげ
 大宰府だざいふの官人 三十二名つどいし宴
 この歌に 旅人殿 目をうるませておられた
 奥方おくがたを 伴って来られた筑紫
 その地で亡くされ 酒にうたげに ふけられていた
  都戻りの旅 独り戻りを 嘆かれたと聞く
 その 旅人たびと殿も 昨年 この世を去られた
 人は むなしゅうなるが こうして 歌だけは残る)

 良に 人生・社会を 見つめる歌が 増えて行く





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