犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(009)見れど飽かぬ

2011年04月30日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は ご覧になれません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【四月七日】放映分

見れど飽かぬ 吉野の河の 常滑とこなめの 絶ゆることなく また還り見む
  《見飽けへん 吉野の川に また来たい またまた来たい ずうっとずっと》 
                         ―柿本人麻呂―(巻一・三七)



【万葉歌みじかものがたり】《見れど飽かむ》

【宮滝の激湍】


持統天皇の治世も  ようやく 安定を見たころ 
天皇は 思い起していた 
(吉野 
 夫大海人おおあまと 越えた雪の峰 氷雨ひさめふる山路やまみち 父天智との確執かくしつの後 手に入れた 地位 
 ああ 吉野が恋しい  そうじゃ 離宮を作ろう 宮滝に離宮を) 

風光明媚な 吉野宮滝 
立派に った離宮
持統女帝の 吉野行幸みゆきが 重なる
行幸の 従駕人じゅうがびと 
そこには 必ず 人麻呂の姿があった 
みかどへの 捧げ歌 人麻呂はうた
 
やすみしし わご大君の きこす あめの下に 
国はしも さはにあれども 山川の 清き河内かふちと 
御心を 吉野の国の 花らふ 秋津の野に 宮柱 太敷ふとしきませば

天皇おおきみの お治めなさる 国々は 仰山ぎょうさんあるが
 山川の 綺麗きれえなとこと 気に入りの 吉野の国の 秋津野あきつのに 宮殿みやどの作り おわしまし》
百磯城ももしきの 大宮人は 船並ふねなめて 朝川渡り 舟競ふなこそひ 夕河渡る 
《お連れの人は 朝となく ゆうべとなしに 船遊び》
この川の 絶ゆることなく この山の いや高知らす  
水激みずたぎつ たぎの都は 見れどかぬかも

《流れ続ける 川水と たこたこうに 茂る山 その滝の宮 見飽けへん》
                         ―柿本人麻呂―(巻一・三六)

《見飽けへん 吉野の川に また来たい またまた来たい ずうっとずっと》 
                         ―柿本人麻呂―(巻一・三七)

見れど飽かぬ 吉野の河の 常滑とこなめの 絶ゆることなく また還り見む
人麻呂は 得心した 
(これぞ 神の宮 寿ことほぎの歌)


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