NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【十一月七日】放映分
去年見てし 秋の月夜は 照らせども 相見し妹は いや年さかる
《去年見た 秋の良え月 今も良え 一緒見たのに もう居らんがな》
―柿本人麻呂―(巻二・二一一)
【万葉歌みじかものがたり】《引手の山に》
巻向郎女と 人麻呂の 住み処
穴師川のほとり
庭先の川堤に 大きな槻の木が 葉を広げる
うつせみと 思ひし時に たづさへて わが二人見し 走出の 堤に立てる 槻の木の こちごちの枝の 春の葉の 茂きが如く 思へりし 妹にはあれど 頼めりし 児らにはあれど
《元気居る時 二人で見たな 門出た処の 堤の欅 枝満々に 茂った若葉 そんな満々 好き合たお前 末長ご思た お前やけども》
世間を 背きし得ねば かぎろひの 燃ゆる荒野に 白拷の 天領巾隠り 鳥じもの 朝立ちいまして 入日なす 隠りにしかば
《世の中習い 逆らい出来ず 陽炎消えて 天行くみたい 鳥飛び立って 帰らんみたい 太陽ィ沈むよに 隠れて仕舞た》
我妹子が 形見に置ける みどり児の 乞ひ泣くごとに 取り与ふ 物し無ければ 男じもの 腋はさみ持ち
《残った赤ん坊 泣く度ごとに 取って与える 物とて無うて 乳も出んのに 胸抱きかかえ》
我妹子と 二人わが寝し 枕付く 妻屋の内に 昼はも うらさび暮し 夜はも 息づき明し 嘆けども 為むすべ知らに 恋ふれども 逢ふ因を無み
《共に暮らした 住まいに籠り 昼間ぼっとし 夜溜息し 嘆いてみても どうにもならん 恋しがっても 逢うこと出来ん》
大鳥の 羽易の山に わが恋ふる 妹は座すと 人の言へば 石根さくみて なづみ来し 吉けくもぞなき
《後ろの山で お前の姿 見たと聞いたら 岩道分けて 探しに来たが 良え目は無うて》
うつせみと 思ひし妹が 玉かぎる ほのかにだにも 見えぬ思へぱ
《生きてるはずと 思てたお前 影も形も 見えん様なった》
―柿本人麻呂―(巻二・二一〇)
衾道を 引手の山に 妹を置きて山路を行けば 生けりともなし
《引手山 お前葬って 降りてきた ひとり生きてく 気ィならんがな》
―柿本人麻呂―(巻二・二一二)
去年見てし 秋の月夜は 照らせども 相見し妹は いや年さかる
《去年見た 秋の良え月 今も良え 一緒見たのに もう居らんがな》
―柿本人麻呂―(巻二・二一一)
槻の木の住み処 嘆きの枯れない 人麻呂がいる
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【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
こちらを ご覧下さい。
【古事記ものがたり】へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
■リンク先
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また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
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去年見てし 秋の月夜は 照らせども 相見し妹は いや年さかる
《去年見た 秋の良え月 今も良え 一緒見たのに もう居らんがな》
―柿本人麻呂―(巻二・二一一)
【万葉歌みじかものがたり】《引手の山に》
巻向郎女と 人麻呂の 住み処
穴師川のほとり
庭先の川堤に 大きな槻の木が 葉を広げる
うつせみと 思ひし時に たづさへて わが二人見し 走出の 堤に立てる 槻の木の こちごちの枝の 春の葉の 茂きが如く 思へりし 妹にはあれど 頼めりし 児らにはあれど
《元気居る時 二人で見たな 門出た処の 堤の欅 枝満々に 茂った若葉 そんな満々 好き合たお前 末長ご思た お前やけども》
世間を 背きし得ねば かぎろひの 燃ゆる荒野に 白拷の 天領巾隠り 鳥じもの 朝立ちいまして 入日なす 隠りにしかば
《世の中習い 逆らい出来ず 陽炎消えて 天行くみたい 鳥飛び立って 帰らんみたい 太陽ィ沈むよに 隠れて仕舞た》
我妹子が 形見に置ける みどり児の 乞ひ泣くごとに 取り与ふ 物し無ければ 男じもの 腋はさみ持ち
《残った赤ん坊 泣く度ごとに 取って与える 物とて無うて 乳も出んのに 胸抱きかかえ》
我妹子と 二人わが寝し 枕付く 妻屋の内に 昼はも うらさび暮し 夜はも 息づき明し 嘆けども 為むすべ知らに 恋ふれども 逢ふ因を無み
《共に暮らした 住まいに籠り 昼間ぼっとし 夜溜息し 嘆いてみても どうにもならん 恋しがっても 逢うこと出来ん》
大鳥の 羽易の山に わが恋ふる 妹は座すと 人の言へば 石根さくみて なづみ来し 吉けくもぞなき
《後ろの山で お前の姿 見たと聞いたら 岩道分けて 探しに来たが 良え目は無うて》
うつせみと 思ひし妹が 玉かぎる ほのかにだにも 見えぬ思へぱ
《生きてるはずと 思てたお前 影も形も 見えん様なった》
―柿本人麻呂―(巻二・二一〇)
衾道を 引手の山に 妹を置きて山路を行けば 生けりともなし
《引手山 お前葬って 降りてきた ひとり生きてく 気ィならんがな》
―柿本人麻呂―(巻二・二一二)
去年見てし 秋の月夜は 照らせども 相見し妹は いや年さかる
《去年見た 秋の良え月 今も良え 一緒見たのに もう居らんがな》
―柿本人麻呂―(巻二・二一一)
槻の木の住み処 嘆きの枯れない 人麻呂がいる
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古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
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