犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(149)蓮葉は

2012年10月10日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【十月二十一日】放映分

蓮葉はちすばは かくこそあるもの 意吉おき麻呂まろが いえなるものは うもの葉にあらし
はすの葉は まあこんなにも えもんか うちるんは さしずめ芋葉いもや》
                       ―長意吉麻呂ながのおきまろ―(巻十六・三八二六)

【万葉歌みじかものがたり】たふにな寄りそ》

次々に出される 歌題うただい
間髪かんぱつ入れずの 意吉麻呂歌作り

(次は 行縢むかばき 青菜あおな 食薦すごも はり じゃ)
食薦すごも敷き 青菜む うつはりに むかばきけて 休むこの君
食薦すごも敷き 青菜あおな煮るんで はり上に 行縢むかばき懸けて お待ちのほどを》
                        ―長意吉麻呂ながのおきまろ―(巻十六・三八二五)

(さあさ お次は 膳上ぜんうえ蓮葉はちすばと行こう)
蓮葉はちすばは かくこそあるもの 意吉おき麻呂まろが いえなるものは うもの葉にあらし
はすの葉は まあこんなにも えもんか うちるんは さしずめ芋葉いもや》
                       ―長意吉麻呂ながのおきまろ―(巻十六・三八二六)

 さすが意吉麻呂
 では 先ほどまで遊びしさいの目はどうじゃ)
一二いちにの目 のみにはあらず 五六ごろくさむ さへありけり 双六すごろくさい
双六すごろくの さいの目見たら 一二いちにほか 五六ごろくもあって 三四さんしもあるで》
                       ―長意吉麻呂ながのおきまろ―(巻十六・三八二七)

 吉麻呂歌は 果てるを知らず
矢継ぎ歌題うただい 発止はっしと返す

こう 塔 かわや くそ やっこ
かうれる たふにな寄りそ かはくまの くそぶなめる いたきやっこ
こうりの とう近づくな 便所そば くそふなを やっこめ》
                       ―長意吉麻呂ながのおきまろ―(巻十六・三八二八)

 ひしお ひる たい 水葱なぎ
ひしほに ひるてて たひ願ふ 我れにな見えそ 水葱なぎあつもの
ひしお ひる掛けた 鯛しに 見とうもないで 水葱ねぎ吸物すいなんか》
                       ―長意吉麻呂ながのおきまろ―(巻十六・三八二九)

たまばはき 鎌 むろ なつめ
たまばはき 刈りかま麻呂まろ むろの木と なつめもとと かきかむため
かま麻呂まろよ 玉掃ばはき苅りい むろの木と なつめ根本ねもと 掃除そうじするんや》
                       ―長意吉麻呂ながのおきまろ―(巻十六・三八三〇)

白鷺しらさぎが木をくわえてる絵を見て)
池神いけがみの 力士りきじまひかも 白鷺しらさぎの ほこひ持ちて 飛び渡るらむ
池神寺いけがみの 力士りきしまいやで 白鷺しらさぎが ほこくちくわえ 飛んでん見たら》
                       ―長意吉麻呂ながのおきまろ―(巻十六・三八三一)
                       (力士舞=呉の美女を襲う悪党崑崙こんろんを力士が征伐し
                            その象徴を振り回し口に咥えて舞う技楽)
 ――――――――――――――
【即興歌作りの巧者・右兵衛任じのなにがし
(とある酒宴 盛付け容器の蓮葉はちすばに掛けて)
ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉はちすばに まれる水の 玉に似たる見む
《空からの 雨降らんかな はすの葉に 結ぶ水玉みずたま 真珠たまやと見たい》
                           ―作者未詳―(巻十六・三八三七)



――――――――――――――――――――
【新しい試みです】
「歌心関西訳」の作成過程をご覧ください。
これなら あなたも 訳せますよ。
<訳してみよう万葉集>へ

【万葉歌みじか物語】はこちら



<万葉歌みじかものがたり>へ




■リンク先

      
      

最新の画像もっと見る

コメントを投稿