犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(112)珠洲の海に

2012年06月02日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【八月三十一日】放映分
珠洲すすの海に 朝びらきして ぎ来れば 長浜のうらに 月照りにけり
《朝珠洲すずを 船出ふなで日中ひなか ぎ続け 長浜来たら え月出てる》
                        ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十七・四〇二九)

【万葉歌みじかものがたり】 びらきして》

雪深いこし
待ち に待った春の訪れ
わたくし鬱々うつうつは知らず おおやけ任務は やってくる
家持は 春の稲の出挙すいこに出る
官による いねもみの貸付だ
役目 の果しと共に 春景色が楽しい

雄神川をかみがは くれなゐにほふ 娘子をとめらし 葦附あしつきると 瀬に立たすらし
雄神川おかみがわ あこえさして 娘子おとめらが 海苔のり採ろおもて 川瀬立ってる》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十七・四〇二一)
鵜坂川うさかがは 渡る瀬多み このうまの 足掻あがききの水に きぬれにけり
鵜坂川うさかがわ 渡る瀬数せかずが いよって 馬ね水で ふく濡れて仕舞た》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十七・四〇二二)
婦負川めひがはの 早き瀬ごとに かがりさし 八十伴やそともは 鵜川うかは立ちけり
婦負川めひがわの 早瀬早瀬で かがりき 土地の役人 鵜飼いしとるで》
                        ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十七・四〇二三)
立山たちやまの 雪しらしも 延槻はひつきの 川の渡瀬わたりぜ あぶみかすも
立山やまの雪 解流ながれ来たんか 馬あぶみ かって仕舞たで 早月瀬ぇで》
                        ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十七・四〇二四)

越中 巡行終えた家持 能登へと向かう
越中とは違ったくに情緒じょうちょが また嬉しい

志雄路しをぢから ただ越え来れば 羽咋はくひの海 あさなぎしたり ふねかぢもがも
志雄しお街道みちを 越えたらパッと 羽咋はくい海 朝ぎしてる ふねしたいな》
                        ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十七・四〇二五)
鳥総とぶさ立て 船木ふなぎるといふ 能登の島山
今日けふ見れば 木立こだちしげしも 幾代いくよかむびそ
《船にする え木出すう 能登島の山
  やっぱりな 山繁ってて 神秘的やで》
                        ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十七・四〇二六)
香島かしまより 熊来くまきを指して ぐ船の かぢ取るなく みやこし思ほゆ
《香島出て 熊来くまきぐ梶 休みなし 都おもうも 休む間ないわ》
                        ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十七・四〇二七)
妹にはず 久しくなりぬ 饒石川にぎしがは 清き瀬ごとに 水占みなうらへてな
《置いてきた 大嬢おまえどしてる うらなおか 綺麗きれえな水の 饒石にぎしの川で》
                        ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十七・四〇二八)
珠洲すすの海に 朝びらきして ぎ来れば 長浜のうらに 月照りにけり
《朝珠洲すずを 船出ふなで日中ひなか ぎ続け 長浜来たら え月出てる》
                        ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十七・四〇二九)

任務 合間の折々 思いは 都 そして 妻



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