萩が咲き乱れる――安倍晴明の館の庭かと見まごうばかりのところが、出町柳にありました。
その名も「萩の寺 常林寺」。京阪出町柳駅のすぐそばにありますが、山門から一歩足を踏み入ると、そこは夢枕獏が描く陰陽師・安倍晴明の庭のようです。
赤や白の萩が参道にしだれ、すすきが無造作に穂を光りに輝かせているかと思うと、足下にはひっそりと曼珠沙華が咲いています。どこからともなく式神の蜜虫が現れ、晴明のもとに誘うのではないか。そんな風にも思えます。
9月23日、お彼岸のお参りをしたあと、家人が「いいお天気なので、家に帰るのはもったいない」と言うので、「そしたら、萩でも見にいこか」と、まずは御所の隣の梨木神社に行ってみました。ところが、まだ萩は青々とし、花はごくごくわずかしか見られません。今年は9月になっても暑かったので、まだ早いのかなと残念に思いました。このままでは午後がいまいちになってしまうなあ、と思い、常林寺さんまで足を延ばすことにしました。御所の東から出町柳まではそんなに遠くありません。ここはどうかな、と思い、山門の前に立つと小さな花が目にいっぱい飛び込んで来ました。
わずかな距離なのにこの違い。行ってよかったな、と本当に思いました。
常林寺さんは一般のお寺です。観光寺院ではありません。なので、拝観にあたってはマナーを守って静かに訪れてくださいね。
2011年9月23日撮影 Nikon P300
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