JR西日本は3月17日のダイヤ改正から、南紀特急の「オーシャンアロー」「スーパーくろしお」「くろしお」をすべて「くろしお」に統一したのは、皆さんご承知の通りです。前々回の記事にも書きましたが、新鋭の287系、283系、381系のパノラマ編成、通常編成の4種の車両が全部「くろしお」として走ることになりました。これによって困るのは形式ごとに乗車位置が違うことです。これまではオーシャンアローの乗車位置、スーパーくろしおの乗車位置などと列車愛称で説明がつきましたが、単に「くろしお」だけになると、「くろしお」のどこに並べば、あるいは待てばいいのかわからなくなります。乗客が不便になるだけでなく、案内する駅社員の方たちも説明しづらいのではないでしょうか。
実は3月11日にパーイチファンさんと白浜周辺へ撮影に行った際、帰りにオーシャンアローに乗ったのですが、すでにホームからオーシャンアローの表示が消えていて、戸惑いました。女性の駅社員さんに尋ねると「くろしおBでお待ちください」とのことでした。「くろしおBって何?」と思いながら、ホームを見たら、確かに「くろしおA」「くろしおB」「くろしおC」と黄、赤、青に塗り分けた乗車位置表示が描かれていました。
それだけなら大したことはないのですが、よく見ると、Aには大きくパンダの絵と小さく287系の顔が描かれています。Bには283系オーシャンアローの顔とライオンが、Cは381系スーパーくろしおの顔とキリンの絵がそれぞれ描かれていました。鉄ちゃん的には、車両の絵を大きくして動物の絵は小さく、と思ってしまいますが、よく考えるとアドベンチャーワールドの最寄り駅らしい取り組みだと感心しました。
白浜には海水浴や温泉めぐり、そしてアドベンチャーワールドを楽しみに家族連れや女性客らが訪れます。帰りの列車を待つ観光客に、「くろしおAに」とか「Bに並んでお待ちください」という案内ではいかにも無粋です。小さな子供たちに「ライオンさんのところに並んでね」とか「パンダちゃんのところで待っていてね」などと言うと、わかりやすく親しみを持たれるはずです。紀勢線や阪和線の他の駅が今回の愛称統一でどのような取り組みをしているのかはわかりません。ひょっとしたら、他の駅でも同じようにパンダやキリンがいるのかもしれません。
そうであったとしても、これは白浜駅だからこその効果的な表示だと思いました。
「北近畿」から愛称が変わった「こうのとり」のように、そもそも形式固有的な愛称や「スーパー」といった違う愛称がなかった列車は、車両形式が混在しても同じ名前で仕方が無いと思いますが、今回は「お客様目線」で考えて、愛称統一の必要性がどこにあるのか私は理解に苦しみます。けれども、それに何とか対応しようとする白浜駅社員の方々。この努力には敬意を表したいと思いました。
2012-03-11 JR紀勢本線白浜駅で撮影
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今回の愛称統一は私も理解し難い所がありましたが、やはり現場はこうして対応を迫られるものですね。
それにしても白浜駅の対策というか試みはお見事という他ありません。
まだ381系は残りますから、再び乗りたいものです。
最後になりましたが、紀勢貨物2089レの撮影でまむし様のブログを参考にさせていただきました。 事後伝達になりますが、ありがとうございましたm(_ _)m
なかなか白浜駅のこの表示は面白かったですね。
そうですか、その昔の新幹線岡山駅ホームは、キジさん、お猿、ワンちゃんの絵でしたか。
先輩がいたわけですねえ。
キハ85さんも、やはり今回の愛称統一には首をひねられましたか。
現場も工夫を求められますよね。白浜駅の皆さんの工夫、なかなか素敵ですよね。
2089レ、ご参考になりましたら幸いです。
やはり車両ごとにドア位置が違いますよ。これは結構大きな問題で、東海道区間から500系が追いやれられた理由の一つもそれですから。
号車によってはほぼ同じ位置もあれば、かなり離れたところもあります。白浜駅の現地で確認しました。
今時、乗客があふれるほどーーーとお書きですが、私たちが3月11日に乗った復路のオーシャンアローは周参見で自由席はすでに満席で、駅の放送で自由席乗車のお急ぎでないお客様は次の白浜始発のくろしおをご利用くださいと案内していましたし、オンシーズンの白浜駅は大いに混雑しますよ。
そのときに、どこに並ぶのかわかりにくいというのは、乗客にとっては不親切です。よって、このような対応が必要になってきます。
オーシャンアローであろうが、スーパーくろしおであろうが乗車位置は違うのは同じですが、すべて「くろしお」になると混乱するでしょう。だいたい、くろしおAだのBだのって想像が働かないではないですか。
オーシャンアロー、いい名前だと思いますよ。私は、カタカナ愛称が悪いとはまったく思いません。