ドイツのメルケル首相が退任するーーといったニュースを聞いても、大部分の日本人は「ふーん、そうなの」と思うだけで、それ以上のことは考えません。ドイツのリーダーが替わろうが替わるまいが、自分の生活にはまず変化は起こらないと安心しきっていうからです。しかし、これだけ安心して暮らせる国というのは、広い世界を見渡してもそう沢山あるわけではありません。
私たち日本人はそうした安定に慣れきって、べつにそれを「ありがたい」とも思わず日々を過ごしていますが、明日が今日と同じという安心感を抱いて生きられるというのは、本当に稀有(けう)なことです。
メルケル退陣で、運命が大きく変わる人は何百万人もいます。とりわけ苦労ばかりで希望がないアラブの国々から、安定したヨーロッパに早く移住したいと思っていた人々は、自分たちの運命を理解し、一番頼りにしていた政治家が「抜ける」のですから、その衝撃の度合いははかり知れません。
彼らの多くは国際機関から「難民」と認定されています。安定した職に就く能力もない人々です。難民の子供は自動的に難民になるので、その数は間もなく1000万人に達するだろうと、中東問題の専門家滝川義人氏は言っています(隔月誌「みるとす」10月号)。これだけの人数を先進国は国民の税金で養わねばならない。単なる同情やヒューマニズムで解決できる問題ではないのです。
目をアメリカ大陸に転じると、もっと差し迫った恐怖のデモ行進が続いています。
自分たちの国ホンジュラスでは、働こうにも職がないので、とにかく「北へ行こう」という数千人が、アメリカ合衆国を目指して徒歩で行進中です。これに加えてメキシコ人の一団もアメリカを目指しています。トランプ大統領は、国境に5000人強の軍隊を配置し、彼らを「追い返す」と息巻いています。はたしてどういうことになるのか、目が離せない緊張の時が刻々と近づいています。
私たち日本人はそうした安定に慣れきって、べつにそれを「ありがたい」とも思わず日々を過ごしていますが、明日が今日と同じという安心感を抱いて生きられるというのは、本当に稀有(けう)なことです。
メルケル退陣で、運命が大きく変わる人は何百万人もいます。とりわけ苦労ばかりで希望がないアラブの国々から、安定したヨーロッパに早く移住したいと思っていた人々は、自分たちの運命を理解し、一番頼りにしていた政治家が「抜ける」のですから、その衝撃の度合いははかり知れません。
彼らの多くは国際機関から「難民」と認定されています。安定した職に就く能力もない人々です。難民の子供は自動的に難民になるので、その数は間もなく1000万人に達するだろうと、中東問題の専門家滝川義人氏は言っています(隔月誌「みるとす」10月号)。これだけの人数を先進国は国民の税金で養わねばならない。単なる同情やヒューマニズムで解決できる問題ではないのです。
目をアメリカ大陸に転じると、もっと差し迫った恐怖のデモ行進が続いています。
自分たちの国ホンジュラスでは、働こうにも職がないので、とにかく「北へ行こう」という数千人が、アメリカ合衆国を目指して徒歩で行進中です。これに加えてメキシコ人の一団もアメリカを目指しています。トランプ大統領は、国境に5000人強の軍隊を配置し、彼らを「追い返す」と息巻いています。はたしてどういうことになるのか、目が離せない緊張の時が刻々と近づいています。