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View of the World

世界と日本をつなぎあなたと世界を近づける

今も生きる「生意気だからこの国を懲罰する」という思想

2019-11-04 11:44:33 | 真実はかくも厳しい
 2回にわたり1979年に起きた中国軍によるベトナム侵攻を取り上げました。「古い話じゃないか。いくらなんでも今の習近平政権は、れっきとした主権国家を「生意気で思い上がっているから懲らしめるために出兵する」などという、乱暴なことは考えていないよ」と思う方が多いと思います。
 はたしてそうでしょうか? 鄧小平ほどあからさまには本音を吐かないにせよ、習主席の頭の中身は鄧小平のそれとはほとんど違っていないと思います。彼の部下たちの言動をつぶさに見てゆけば、そのことがはっきりしてきます。
 アメリカに対しても、日本に対しても「こちらは一歩も譲らない。来るなら来い!」という意味の発言を繰り返している高官たちの、誰一人として更迭されていないのです。つまりは主席の承認を得た上での発言であり、「国家意志」の表明です。
 これは恐るべきことです。

 ベトナムで、中国が惨敗してから5年後、イギリスは香港を中国に返還すると約束しました。5年前の中国軍のベトナム侵攻を鮮明に覚えている香港の市民は、「50年間は今の体制は変えない。中国は『一国二制度を絶対に守る』という約束などは反故にしてしまうだろう」と読みました。それから5年後の1989年6月4日、あのおぞましい天安門事件が起きました」。自由を求める学生たちに向かって、軍が発砲したのです。「そうせよ」と命じたのは、鄧小平でした。香港はこの時から、北京政府の意志を本格的に怖れ出しました。

 天安門から30年。いま香港で起きていることと、今回お伝えした一連の出来事は、緊密につながっているのです。日本にとっても決して他人事ではありません。

金正恩が最も嫌う言葉 The Words that Kim Hates Most

2019-03-11 12:07:10 | 真実はかくも厳しい
 去年の6月から今年の2月まで、米朝の間には目に見えぬ駆け引きや、多くの心理戦がありました。その中でトランプ大統領が「効果あり」と踏んでしばしば口にした言葉で「ああ、これは逆効果だ」と思える言葉があります。何でしょうか?
 私の見るところでは、それは「あなたの国はすばらしい国になる。そのためにはアメリカはいろいろな経済援助をするつもりだ」というものです。
 「こんな好意的で、善意に満ちた言葉を、金委員長がなぜ嫌うのか? 貴方の見方はちょっと見当はずれじゃない?」とお思いでしょうか? 少し言葉を補いますね。
 
 建国の祖父金日成、2代目の父金正日の時代から今日まで、北朝鮮は人民を豊かにしようとか、富める国を築こうとか、考えたことがないのです。経済が発展し、外国産の商品や情報が自由に流れ込んできた場合、どういうことが起こるか? 彼らはよく知っています。たとえばいま北で売られているラジオと日本製のそれを比較するだけでも、北の民衆はそのあまりの技術格差に驚くでしょう。やがてこの驚きは「怒り」にかわります。「自分たちは、長いあいだ為政者に騙されてきた」という怒りです。

外国の資本や技術が入って来るのは歓迎するとしても、それらと共に、為政者にとって「好ましくない」ものも入ってきます。大衆向けの音楽、映画、ファーストフードなどと共に政治思想、価値観など大衆が触れたこともないさまざまな情報が押し寄せてきます。それらは独裁体制にとってきわめて「危険で」「有害な」ものです。金氏は、そうしたもろもろの有害な要素をシャットアウトしていたいのです。トランプ氏が善意と友情から、「あなたの国は豊かで発展し、素晴らしい国になる」と言えば言うほど、金氏の猜疑心は膨らみます。「アメリカはうまいことを言って、我が体制を崩壊させたいのではないか?」と彼は疑っていると思います。「我々は、あなたの言うようなすばらしい国など造りたくないのだ」と彼は反論したいのでしょうが、一国のトップが「それを言っちゃあおしまいよ!」ということで、じっと我慢してトランプの言うことを聴いてきたのだと思います。金一族の脳裏に最も強く焼き付いている映像は、1989年に、チャウシェスク大統領の圧政に抗議して立ち上がり、捉えた大統領を直ちに裁判に掛けて処刑してしまった、ルーマニアの政変だーーと聞いたことがあります。

 トランプ氏に捧げたいのは「この世界には君の哲学の夢想だにできぬことが(いっぱい)あるのだ」という、『ハムレット』の中の名せりふです。

『スパイキャッチャー』を読む衝撃

2018-10-04 18:05:28 | 真実はかくも厳しい
 1987年に、朝日新聞社から『スパイキャッチャー』という本が出版されました。著者はピーター・ライト。世界的に有名な防諜(ぼうちょう)機関MI5(エムアイファイヴ)の元職員だったはず。MI5は、イギリスに潜り込んで暗躍している外国のスパイを摘発し、場合によっては逮捕し、国外追放する文字どおり「スパイキャッチャー」としての役目を担う政府機関です。本の内容はまさに衝撃的でした。全編緊張感にあふれ、真実のみが語れる迫力に圧倒されました。この本を読む前と後では、国際的な陰謀とか、民主主義の国家体制をくつがえそうとまで狙っている邪悪なる者たちの正体についての認識がまるで違って見えてきました。

 いま、あらためてこの本のことを書くのは、日本を標的にし、日本の力を弱めようとしている者たちの野望が見えているからです。ところが「まさか、日本をつぶそうとする国があるなんて、信じられない」と思う大多数の日本人が多すぎるからです。彼らののんきぶりと、国際政治に対する無知が、はびこることの恐怖感を感じていても、なにもしていない人たちにがんばってほしいという願いから、これを書きました。この本は「絶版」中です。図書館に行けば読めると思います。