数年前のこと。たしか官房長官の記者会見で、いかにも新人らしい一本気の男性記者が質問しました。「日本も外国にスパイを送り込んだりなんかしてるんですか?」。外国のスパイがヘマをやって、そのために何か国かの人質が、テロリストに殺される事件があり、諜報(ちょうほう)活動というものに批判的な空気が日本のメディアに流れていた時代です。質問した記者の口調は、「スパイ活動などというのは正義に反する」「国家としてこういうことをするのは恥ずかしいことだ」という思想に貫かれていることは、明らかでした。官房長官の困惑した表情は、今でもはっきり覚えています。
若い記者のプライドを傷つけないために、長官はのらりくらりと答弁し、結局記者に尻尾を掴まれないままにこの質問をかわしましたが、テレビでこれを見た超ベテランの記者たちは呆れ、かつ怒っていました。「一体、どこの世界にスパイを他国に送り込んでいない国があるというのだ、こいつはあまりにも常識がなさすぎる。そのことを自覚せずに、自分の幼稚な正義感を基準にして、こういう愚問を発するとは許せない」「長官もびしっと言ってやればよかったのだ。『独立した先進国で、自国の安全のために外国に諜報員を送り込んでいない国がありますか?』 あったらぜひ教えてください」と。」「しかし問題は彼だけではない。これと大同小異な考えを持った者は、年配記者の中にもけっこう多いのだ」
ま、こういう反撃に会えば、記者はぐうーの音もでなかったでしょうが、長官は彼の顔を立てすぎました。要するに「甘やかした」のです。永田町でばかり取材していると、こういう愚か者も出来て来るという見本です。世論を担う皆さんには、彼らより数等上の知性と情報の分析力を持っていただきたいと思います。日本が生き延びる道は、それしかないと思っています。
若い記者のプライドを傷つけないために、長官はのらりくらりと答弁し、結局記者に尻尾を掴まれないままにこの質問をかわしましたが、テレビでこれを見た超ベテランの記者たちは呆れ、かつ怒っていました。「一体、どこの世界にスパイを他国に送り込んでいない国があるというのだ、こいつはあまりにも常識がなさすぎる。そのことを自覚せずに、自分の幼稚な正義感を基準にして、こういう愚問を発するとは許せない」「長官もびしっと言ってやればよかったのだ。『独立した先進国で、自国の安全のために外国に諜報員を送り込んでいない国がありますか?』 あったらぜひ教えてください」と。」「しかし問題は彼だけではない。これと大同小異な考えを持った者は、年配記者の中にもけっこう多いのだ」
ま、こういう反撃に会えば、記者はぐうーの音もでなかったでしょうが、長官は彼の顔を立てすぎました。要するに「甘やかした」のです。永田町でばかり取材していると、こういう愚か者も出来て来るという見本です。世論を担う皆さんには、彼らより数等上の知性と情報の分析力を持っていただきたいと思います。日本が生き延びる道は、それしかないと思っています。