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「お詫び」をするたびに下がる支持率 安倍さん発想の転換を

2020-04-18 16:36:42 | 国内政治
 今回の「10万円一律支給」の決定をめぐって、安倍首相は「自分の決断が遅すぎたために遅滞(ちたい)をまねいた。国民の皆さまに深くお詫びを申し上げたい」と語りました。少し「お詫び」のしすぎです。いま国民が求めているのは、穏やかに摩擦なく、八方をまとめてゆく調整型の「無難な首相」ではありません。多少の軋轢(あつれき)があろうが、轟轟(ごうごう)たる反対意見が巻き起ころうが、「自分はこれをやるのだ。しばらく黙って成果を見てもらいたい」という信念をずばりと語れる「強い、頼り甲斐のある宰相」です。安倍総理に決定的に欠けているのは、こうした強さであり迫力です。いまは非常時です。平和時にいて通用し、有効であった政治姿勢はもはや通用しません。むしろ有害です。この潮の流れの劇的な変化を、総理は読めていません。自分の政治哲学の欠陥も分かっていないのです。ですから時代錯誤のコメントを繰り返し、そのたびに「失望感が生む政権への支持率の低下」を呼んでいるのです。

 安倍さん、思い切って政治哲学を変えてください。「自分はピントはずれかも知れない」と思い直してください。このままだと貴方も国民も、益々不幸になります。発想を変える歴史的名せりふをご紹介します。

 時は中世のスペイン。まだスペインという統一王国が生まれていない時代です。アラブから入ってきたイスラム教徒のムーア人と先住民のキリスト教徒が、戦いを繰り広げていました。しかしキリスト教徒の国王は凡庸な人で、弟との政権争いに夢中になっていました。ために民衆は耐えがたいほどの苦難に直面していました。
 国王に仕えていたビヴァールの騎士ドン・ロドリゴは、王がにもっと民衆のことを考えるように誠心誠意努めますが、王は聞く耳を持ちませんでした。しかし事態が切迫し、危険が我が身にも及ぶに及んで彼はこの忠臣に言います。「余が悪かった。あまりにも愚かであった。明日は国民に詫びようと思う」これを聞いたロドリゴは言います。「君主は誰にたいしても頭を下げてはなりません」。いままで王の暗愚さゆえにさんざ煮え湯を飲まされてきた彼が、「一国の最高責任者はけっして詫びたりしてはならない。そんなことをすれば、王の権威に傷がつき、国内は益々混乱する」として、王の謝罪を思いとどまらせるのです。このシーンを扱った映画は感動的でした。
 ロドリゴはイスラム教徒たちからも尊敬され「シッド」の尊称で呼ばれていました。、国民の敬愛を一身に集めていましたが、自らは王になるなどという野心はいっさい持ちませんでした。ヨーロッパの全歴史を通じても最大の英雄の一人でした。私が何度も観た映画は「エル・シド」で、主演はチャールトン・ヘストンでした。

 もちろん時代も背景も違う日本で、シッドの名言が通用するとは思いません。しかし総理大臣が参考にすべき金言であることはたしかでしょう。検討してみてください・

売れない商品ばかりならべている野党

2020-01-14 15:55:09 | 国内政治
 「最近とみに日本の政治が面白くなくなってきた」という嘆きと怒りの声をよく聞きます。不満の大半は野党の不勉強と危機意識の欠如に対するものです。世界がどんなに緊張しようが、どんな困難に直面していようが、それらを解決するために日本はどうすればいいのか、野党はいかなる行動を取ればよいのかといったことは国会で全く論じられません。10年1日どころか、20年も30年も前と同じように、政府の揚げ足取りに終始し、やがて通りそうもない「内閣不信任案」を提出、圧倒的多数で否決されるという愚行を繰り返しています。本人たちはこれがカッコイイと思っていますが、大衆はこんな茶番劇につくづく愛想を尽かしています。その証拠に、次の総選挙や参院選で野党はおおむね惨敗を喫しているのです。

 この状況を最も分かりやすい喩え話でいうと、野党のやっていることは、「売れない商品ばかり作っているメーカー」や、「客足がどんどんへっているのに少しもメニューを変更しない外食店」に似ているといってよいでしょう。野党が提示するメニューはいかにも古く、国民から飽きられているのです。ここは思い切って、与党のお株を奪うような、時には「保守的」と思われるくらいの政策提言をすることです。それだけの果断さがあれば、道は拓けてきます。真剣に検討してみてください。





石破さん、あれでは中学生なみの中身です

2018-08-11 11:00:34 | 国内政治
 昨日(8月10日)夜のテレビニュースで石破茂さんの自民党総裁選への出馬表明会見を見ました。正直言って「がっかりした」というより、「怒りがこみ上げて」きました。日本が直面している国際環境の厳しさも、それをどう乗り切ってこの国の安全を保ち、国民の生命・財産・自由を守るつもりなのかが全く語られなかったからです。まずはこの人の頭の中に、世界および日本が危機に直面しているという認識がないからでしょう。総裁選は実質的に日本の次期総理大臣を決める選挙です。世界経済にとっても、世界の安定と平和にとっても、きわめて重要な選挙です。そういうことが全く分かっていないと見える会見でした。
 
 「私は正直、公正な政府を目指します」と言いましたが、こんなことは小・中学生でも言えることです。ベテラン政治家なら、口にするのも恥ずかしい内容ではありませんか。「国民の自由と幸せのためなら、たとえ悪魔とでも手を結ぶ」と思っているのが、世界のトップリーダーたちではないのですか? そんなことは思っていても彼らは口には出さず、黙って最善の道を模索(もさく)しているのです。
 そうしたすごみ、対面した相手が思わず身震いするような迫力、眼光の鋭さなどの、どれ一つも備わっていないのが昨日の会見でした。

 では、当面の相手の安倍総理にそれらが備わっているのか? ということになります。安倍さんに対しては、言いたいことがいっぱいあります。それらについては、総裁選までの間に、数回語らせていただくつもりです。

野党はなぜ政権を取れないのか?

2018-06-21 10:32:36 | 国内政治
日本の野党各党はマスコミを巻き込み猛烈な反安倍キャンペーンを展開しています。だがほとんど毎回国政選挙では敗北しています。なぜか? 「自分たちが政権を取れば、日本はこう変わる」という姿を見せることができないからでしょう。とりわけ一段と迫りくる外国からの脅威を感じ取り、日本の安全をどう守るのかという、意志も、戦略も見えてこない。これでは政権を委ねるわけにはいきません。どうやら「危機を感じてもいない」ようにも見えます。知性と知識の欠落です。世論調査を見て安心していないで、発想を根本から切り替えてください。
 廣淵升彦 国際ジャーナリスト・著作家。元テレビ朝日ニューヨーク&ロンドン支局長。

Why Japanese opposition parties cannot win the national elections? -- Lack of wisdom and knowledge. Especially about national defense.
Written by Masuhiko Hirobuchi、Journalist,Book author, Former NY & London Bureau Chief of TV Asahi