昔から日本では「大根役者」という言葉がありました。昔といっても江戸時代になってからだろうと思います。顔はそこそこの美男子でも、芝居が下手、演技ができない役者を指したものです。「あれは大根だね」ということを、観客も言い、お芝居の関係者も言いました。その語源を探りましょう。
昔の人は「食い合わせ」ということを強く意識していました。最も有名な一例は、たしか「ウナギと梅干」でした。「この二つは絶対に一緒に食べるな! おなかをこわすから」ということを、子供たちは両親や祖父母から厳しく言われたものです。ところが大根という野菜は、何と一緒に食べても、けっして「あたらない」そうです。まさに協調性があるというのか八方美人というべきなのか、どんな食材と一緒に食べても「中(あた)らないそうで、ここからどんな狂言(歌舞伎芝居)に起用しても、けっしてあたらない(ヒットしない)役者のことを「大根役者」あるいは「大根」というようになったそうです。
さて舞台は変わってイングランドです。ここには「地球座」の座付き作者として有名な、シェイクスピアがいました。亡くなったのは1616年。「作品をいろいろ(1616)書いて死んだ」と覚えておかれることをおすすめします。この知識は非常に役に立ちます。
この偉大な作家の作品で最も有名なのが、なんといっても『ハムレット』です。母親が、父である王を毒殺して王位を奪った男と再婚するという、厳しい運命を背負った王子ハムレットは、後世にまで残る有名な台詞(せりふ)を吐きます。
「生きるべきか 死ぬべきか それが問題じゃ」この台詞を、舞台俳優たる者は一度は言ってみたい、というのが英米カナダなど英語圏の役者の共通の願いとなりました。だが猫も杓子もこれを言い出したらどうなりますか? 皆がみんな、せりふがうまいわけがありません。大半は聞く方が退屈してしまうことを、いつまでもしゃべっているだけです。こういう手合いを、観客も興行主も「ああ、またハム(ハムレット)か!」と嘆くようになりました。しかし今日も、英米などでは明日の名優をめざす何百人もの「ハム」たちが、涙ぐましい努力を続けているのです。
昔の人は「食い合わせ」ということを強く意識していました。最も有名な一例は、たしか「ウナギと梅干」でした。「この二つは絶対に一緒に食べるな! おなかをこわすから」ということを、子供たちは両親や祖父母から厳しく言われたものです。ところが大根という野菜は、何と一緒に食べても、けっして「あたらない」そうです。まさに協調性があるというのか八方美人というべきなのか、どんな食材と一緒に食べても「中(あた)らないそうで、ここからどんな狂言(歌舞伎芝居)に起用しても、けっしてあたらない(ヒットしない)役者のことを「大根役者」あるいは「大根」というようになったそうです。
さて舞台は変わってイングランドです。ここには「地球座」の座付き作者として有名な、シェイクスピアがいました。亡くなったのは1616年。「作品をいろいろ(1616)書いて死んだ」と覚えておかれることをおすすめします。この知識は非常に役に立ちます。
この偉大な作家の作品で最も有名なのが、なんといっても『ハムレット』です。母親が、父である王を毒殺して王位を奪った男と再婚するという、厳しい運命を背負った王子ハムレットは、後世にまで残る有名な台詞(せりふ)を吐きます。
「生きるべきか 死ぬべきか それが問題じゃ」この台詞を、舞台俳優たる者は一度は言ってみたい、というのが英米カナダなど英語圏の役者の共通の願いとなりました。だが猫も杓子もこれを言い出したらどうなりますか? 皆がみんな、せりふがうまいわけがありません。大半は聞く方が退屈してしまうことを、いつまでもしゃべっているだけです。こういう手合いを、観客も興行主も「ああ、またハム(ハムレット)か!」と嘆くようになりました。しかし今日も、英米などでは明日の名優をめざす何百人もの「ハム」たちが、涙ぐましい努力を続けているのです。