2回にわたり、捕虜たちの食事にゴボウ(牛蒡)を出したことを、「木の根っこを食わされた。明らかな人権無視であり、人種差別だ」と騒ぎたてた白人の捕虜たちのことを書きました。彼らは戦後になって看守を訴え、裁判で争った結果、この日本人は有罪となり、死刑が確定、彼は南十字星の見える異国の獄舎の中で、毎日理不尽な裁判を恨み涙を流しながら死んで行きました。この悲劇は浅利圭太氏が自ら脚本を書き、彼の統括する「劇団・四季」がミュージカルとして上演しました。戦時中のことや辛く苦しい体験のことは「できるだけ聞きたくない」と思う若者が多い中で、この劇は多くの人々の共感と感動を呼び、今も演じ続けられています。偉大な浅利圭太が、力を振り絞って書き、演出した作品で「名作」と呼ぶことをためらいません。
この暑い8月になぜこの悲劇を取り上げたかと言いますと、わが国の周囲には理不尽なことが満ち満ちているからです。それをテレビや新聞・雑誌で目にしながら、「どこかで大きな常識が働き、平和は続く」と過信している人が大部分だからです。しかし世界は良識が支配していない。理不尽なことがいっぱいです。もっと万事に疑いぶかくならないと「ゴボウで死刑になった日本人の悲劇」は繰り返される恐れが十分にある。それがなにより心配です。
この暑い8月になぜこの悲劇を取り上げたかと言いますと、わが国の周囲には理不尽なことが満ち満ちているからです。それをテレビや新聞・雑誌で目にしながら、「どこかで大きな常識が働き、平和は続く」と過信している人が大部分だからです。しかし世界は良識が支配していない。理不尽なことがいっぱいです。もっと万事に疑いぶかくならないと「ゴボウで死刑になった日本人の悲劇」は繰り返される恐れが十分にある。それがなにより心配です。