8月26日の当ブログは「ダービー馬から考える国際情勢」という記事でした。「これでは少しヒントが足りないかも」という恐れはあったのですが、読者の皆さんの想像力を信じて、そのまま掲載しました。でも「やはりヒントは足りないかも」と思い直し、「補充」をさせていただきます。
まずは、「ある国」で、ワーグナーの作品がなぜ上演禁止になっているのか? です。
彼はヒットラーに愛されすぎました。ゲルマン(ドイツ)民族の優越性を歌い上げた作品が多く、この愛国心が、ヒットラーのプロパガンダ(政治的宣伝)に利用されたと言われています。この心情はもう一つの民族への憎悪と軽蔑に結びつきました。ヒットラーは、ユダヤ系ドイツ人を強制収容所に送り込み、一説では700万人ものユダヤ人をガス室で殺したといわれています。いまの常識では到底考えられない「暴挙」です。
では、こうした狂人的独裁者に抵抗するすべはなかったのでしょうか? なかったのです。みずからの「祖国」を持たず民族としての「軍隊」を持たなかった人々は、ただ殺されるしかなかった。この強烈な惨劇を味わった人々は、戦後になってから、国連の支持を得ながら「イスラエル」という国を建国しました。
ワーグナーという一作曲家の名前から、もっとも繊細な配慮を要する中東情勢までを一気に語れる日本人政治家は何人いるでしょうか? 少なくとも総理をめざす人は、受け売りではなく、みずからの頭で考えた、世界の現状と近未来についての「哲学」をもってほしいものです。
まずは、「ある国」で、ワーグナーの作品がなぜ上演禁止になっているのか? です。
彼はヒットラーに愛されすぎました。ゲルマン(ドイツ)民族の優越性を歌い上げた作品が多く、この愛国心が、ヒットラーのプロパガンダ(政治的宣伝)に利用されたと言われています。この心情はもう一つの民族への憎悪と軽蔑に結びつきました。ヒットラーは、ユダヤ系ドイツ人を強制収容所に送り込み、一説では700万人ものユダヤ人をガス室で殺したといわれています。いまの常識では到底考えられない「暴挙」です。
では、こうした狂人的独裁者に抵抗するすべはなかったのでしょうか? なかったのです。みずからの「祖国」を持たず民族としての「軍隊」を持たなかった人々は、ただ殺されるしかなかった。この強烈な惨劇を味わった人々は、戦後になってから、国連の支持を得ながら「イスラエル」という国を建国しました。
ワーグナーという一作曲家の名前から、もっとも繊細な配慮を要する中東情勢までを一気に語れる日本人政治家は何人いるでしょうか? 少なくとも総理をめざす人は、受け売りではなく、みずからの頭で考えた、世界の現状と近未来についての「哲学」をもってほしいものです。