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View of the World

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みどり色の冷や麦

2019-11-08 11:06:27 | 少数派と日本人
 子供のころ、冷や麦の中に一本か二本みどり色または赤いのが入っていると、なんだか宝物に出会ったようで、うれしくなったものです。宝物というのが言い過ぎなら、貴重品と言い換えてもいいでしょうが、とにかくそれに出会えただけで、「ああ、きょうはいい日だ。僕はついてる!」という気分でした。傍でいっしょに食べている弟のお椀には入っていないので、取られないように用心した(?)のも、なつかしい思い出です。あれから数十年、昔から疑問で、未だに答えが見いだせないのが、「なぜ冷や麦には、みどりや赤のものがたまにまじっているのか?」ということです。冷や麦の親戚みたいなそうめんやうどんは、白一色なのに、なぜ冷や麦だけがこういう細かい仕掛けをするのか? これには相当に深いわけがあるにちがいないーーと思いつつ、「そんなことが分かったとしても、日々の暮らしには何の関係もない。日本の経済がよくなるわけでもなければ、世界がより平和になるわけでもない」などと、頭の中で言い訳をならべつつ、またも歳月が過ぎて行きました。

 しかしここで引き下がったのでは、せっかく先日以来の着想が不意になってしまう。なんとか面白いエッセイの一本も書けないだろうか? と考えるところが、貧乏性たるゆえんです。連想を、次から次へと飛躍させて行って、どうやら辿りついたのが、子供のころ(いや大人になってからも)、あんなに貴重に思えた冷や麦に感動しなくなった大人が多いということでした。それはなぜなのか? 「メーカーが作っているから、そういう冷や麦ができるのだよ。あたり前じゃないか」というふうに考える人は、大体話が面白くない人です。

 「日本の社会では、少数派は冷遇される。昔から『正論、海軍、国際派』というのは少数派であり、自分の意見を通しにくいとされてきた。色のついた「異端」の冷や麦は、どう見ても少数派だ。そんなものを支持していると分かっただけで、君は出世コースから外される。みどりの冷や麦も、けっして主流派にはなれないよーーと」わけ知り顔の「マジョリティ支持者」はいうでしょう。

 しかしです。日本を泥沼の戦争に巻き込んだのも、終戦のタイミングを読み誤ったのも、「多数の意見に従っていれば、一生安泰に暮らせる」と読んだ、無難な人々だったのではないですか? いまの日本で、そして世界で、本当に必要な人、ノーベル賞を取ったり、世界平和に貢献できるような人は、少数派の中からこそ生まれてくるのではないでしょうか? 着想が飛躍しすぎているのは認めますが、一本の冷や麦から、こういう考えも生まれてくるというご参考までに申し上げた次第です。