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イランの米軍基地ミサイル攻撃はまずは「儀式」か?

2020-01-08 11:34:40 | 国際情勢
 イランの革命防衛隊が、イラクにある米軍基地に向けて十数発のミサイルを発射しました。このニュースを受けて、日本の株式市場は「中東情勢緊迫化!」と大きなショックを受け、日経平均株価は461円安と大幅に下落しました(8日の前場)。では7日に370円強高かったのはなぜなのか? という疑問を抱いた人が多いと思います。

 大きく間違っている可能性はありますが、私はイランのこの程度の攻撃は予測していました。トップ指導者のハメネイ師もロウハ二大統領も、「アメリカにはかならず報復する」と大見えを切ったのです。「もし対米報復を行なえば、我々はイランの重要施設52か所を直ちに攻撃する。その準備はできている」というトランプ発言に脅えて、何にもしないというわけにはいきません。いくらイスラム教徒の聖職者らによる、独裁政治のイランにだって「世論」というものがあります。加えてリーダーたちの面子もあります。
 「このくらいの攻撃ならば、アメリカの予測範囲だろう。大規模反撃にはいたるまい」という「読み」に基づいたミサイル攻撃だったという可能性が強いと見ます。

 昔からヨーロッパや中東での戦争は、開戦前に儀式としての「小戦闘」がかならずありました。有名な騎士が、敵の城門近くまで馬に乗って近づき、「やあやあ我こそは、00王の家臣として知られたるxx卿なるぞ。明日の戦いでの見参がたのしみじゃ」といった名乗りをあげると、城内の者たちは「何を生意気な!」といきり立って、矢や鉄砲を射かけるなどとはしませんでした。XX卿の名乗りは、開戦前の挨拶であり、「儀式」だということを、双方ともに熟知していたのです。このあまりにも中世的な戦争の「ルール」「常識」が、現在の戦場で通用するかどうかは分かりません。しかし「トランプだって、このくらいの報復は覚悟しているはずだ。これ以上エスカレートさえしなければ、休戦の可能性も出てくるだろう」と読んだに違いないイランの指導者たちの、「意のあるところ」をトランプが読んで、忍耐強い交渉」に入ってほしいと切に願っています

有名なイギリスの防諜機関(MI5 )

2018-10-01 11:24:53 | 国際情勢
何度かにわたり、外国の情報機関(有体にいえばスパイを操る組織)について書いてきました。そのわけは、彼らが「日本のメディアへの浸透をはかり、日本の国論を分裂させようとしている」恐れがあるからです。それでもあまりにのん気な日本人は、そうした謀略の恐ろしさに気付いていません。「世論」というのはまことに恐ろしいもので、危険に気付いた時には、すでに手遅れになっている場合が多いものです。

 では他国ではこうした「危険な世論操作によって、「自国に有利な政権を作り出そうとし、時には標的にした国を、自国の全くの属国としようとする工作員たちに対して、どういう手を打っているのでしょうか?

 強力な情報機関の設置です。スパイの摘発を天職と心得、自国民が安心して暮らせるために必要な人員、資金、情報、技術の投入を惜しみません。イギリスの場合、自国内に潜入し、時には英政権を転覆させようとまではかる工作員たちの所在・略歴(殺人を含む)・得意分野などを綿密に調べ上げ、時には彼らのアジトを急襲して逮捕する、MI5(エムアイ・ファイブ)という組織が有名でした。今は改組してべつの名称になっています。これを「M15(エムじゅうご)」と読むアナウンサーが時々いますが、MIは「ミリタリーインテリジェンス」の略、5はその第5局です。国内にいる危険国のスパイ・工作員を取り締まるのが役目です。
 
 これと一対をなす組織に「MI6」があります。こちらの活動の舞台は海外です。ジェームズ・ボンドが属しているのが、この組織です。

 2つの組織がいかにイギリスの安定に寄与してきたかは、はかり知れません。
 「では、日本はどうしているのですか?」ときかれれば、「まことに心もとない次第です。とくに一般世論がこうしたことを知らなすぎますーー」。だけ言っておきましょう。日本国内に住み、許しがたい行動に出ようとしている(あるいはすでに出ている)工作員たちのチェックを、涙ぐましい努力で実行している担当者もいることだけは、知っておいてください。他の先進国に比べて、その規模は小さすぎますがーー。