BLTというごくごく平凡な食べ物からだけでも、世界を変えてしまうような大発見と結び付けることが可能だということを申し上げました。この大発見をなしとげた人物(もちろんコロンブス)が旧世界に持ち込んだ食べ物がトマトだったということもお伝えしました。事はそれだけで終わらず、この野菜にはもうひとつ別の意味があり、ちょっと危険な中年男たちの間では、「みずみずしい娘」を指すスラングとして使われていることまでをお知らせしました。
さて話がコロンブスにまで及んだからには、ここで終りにするわけにはいかないという気になってきました。そうです、せっかくコロンブスと来たからには、どうしてもかの有名な「卵」で締めくくるのが読者への礼儀というものではないだろうかという思いが募ってきたのです。
コロンブスの卵というのは、彼が有名になり、世界でも他に類を見ないほど「すぐれた人物」と見なされるに及んで、嫉妬する人たちがたくさん現れたことと関係があります。この連中は、「コロンブスが成し遂げたことというのは、それほど大したことじゃない。同じような着眼をしていた人はほかにも何人もいる。彼は運がよかっただけだ」と言いふらしていました。そこでコロンブスはこういう連中を一堂に集め、やおら卵を取り出して見せました。
彼は言いました。
「皆さん、この卵を立てて見せてください」
自信過剰な参加者たちは、次々にチャレンジしましたが、だれ一人として卵を立てることはできませんでした。ずいぶん長い時間が経ちました。コロンブスはおもむろに、種も仕掛けもない卵をひとつ取り出し、そのお尻の部分をコツコツと固いテーブルの角に打ち付けました。卵の底はすぐに割れ、中身が外に溢れ出しました。
この卵を彼は公衆の面前で立てて見せたのです。あたり前の話ですが、卵はすっくと立っていました。
「皆さん、この通りです。誰も立てることができなかった卵を私が立てました」。
例によって、自分では思い切った発想ができない癖に、人が誰も考えなかった着想を披露すると、「ずるい! そんなことでいいのなら私にもできた!」と文句を言う人間がかなり現れました。しかしコロンブスは悠然として言いました。「皆さん、ご覧いただいたように、卵を立てたのは私です。そんなことは、自分も考えていた、と後から言うのはたやすいことです。自分に案があるのなら、私よりも前にそれを示せばよかった。私よりも前に新大陸に到達するという案があるのなら、それを発表すればよかったのです」
これはもう、コロンブスの業績にケチをつけ、目の前で卵を立てられたにもかかわらず、くどくどと文句を言っている人間たちの「完敗」でした。以来500年余が経ちましたが、このエピソードは、何百、何千回となく引用されてきました。コロンブスは、歴史的大発見だけでなく、論争を制するすべも我々に伝授したことになります。
さて、このお話には実は「先例」があるのです。コロンブスは、それを本で読んだり、人から聞いて知っていたと思われます。まさに歴史についての知識は身を助ける見本です。この先例には爽快感があります。コロンブスよりも、およそ1800年くらい前の、ある非凡な人物が示したエピソードです。3日か4日以内に、このブログでご紹介します。
さて話がコロンブスにまで及んだからには、ここで終りにするわけにはいかないという気になってきました。そうです、せっかくコロンブスと来たからには、どうしてもかの有名な「卵」で締めくくるのが読者への礼儀というものではないだろうかという思いが募ってきたのです。
コロンブスの卵というのは、彼が有名になり、世界でも他に類を見ないほど「すぐれた人物」と見なされるに及んで、嫉妬する人たちがたくさん現れたことと関係があります。この連中は、「コロンブスが成し遂げたことというのは、それほど大したことじゃない。同じような着眼をしていた人はほかにも何人もいる。彼は運がよかっただけだ」と言いふらしていました。そこでコロンブスはこういう連中を一堂に集め、やおら卵を取り出して見せました。
彼は言いました。
「皆さん、この卵を立てて見せてください」
自信過剰な参加者たちは、次々にチャレンジしましたが、だれ一人として卵を立てることはできませんでした。ずいぶん長い時間が経ちました。コロンブスはおもむろに、種も仕掛けもない卵をひとつ取り出し、そのお尻の部分をコツコツと固いテーブルの角に打ち付けました。卵の底はすぐに割れ、中身が外に溢れ出しました。
この卵を彼は公衆の面前で立てて見せたのです。あたり前の話ですが、卵はすっくと立っていました。
「皆さん、この通りです。誰も立てることができなかった卵を私が立てました」。
例によって、自分では思い切った発想ができない癖に、人が誰も考えなかった着想を披露すると、「ずるい! そんなことでいいのなら私にもできた!」と文句を言う人間がかなり現れました。しかしコロンブスは悠然として言いました。「皆さん、ご覧いただいたように、卵を立てたのは私です。そんなことは、自分も考えていた、と後から言うのはたやすいことです。自分に案があるのなら、私よりも前にそれを示せばよかった。私よりも前に新大陸に到達するという案があるのなら、それを発表すればよかったのです」
これはもう、コロンブスの業績にケチをつけ、目の前で卵を立てられたにもかかわらず、くどくどと文句を言っている人間たちの「完敗」でした。以来500年余が経ちましたが、このエピソードは、何百、何千回となく引用されてきました。コロンブスは、歴史的大発見だけでなく、論争を制するすべも我々に伝授したことになります。
さて、このお話には実は「先例」があるのです。コロンブスは、それを本で読んだり、人から聞いて知っていたと思われます。まさに歴史についての知識は身を助ける見本です。この先例には爽快感があります。コロンブスよりも、およそ1800年くらい前の、ある非凡な人物が示したエピソードです。3日か4日以内に、このブログでご紹介します。