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View of the World

世界と日本をつなぎあなたと世界を近づける

コロンブスの卵には「先例」があった

2018-12-25 16:11:30 | 国民の成熟の度合い
 BLTというごくごく平凡な食べ物からだけでも、世界を変えてしまうような大発見と結び付けることが可能だということを申し上げました。この大発見をなしとげた人物(もちろんコロンブス)が旧世界に持ち込んだ食べ物がトマトだったということもお伝えしました。事はそれだけで終わらず、この野菜にはもうひとつ別の意味があり、ちょっと危険な中年男たちの間では、「みずみずしい娘」を指すスラングとして使われていることまでをお知らせしました。

 さて話がコロンブスにまで及んだからには、ここで終りにするわけにはいかないという気になってきました。そうです、せっかくコロンブスと来たからには、どうしてもかの有名な「卵」で締めくくるのが読者への礼儀というものではないだろうかという思いが募ってきたのです。

 コロンブスの卵というのは、彼が有名になり、世界でも他に類を見ないほど「すぐれた人物」と見なされるに及んで、嫉妬する人たちがたくさん現れたことと関係があります。この連中は、「コロンブスが成し遂げたことというのは、それほど大したことじゃない。同じような着眼をしていた人はほかにも何人もいる。彼は運がよかっただけだ」と言いふらしていました。そこでコロンブスはこういう連中を一堂に集め、やおら卵を取り出して見せました。

 彼は言いました。 
「皆さん、この卵を立てて見せてください」
 自信過剰な参加者たちは、次々にチャレンジしましたが、だれ一人として卵を立てることはできませんでした。ずいぶん長い時間が経ちました。コロンブスはおもむろに、種も仕掛けもない卵をひとつ取り出し、そのお尻の部分をコツコツと固いテーブルの角に打ち付けました。卵の底はすぐに割れ、中身が外に溢れ出しました。
 この卵を彼は公衆の面前で立てて見せたのです。あたり前の話ですが、卵はすっくと立っていました。
 「皆さん、この通りです。誰も立てることができなかった卵を私が立てました」。

 例によって、自分では思い切った発想ができない癖に、人が誰も考えなかった着想を披露すると、「ずるい! そんなことでいいのなら私にもできた!」と文句を言う人間がかなり現れました。しかしコロンブスは悠然として言いました。「皆さん、ご覧いただいたように、卵を立てたのは私です。そんなことは、自分も考えていた、と後から言うのはたやすいことです。自分に案があるのなら、私よりも前にそれを示せばよかった。私よりも前に新大陸に到達するという案があるのなら、それを発表すればよかったのです」
 これはもう、コロンブスの業績にケチをつけ、目の前で卵を立てられたにもかかわらず、くどくどと文句を言っている人間たちの「完敗」でした。以来500年余が経ちましたが、このエピソードは、何百、何千回となく引用されてきました。コロンブスは、歴史的大発見だけでなく、論争を制するすべも我々に伝授したことになります。

 さて、このお話には実は「先例」があるのです。コロンブスは、それを本で読んだり、人から聞いて知っていたと思われます。まさに歴史についての知識は身を助ける見本です。この先例には爽快感があります。コロンブスよりも、およそ1800年くらい前の、ある非凡な人物が示したエピソードです。3日か4日以内に、このブログでご紹介します。

「トマト」のもう1つの意味(ただしアメリカのスラング)

2018-12-21 18:28:59 | 国民の成熟の度合い
 ブログというのは、初めは考えてもいなかったいろいろな着想を呼び寄せるもののようです。前回BLTを構成する3つの食品の内で、ヨーロッパ人が口にすることができた順番が最も遅かったのは何か? というクイズを出させていただきました。私の意中の答えは「トマト」でしたが、中には「納得がいかない」と感じられた読者もおられたかも知れません。

 この話はここで終りにするつもりでした。しかし2、3日経つと、またお伝えしたい新しいアイデアがでてきました。「トマトとコロンブスを結び付けたのはよいが、実はトマトにはもうひとつ意味があるんだがなあ」という「内なる声」が、「追加情報をお伝えしろ」と耳もとで囁くのです。スラングはスラングですが割合と使われる頻度の高いものです。最も有名なところでは、オードリー・ヘップバーンが演じた「ティファニーで朝食を」の中で使われていました。スキャンダルばかり載せる大衆紙のトップ記事として、「トマトがどうした、こうした」というふうに使われていたのです。この場合のトマトとは、オードリーの扮するコールガール、ホリーのことを指します。アメリカ人の観客は、ほぼ100パーセント「トマト」が何を意味するか分かっていました。

 
 念のため三省堂の「コンサイス英和辞典」で tomato を引いてみましたら、1番目が(野菜の)トマトで, 2番目に「娘・女」となっていました。
 アメリカの男たちは、つやつやと真っ赤に熟れたトマトから、年頃の娘さんを連想するらしいのです。スラングというのはピタリと決まればカッコよく、今まで貴方とちょっと距離を置いていたアメリカ人たちが、急に打ち解けて、仲間扱いしてくれるものです。しかしこれが外れるとなんとも座がしらけ、気まずい空気がいつまでも残ります。まさに「生兵法は大けがの元」となりかねません。それでも「ひとつ使ってみるか」という勇気のある方は、トマトやバード(これも女性を指す)くらいなら、使ってみる手はあると思います。

BLTの中でヨーロッパ入りが最も遅かったのはトマト

2018-12-17 11:06:03 | 国民の成熟の度合い
 私が知る最も博学の1人でいつも新しい知識を与えてもらっている先輩から電話があり、「ブログを毎回楽しんで読んでいる」とのこと。そこで「いま掲載中のBLT関連のクイズにある『3食品の中でヨーロッパ人の口に入るのが一番遅かった食べ物』ってなんだと思いますか?」と聞いてみました。非常に洗練された答えが返ってきましたが、私の意中(?)の答えとは違っていました。たぐい稀な国際感覚の持ち主でも、むずかしく考えすぎたりするとこういう風に「外れる」こともあるようです。正解はあと二つの内の一つとなりましたが、もし外れたとしても「ブログの編集者が『最も博学な先輩』と呼ぶ人さえ外れるんだから、自分が外れても無理はないか」と、お気持ちを楽にして下さい。

 正解はずばり「トマト」です。この食品は世界中で好んで食べられ、中には「国民食」「民族色」のようになっている国さえあります。しかしヨーロッパ人が初めてこれを食べてから今までに、せいぜい500年余りしか経っていないのです。時間を限定すると、1400年代の末ごろです。ジェノヴァの船乗りクリストフォーロ・コロンボ(英語読みではクリストファー・コロンブス)が、新しく生まれたイスパニア王国(英語読みではスペイン王国)の女王イサベラの支援を受けて、大西洋を西へ西へと行けばインドや日本に到達するはずだと信じて冒険的航海に乗り出したのが1492年でした。彼は目的地へは着きませんでしたが、もっと大きなものにぶつかりました。アメリカ大陸です。ここにはヨーロッパ人の全く知らなかったインカやマヤなどの文明が栄え、ジャガイモ(ポテト)、サツマイモ、トマト、タバコなどを栽培していました。黄金も大量に産出し、精巧な金細工は、目利きの人の目にはきわめて価値の高いものでした。コロンブスの4回にわたるアメリカ訪問が、世界史の上にはたした役割は計り知れません。

 というわけで、クイズの正解(出題者の狙い)はトマトでした。蛇足ですが、ポテト、トマト、タバコ(トバッコ)のように「新大陸」原産の食べ物や嗜好品(しこうひん)には母音の「オー(o)」で終るものが多いようです。

BLTの内ヨーロッパ人の口に入るのが最も遅かったのは?

2018-12-14 22:24:33 | 国民の成熟の度合い
 しばらく長い記事が続きましたので、久しぶりにうんと短いクイズとさせていただきます。

 前回ベーコン・レタス・トマトをパンに挟んだBLTという食物をご紹介しました。テーマはこれを食べることができない人が世界には約15億人もいることについてでした。今回はもっと簡単で、これら3つの食べ物の中で、ヨーロッパ人が口にするのが最も遅かったのはどれか? です。答えは簡単ですが、背後には世界を変えた大事件が絡んでいます。この「ヨーロッパ人」を「日本人」としてもよかったのですが、条件が複雑すぎるので、もっと明確にするために「欧州人」としました。どうか脳の活性化を楽しんで下さい。

BLTという食べ物

2018-12-10 17:18:44 | 国民の成熟の度合い
 BLTというきわめて簡単で、値段が安く、しかもかなり美味な(つまり大方の人々の味覚を満足させる)食べ物が、いつごろアメリカから日本に渡ってきたのか? 詳しく、正確なことは知りません。この大衆食品は、そんな細かい情報などは必要とせず、旨いから食べる、食べる人が増えるからそれに刺激されてさらに多くの人が試してみる。するとやっぱり巷ではやるだけのことはあって、「なかなかいけるじゃないか」ということになり、ごくごく自然に日本人の味覚にフィットしているのではないかという気がします。この点、日本の川や池や湖に、外来種の魚や亀やエビなどがふえて、在来種の生き物たちの生存を脅かすところまで来ているのとは全く違って、寿司が健康食品として世界中で人気を得ているのと、やや似ている気もします。

 「前置きはそのくらいにして、ずばりBLTというのはどんな食べ物かを語れよ」とお思いでしょう。そうします。BLTというのは、ベーコン、レタス、トマトの3品目から成る、サンドイッチ状の食べ物です。となるとこの3つを挟むパンが必要ということになります。ニューヨークのような大都会の街角の屋台で、焦げ目たっぷりのパンに挟んで食べるBもLもTも、思わず「うまい!」と思わせる実力を備えています。


 なぜこの話をしたのかと言いますと、この絶妙の味を味わえないニューヨーカーが、控えめに見ても300万人はいるだろうということをお知らせしたかったからです。全世界を見渡すと、その数は、14,5億人に達するでしょう。お察しのとおり、宗教的な理由からです。ユダヤ教徒も、イスラム教徒も、「豚肉」を食べることができません。ユダヤ教徒の数は全世界合わせても、4,5千万人でしょうが、イスラム教徒は10億をはるかに越えると見られています。BLTの主役のひとつベーコンは、豚肉そのものです。安くてうまい大衆食品の話から、世界の厳しい現実の話になりました。これもまた我々を取り巻く「真実」ですから。