田中眞紀子(シンガー・ソング・ライター)

ピアノの弾き語りで活躍する田中眞紀子のブログサイト。ホームページはブックマークから。

素朴

2006-11-27 00:51:26 | Weblog
私の知り合いのギターは、最近音痴が多いのだ。


KOHSA

伸びやかな若い声が清々しいお嬢さん。ミスチルが好きなんだろうな。メロディラインが難しいのに良く歌えているんだが、歌詞が伝わりにくいのが残念。


テケタ

本人が随分凹んでるらしい。ギターが音痴だったのはテケタ氏。
今回は衣装、特に帽子が可愛かったのだが、ちょっと良いとこなかったかなぁ。(笑)
前から時々思っていたんだけど、ギター替え過ぎじゃないかな。
彼はギター持ちというか、ギターマニア。随分何本も持っている。しょちゅう違うギターでライブをやる。
それが楽しいからと言われちゃうとそれまでなんだけど、1本のギターを使い込んで深くその個体とつき合うのも大事じゃないのか。よくギターの人が言う「ギターを育てる」って、そういうことなんじゃないかと、端で見ていてそう思う。
違ったらごめんなさい。
ギターってのも恐い楽器だね。先のKOHSAちゃん、失礼ながら決して上手い弾き手ではない。シンプルなコードを素朴にプレイしているだけなんだが、ここがアピアの恐いところ、`シンプルなコードを素朴にプレイ’した音を非常に良い音で聞かせてくるのだ。プレイヤーがあれこれやるより、存在感のある音が流れてくるのだ。
`素朴’は強し。



高橋真樹

`まき’さんという女性だと思い込んで来たら、出てきたのが男性でびっくり!
`まさき’さんだそうです。
北海道は大雪。旭川から来た彼は、今日飛行機が飛んで良かった~と言っていた。
上手い。非常に上手い。そしてエネルギーに満ちあふれていて良い。
ギターの音がとっても素晴らしい。(テケちゃん、嫌味っぽくてごめん)
先日よしあき君のライブの打ち上げでチバ君が「ギターを持ってらギタリスト、ハープ吹いたらハーピスト」と言っていたのを思わず思い出してしまった。チバ君の言った意味合いと同じではないと思うが、彼はボーカリストであり、ギタリストであり、ハーピストであった。曲もなかなか良い。ルックスも良い。ほぼ、完璧じゃん。
残念なのは楽譜をみていた事。
旭川からやってきた彼。近々ツアーに出る私。「CD買ってくれたら嬉しい」と言う彼の言葉に、思わず買っちゃおうかなと思った。私もツアーで行った先でCDを買ってもらったら、きっとすごく嬉しいだろう。
だが、しかし…


長谷志恩

高橋氏には申し訳ないが、志恩君を聞いたら買う気が失せてしまったのだ。
高橋氏はこの日から`どさんこ東京ツアー’を組んでいたようだ。
どさんこかぁ。
対して志恩君は言っちゃ悪いが、いかにも東京のもやしっこだ。本当にもやしみたいに細っこいし。
しかしそのライブは`どさんこ’対`もやしっこ’の言葉と正反対の様相であったのだ。どさんこ高橋くんの方が都会的でなにしろスマートだった。対してもやしっこ志恩君はぶきっちょに泥臭く、まるで地団駄を踏むように全力で歌を搾り出していた。
結局私は、こういう泥臭い方が好きなのである。
高橋氏のステージはギターやハープの演奏の披露であり、楽曲の披露であったが、志恩君はまさに「こんな歌、命いっぱい歌っちゃうぞ」そのもの。その`どん臭い’素朴なパワーは高橋氏のほぼ完璧な音楽を粉砕してしまったのである。

やはり楽譜を見るのはマイナスだ。もし高橋氏が楽譜を見ないで客席を見据えていたら、もっと違うステージになったろう。楽譜を見ていても充分魅力があったのだから。
ステージに上がる者だからわかる。楽譜を見るのと見ないではやる側は大違いだ。
そして大違いであるだけの事が、結果としてのステージにちゃんと反映するのだ。
そしてもう一つ。
志恩君が`かっこよく’ステージに居るより、がむしゃらにステージにしがみつくスタンスにシフトしたように見えるのは、私の勘違いかしら?
テケタ氏の友人きいちゃんと、「前はこんな人だったっけ?」と話しながら見ていた。志恩君が「ありがとう」って、ふにゃふにゃと客席に向かって手を振るのを、テケちゃん、きいちゃん、私とで「可愛い」の連発。まぁ、どっちかっていうと親が子供の晴れ姿を見て可愛いって言ってるようなニュアンスでしたけどね。

高橋氏の東京ツアー、頑張って欲しい。
この日の高橋→志恩の流れを見ながら、来月のツアーで栄東さんや佐渡山さんと、同じようにコントラストをつけられてしまうであろう自分を思い、厳しいよなぁとうつむく私なのである。
しかもツアーから帰ってきてすぐにある年越しライブでは、この志恩君の次なのである。
厳しいよなぁ…

最新の画像もっと見る

コメントを投稿