5月25日アピア
栄東さんとセッションを始めて、この日で丸8年となった。
最初は泣きながらピアノを弾いていた。そりゃあもう、全然弾けなくて…
今でも弾けている訳ではない。もっともっとイメージ通りに弾きたい。まだまだままならない。
最初はただ、私が彼のファンというだけのことだった。
マスターに強制的に‘結婚’させられて、ファンという訳にはいかなくなった。
正直、目が見えない人とのコミュニケーションの難しさもあった。日常とか生活というような部分ではない、もっと深い心情の位置での交錯は、明らかに健常者同士のそれとは異質だ。
そして彼は大先輩。
私の‘心情’が、にっちもさっちもいかなくなった。
彼は、人の気配を嗅ぎ分けるのが非常に敏感だ。
そして彼自身の‘気配’を全く隠さない。決して態度に出すのではない。しかし‘気配’を隠さないのだ。
私はその‘敏感さ’と‘隠さなさ’とに、音楽的な実力と合わせてビビってしまうのだった。
そんなこんなで年月が過ぎ、私も少しは人前でピアノが弾けるかも… という状態になってきた。というか、そういう状態になりたいという願望が、歌う事と平行して湧いてきている昨今なのである。
佐渡山さんのピアノを弾いている事も影響しているだろう。ピアニストではない、シンガーである私が弾けるピアノというものがあると確信するからだ。
3月に河内伴理、4月ににtatsuちゃんのライブでピアノを弾くという事になった時、私の心の奥底に、栄東さんのライブがあった。
あの‘ビビり’を克服したい。
伴ちゃんともtatsuちゃんとも過ごせた、あの‘楽しさ’は、私は弾けない訳ではないという気持ちを強く持たせてくれた。
自信まではいかないが、可能性は絶対ある。
二人とのステージで得た感覚と栄東さんとの違いはなんだ?
私なりに色々思うところはあった。
しかし栄東さんにもまた、タイミングというものがあったようなのだ。
私から、何かの気配が出ていたのだろうとも思うが。
彼は今回、全く予定外のことを噛ましてきた。やった事のないkeyのブルース2曲、1曲ハーモニカを吹いた後、またステージに呼ばれて、全く知らない曲をやってから、リハで合わせた曲をやった。4曲も弾いたのは始めてだ。
ブルースも知らない曲もヘボいピアノだったけど、自分に驚くことがあった。
私は全く‘困って’なかったのだ。
今までなら非常に困ってテンパってしまうような状況であったにもかかわらず、私はヘボいピアノだと思いながらも、ピアノに写る栄東さんを見ながら弾いていたのだ。
ピアノに写る栄東さんを見たのも、始めてじゃないだろうか。
多分、今回でやっと、私は栄東さんの信頼を得たと思う。
同じステージに上がる者として。
彼もまた、ここのところで色々と思うところがあったらしく、お互いのタイミングがピタリと合っての、この日のセッションであった。
それでもやはり大先輩だ。‘楽しい’と、はしゃぐまではとてもいかないが、はしゃげる日が来るであろう可能性を確信できた。
その日が来るまで、精進のみ!というところだろう。
全く弾けなくて泣いた日々から、それなりに私は成長したのだ。
そう思っていいと思うのだ。
今回の克服に一役かってくれた(と勝手に思う)マスター、まりえちゃん、伴ちゃん、tatsuちゃんに、この場を借りて心からの感謝を!
栄東さんとセッションを始めて、この日で丸8年となった。
最初は泣きながらピアノを弾いていた。そりゃあもう、全然弾けなくて…
今でも弾けている訳ではない。もっともっとイメージ通りに弾きたい。まだまだままならない。
最初はただ、私が彼のファンというだけのことだった。
マスターに強制的に‘結婚’させられて、ファンという訳にはいかなくなった。
正直、目が見えない人とのコミュニケーションの難しさもあった。日常とか生活というような部分ではない、もっと深い心情の位置での交錯は、明らかに健常者同士のそれとは異質だ。
そして彼は大先輩。
私の‘心情’が、にっちもさっちもいかなくなった。
彼は、人の気配を嗅ぎ分けるのが非常に敏感だ。
そして彼自身の‘気配’を全く隠さない。決して態度に出すのではない。しかし‘気配’を隠さないのだ。
私はその‘敏感さ’と‘隠さなさ’とに、音楽的な実力と合わせてビビってしまうのだった。
そんなこんなで年月が過ぎ、私も少しは人前でピアノが弾けるかも… という状態になってきた。というか、そういう状態になりたいという願望が、歌う事と平行して湧いてきている昨今なのである。
佐渡山さんのピアノを弾いている事も影響しているだろう。ピアニストではない、シンガーである私が弾けるピアノというものがあると確信するからだ。
3月に河内伴理、4月ににtatsuちゃんのライブでピアノを弾くという事になった時、私の心の奥底に、栄東さんのライブがあった。
あの‘ビビり’を克服したい。
伴ちゃんともtatsuちゃんとも過ごせた、あの‘楽しさ’は、私は弾けない訳ではないという気持ちを強く持たせてくれた。
自信まではいかないが、可能性は絶対ある。
二人とのステージで得た感覚と栄東さんとの違いはなんだ?
私なりに色々思うところはあった。
しかし栄東さんにもまた、タイミングというものがあったようなのだ。
私から、何かの気配が出ていたのだろうとも思うが。
彼は今回、全く予定外のことを噛ましてきた。やった事のないkeyのブルース2曲、1曲ハーモニカを吹いた後、またステージに呼ばれて、全く知らない曲をやってから、リハで合わせた曲をやった。4曲も弾いたのは始めてだ。
ブルースも知らない曲もヘボいピアノだったけど、自分に驚くことがあった。
私は全く‘困って’なかったのだ。
今までなら非常に困ってテンパってしまうような状況であったにもかかわらず、私はヘボいピアノだと思いながらも、ピアノに写る栄東さんを見ながら弾いていたのだ。
ピアノに写る栄東さんを見たのも、始めてじゃないだろうか。
多分、今回でやっと、私は栄東さんの信頼を得たと思う。
同じステージに上がる者として。
彼もまた、ここのところで色々と思うところがあったらしく、お互いのタイミングがピタリと合っての、この日のセッションであった。
それでもやはり大先輩だ。‘楽しい’と、はしゃぐまではとてもいかないが、はしゃげる日が来るであろう可能性を確信できた。
その日が来るまで、精進のみ!というところだろう。
全く弾けなくて泣いた日々から、それなりに私は成長したのだ。
そう思っていいと思うのだ。
今回の克服に一役かってくれた(と勝手に思う)マスター、まりえちゃん、伴ちゃん、tatsuちゃんに、この場を借りて心からの感謝を!