マックンのメモ日記

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ミツバチの大量死。農薬の可能性が!

2015-02-17 18:37:41 | 自然・環境問題・古生物
世界中でミツバチの大量死や数の減少が報告されています。1990年代にヨーロッパ諸ではじまったこの現象は、蜂群崩壊症候群(CCD)とよばれていますが、2010年現在、米国、カナダ、中南米、インド、中国、日本などにも広がっています。
 
CCDの特徴
①巣に働きバチがほとんど残っていない
②死骸がみつからない
③巣には多数の蛹が残っている
④巣には貯蜜や貯花粉が残っている
⑤多くの場合巣に女王バチが残っている

原因については、地球温暖化によるダニなど病害虫の増加、森林伐採による生息地や蜜源となる花の減少、それにともなう栄養不足、ウイルス感染の拡大、そして、人間の都合で家畜化されたこと、蒸し暑いビニールハウスなどで農作物の受粉に酷使されるストレスなどがあげられてきました。

しかし、それらの中で直接的原因としての証拠が2012年に揃ったのが、ネオニコチノイド系農薬(以後、ネオニコチノイドとも表記)です。巣に戻れなくなったのは、成虫の脳を直撃するネオニコチノイドにより方向感覚、帰巣本能がおかしくなる他に、汚染された花粉や蜜を食べた幼虫の脳の本能行動が正常に発達しない、ミツバチの発達障害が考えられています。

日本でもミツバチ被害は広がっています。2005年には岩手県で、700群のミツバチがイネのカメムシ防除のために使用されたネオニコチノイド系農薬により大量死し、北海道、長崎県などでもCCDのような被害が報告されています。しかし、今のところ農林水産省は、ミツバチ大量死の原因としてダニやストレス、女王バチ輸入が一時ストップしたことなどをあげて、この農薬の危険性に注目していません。
 
そして国は2009年、全国的な花粉交配用のミツバチ不足問題への対応として、ミツバチの安定的確保に向けた需給調整という対策を講じました。農作物受粉のためのミツバチが不足している地域に効率的にミツバチを供給するシステム作りです。このように新しい農薬への国の対策が遅れる中、全国各地でミツバチ被害だけではなく、スズメなどの野鳥や他の昆虫類などが、次々に姿を消しつつあるといわれています。ますます進む生物多様性の減少に、この農薬が拍車をかけている可能性も考えられます。

そして何よりも恐ろしいのは、この農薬についてよく知らない農家の人たちが、濃度の濃いネオニコチノイドをヘリコプターで散布したり、ネオニコチノイド系農薬と有機リン系農薬などを混ぜて使用することがあることです。長崎県などでは、こうした農薬の農業現場での混合使用により、ミツバチだけでなくニワトリや人間の被害も報告されています。ふたたび同様の被害が起きないように、早急に行政による注意喚起がのぞまれます。