マックンのメモ日記

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羽毛を生やした大型の恐竜『ユティラヌス』!ティラノサウルスの先祖にあたる。

2015-02-08 17:46:39 | 自然・環境問題・古生物
史上最多といわれる50種近い新種恐竜を発表してきた中国の古生物学者、徐星さん。2012年4月には羽毛を生やした大型のティラノサウルス類の恐竜「ユティラヌス」についての報告し、話題となりました。

この恐竜は非常に大型で、推定体長は9メートルにも達しました。しかも、その脊椎に沿って、はっきりと羽毛の跡が残っていたのです。それまで一般に、小型恐竜には羽毛があっても、大型になるとそれはなくなってしまう、と考えられていたので、これほど大型の恐竜に羽毛があったということが何よりも意外だったのです。

恐竜以外の動物でも、種類によって毛が生えたり生えなかったりしますし、毛が生える原因もバラバラです。アフリカにいるゾウは毛がありませんが、マンモスには立派な毛皮があります。これは、寒さに対する適応と考えてまず間違いありません。多くの恐竜に羽毛があったのは事実ですし、同じく寒さに適応したものもいたでしょう。

ただし、大型の恐竜で羽毛が生えることの意味についてはまだよくわかっていません。大型恐竜は、体が大きいというだけで体温が逃げにくく、保温のための羽毛は必要ないというのが一般的な考えかたでした。ユティラヌスに羽毛があったということは、白亜紀前期当時の遼寧省の気候が比較的寒冷で、羽毛が体温を維持する役割を担っていた可能性はもちろんあります。ただし、その点について断定的なことを言うには、今のところまだ化石による証拠が足りません。羽毛の有無というのは複雑な要因によって決まるもので、なかなかその理由をどれか1つに絞るのは困難なのです。

徐星さんの論文によると、3体分の化石が見つかっているそうです。最初に2体分の化石がわれわれの所へ持ち込まれ、翌年もう1体分が同じ場所から発見されました。その後、さらにもう1体出ていますが、こちらはまだ分析が済んでいないそうです。先の3体の内1体が成体(言わばおとな)、2体は亜成体(若者)です。

同じ発掘現場からは、ティタノサウルス類(白亜紀に繁栄した植物食のカミナリ竜)の骨格も発見されていますから、あるいはユティラヌスは、群れでカミナリ竜を狩って食べていたときに、何らかの突発事故に見舞われて死んだのかも知れませんと言っています。

ユティラヌスは、有名な北米産のティラノサウルスの先祖にあたる血筋になるわけですが、そうすると、ティラノサウルスにも羽毛があった可能性もあるのでしょうか。T.レックスはほとんどうろこに覆われていたようですが、わずかながら羽毛があったような痕跡もあるといいます。本当に、ちょっとでも羽毛があったのか、完全にうろこだけだったのか、これも確かな標本が見つかるまでは謎のままでしょう。(ティラノサウルスの化石は、公式に知られているものだけで30体以上ありますが、皮膚の跡(印象)が残ったものはほとんどなく、わずかにうろこの跡のみが知られています。しかし、民間で発掘され、公式に知られていない標本の中に、羽毛の跡がある化石があるといううわさもあります)。