中国の電子商取引最大手、アリババグループの株主は、突然厳しい現実を突き付けられました。先月29日に同社が発表した2014年10-12月期(第4四半期)決算は、売上高が前年同期比40%増の42億2000万ドル(約4兆9500億円)でした。この数字はさほど悪く聞こえないかもしれませんが、強気の見方をしていたアナリストは前年同期比47%増を予想していました。しかも、その前の7‐9月期の同54%増と比べると大幅な減速になります。
株主は決算とは別に不安を感じていました。先週、自社通販サイトでの粗悪品問題をめぐって中国政府当局と激しく対立したからです。この一件は、どんな中国企業も裁量に基づく気まぐれな行政行為に逆らえないことをあらためて株主は思い知らされました。この件でアリババの株価は28日、前日比4.3%下落していました。
これに先立ち、米検索大手ヤフーは保有する15%のアリババ株をスピンオフする新会社に移管する計画を発表していた。この計画ではアリババがその株式を買い戻すことができるのか、あるいは新たに上場されるスピンオフ会社にそのまま委ねるしかないのか、投資家は疑問を抱いています。どちらにしてもアリババ株主の不安の種です。
アリババは携帯電話を通じて通販サイトでショッピングする顧客数は増え、同社の利益率は上向いており、サイトでの取引1ドル当たりアリババがどれだけ売り上げと手数料を取れるかを表す「マネタイゼーション・レート(現金化率)」は、10‐12月期に2.7%と前期の2.3%から上昇しました。しかし、突然立ち込めた神経質な雰囲気が、アリババの本業での明るい材料に影を落としつつあります。
一方、10‐12月期ではこれまで株価の懸念要因だった利益率の圧迫が解消されたようです。同社の好むEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)でみた利益率は、前期の51%から58%へと急上昇。ただ、アリババの10‐12月期は利益率が1年で最も高い率まで上昇するのがこれまでの常となっていて、投資家は今後、再び利益率が下落基調に戻ってしまうのか注視することになります。
最近になって当局と対立する前、アリババ株価は新規株式公開(IPO)時と比較して50%を上回る上昇を示していました。その結果、企業価値は2590億ドルと、同社の将来利益の約36倍に達していました。これは急成長する中国のハイテク企業にとって異常ではないが、成長減速や規制リスクの最初の兆候が出た時に投資家が売却して手じまいするには十分な高い価格水準だったのです。
また、抜け目ない投資家なら、IPO後のロックアップ期間が終わる3月に同社の総発行株式の17%に相当する4億2900万株が市場に放出されることにも気づいているはずです。アリババ株主の不安はもう少し長引くことになるでしょう。と言うのも、今では公開当初時の株価に逆戻りしてしまったからです。問題が解消されるまで、安値を狙う投資家はアリババの株ではなくアリババの通販サイトで我慢しておくべきだろうと皮肉を言っています。
株主は決算とは別に不安を感じていました。先週、自社通販サイトでの粗悪品問題をめぐって中国政府当局と激しく対立したからです。この一件は、どんな中国企業も裁量に基づく気まぐれな行政行為に逆らえないことをあらためて株主は思い知らされました。この件でアリババの株価は28日、前日比4.3%下落していました。
これに先立ち、米検索大手ヤフーは保有する15%のアリババ株をスピンオフする新会社に移管する計画を発表していた。この計画ではアリババがその株式を買い戻すことができるのか、あるいは新たに上場されるスピンオフ会社にそのまま委ねるしかないのか、投資家は疑問を抱いています。どちらにしてもアリババ株主の不安の種です。
アリババは携帯電話を通じて通販サイトでショッピングする顧客数は増え、同社の利益率は上向いており、サイトでの取引1ドル当たりアリババがどれだけ売り上げと手数料を取れるかを表す「マネタイゼーション・レート(現金化率)」は、10‐12月期に2.7%と前期の2.3%から上昇しました。しかし、突然立ち込めた神経質な雰囲気が、アリババの本業での明るい材料に影を落としつつあります。
一方、10‐12月期ではこれまで株価の懸念要因だった利益率の圧迫が解消されたようです。同社の好むEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)でみた利益率は、前期の51%から58%へと急上昇。ただ、アリババの10‐12月期は利益率が1年で最も高い率まで上昇するのがこれまでの常となっていて、投資家は今後、再び利益率が下落基調に戻ってしまうのか注視することになります。
最近になって当局と対立する前、アリババ株価は新規株式公開(IPO)時と比較して50%を上回る上昇を示していました。その結果、企業価値は2590億ドルと、同社の将来利益の約36倍に達していました。これは急成長する中国のハイテク企業にとって異常ではないが、成長減速や規制リスクの最初の兆候が出た時に投資家が売却して手じまいするには十分な高い価格水準だったのです。
また、抜け目ない投資家なら、IPO後のロックアップ期間が終わる3月に同社の総発行株式の17%に相当する4億2900万株が市場に放出されることにも気づいているはずです。アリババ株主の不安はもう少し長引くことになるでしょう。と言うのも、今では公開当初時の株価に逆戻りしてしまったからです。問題が解消されるまで、安値を狙う投資家はアリババの株ではなくアリババの通販サイトで我慢しておくべきだろうと皮肉を言っています。