實語教 その3 (テキストの本文 4~5頁)
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只如計隣財 君子愛智者
小人愛福人 雖入冨貴家
爲無財人者 猶如霜下花
雖出貧賤門 爲有智人者
宛如泥中蓮 父母如天地
師君如日月 親族譬如葦
小人は 福人を愛す 冨貴の家に入るといえども
財 無き人のためには なお霜の下の花の如し
貧賤の門に出つるるといえども 智ある人のためには
あたかも泥中の蓮(はちす)の如し 父母は天地の如く
師君は日月の如し 親族は譬へば葦の如し
5
夫妻猶如瓦 父母孝朝夕
師君仕昼夜 交友勿諍事
己兄盡礼敬 己弟致愛顧
人而無智者 不異於木石
人而無孝者 不異於畜生
不交三學友 何遊七覺林
師君には 昼夜に仕えよ 友と交わりて 諍(あらそ)う事なかれ
己が兄には礼敬をつくし 己が弟には愛顧を致せ
人として智 なきは 木石(ぼくせき)に異ならず
人として孝 なきは 畜生に異ならず
三學の友に交わらずんば なんぞ 七覺の林に遊ばん
師君・・・師匠と主君
三學・・・戒、定、慧の修行の綱格
七覺・・・擇法、精進、喜、除、捨、定、念の修行を覺了して道に入る
(続きます)
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只如計隣財 君子愛智者
小人愛福人 雖入冨貴家
爲無財人者 猶如霜下花
雖出貧賤門 爲有智人者
宛如泥中蓮 父母如天地
師君如日月 親族譬如葦
多ゞ(ただ) と奈(な)りの多可(たか)らを 可(か)ぞふる可(が)□(ごと)し只(ただ) 隣りの財(たから)を かぞえるが如し 君子は 智者を愛し
くんしハ ちしやをあいし
しやう志(じ)んハ ふく志(じ)んを あい春(す)
ふ門(つ)きの いへ尓(に) いるといへども
ざ以(い) 奈起(なき) ひとの多め尓(ために)ハ
なを 志毛(しも)の志多(した)の 者(は)なの□(ごと)し
ひんせんのかどを いつるルといへども
ち あるひとの 多め尓(ために)ハ
あ多可(たか)も でいちうの者(は)ちすの□(ごと)し
ふ本(ぼ)ハ てんちの□(ごと)く
志(し)くんハ ぢつ个門(けつ)の□(ごと)し
志(し)んぞくハ 多(た)とハヾ あしの□(ごと)し
小人は 福人を愛す 冨貴の家に入るといえども
財 無き人のためには なお霜の下の花の如し
貧賤の門に出つるるといえども 智ある人のためには
あたかも泥中の蓮(はちす)の如し 父母は天地の如く
師君は日月の如し 親族は譬へば葦の如し
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夫妻猶如瓦 父母孝朝夕
師君仕昼夜 交友勿諍事
己兄盡礼敬 己弟致愛顧
人而無智者 不異於木石
人而無孝者 不異於畜生
不交三學友 何遊七覺林
ふさいハ 奈(な)を 可ハらの□(ごと)し夫妻は なお 瓦の如し 父母は 朝夕に孝し
ふ本(ぼ)尓(に)ハ てうせ起(き)尓(に)こうし
しくん尓ハ ちうや尓 つかへよ
ともとまじハりて あらそふこと な可連
おの連可 あ尓ゝハ 連い个(け)いをつくし
おの連可 をとゝ尓(に)ハ あいこを い多(た)せ
ひとゝして ち 奈起(なき)ハ
本(ぼ)くせ起(き)に (こと)奈(な)ら春(ず)
ひとゝして こう 奈起(なき)ハ
ちくしやう尓(に) □(こと)奈(な)ら春(ず)
さん可(が)くの とも尓(に) まじハら春(ず)んバ
奈(な)んぞ しち可(が)くの 者(は)やし尓(に) あそバん
師君には 昼夜に仕えよ 友と交わりて 諍(あらそ)う事なかれ
己が兄には礼敬をつくし 己が弟には愛顧を致せ
人として智 なきは 木石(ぼくせき)に異ならず
人として孝 なきは 畜生に異ならず
三學の友に交わらずんば なんぞ 七覺の林に遊ばん
師君・・・師匠と主君
三學・・・戒、定、慧の修行の綱格
七覺・・・擇法、精進、喜、除、捨、定、念の修行を覺了して道に入る
(続きます)