實語教 その2 (テキストの本文 2~3頁・6~16行)
人不學無智 無智爲愚人
倉内財有朽 身内才無朽
雖積千両金 不如一日學
兄弟常不合 慈悲爲兄弟
財物永不存 才智爲財物
倉の内の財は 朽つることあり 身の内の才は 朽つることなし
千両の金(こがね)を積むといえども 一日の学には如(し)かず
兄弟 常には合わず 慈悲を 兄弟とす
財物 永く存ぜず 才智を 財物とす
四大日々衰 心神夜々暗
幼時不勤學 老後雖恨悔
尚無有所益 故讀書勿倦
學文忽怠時 除眠通夜誦
忍飢終日習 雖會師不學
幼なきとき 勤め学ばざれば 老いてのち 恨み悔ゆるといえども
なお 所益 有ることなし かるがるゆえに 書を読んで 倦むことなかれ
學文に 怠るときなかれ 眠りを除いて 夜もすがら誦せよ
飢えを忍んで 終日(ひねもす)習え 師に会うといえども 学ばざれば
四大・・・人の身は四大(地・水・火・風)よりなる、という仏説に基づく。
心神・・・精神、こころ
誦・・・読む、そらんじる
徒如向市人 雖習讀不復
市人・・・町の人
福人・・・裕福な人、金持ち
如 □(ごと)し (□)内は、「合字」の(こと)の字のため、ここに表記できず。
(続きます)
人不學無智 無智爲愚人
倉内財有朽 身内才無朽
雖積千両金 不如一日學
兄弟常不合 慈悲爲兄弟
財物永不存 才智爲財物
ひと まなバざれバ ち なし人 学ばざれば智なし 智なきは 愚人とす
ち なきハ ぐ尓(に)んと春(す)
くらのうちの ざいハ くつる□(こと)あり
ミ(み)のうちのさいハ くつる□(こと)なし
せん里(り)やうの こ可(が)ねを つむといへども
いち丹(に)ちの 可(が)く尓(に)ハ 志(し)か春(ず)
きやう多(だ)い つね尓(に)ハ あ者(は)春(ず)
じひを きやう多(だ)いと春(す)
ざいもつ な可(が)くぞんぜ春(ず)
さいちを ざいもつと春(す)
倉の内の財は 朽つることあり 身の内の才は 朽つることなし
千両の金(こがね)を積むといえども 一日の学には如(し)かず
兄弟 常には合わず 慈悲を 兄弟とす
財物 永く存ぜず 才智を 財物とす
四大日々衰 心神夜々暗
幼時不勤學 老後雖恨悔
尚無有所益 故讀書勿倦
學文忽怠時 除眠通夜誦
忍飢終日習 雖會師不學
し多(だ)い ひゞ尓(に)おとろへ四大 日々に衰へ 心神 夜々(やや)に 暗し
志(し)んじん やゝ尓(に) くらし
いとけ奈(な)きとき つとめ ま奈(な)バざれバ
をいてのち うらミくゆるといへども
なを 志(し)よえ起(き)ある(こと)なし
志(し)よを 可(か)る可(が)るゆへ尓(に) よんで うむ(こと)奈可連(なかれ)
がくもん尓(に) おこ多(た))ると起(き)奈可連(なかれ)
ねふりをのぞいて よもす可(が)ら 志(し)ゆせよ
うへを志(し)のんで ひめ(ね)も春(す) ならへ
し尓(に)あふといへども ま奈(な)バざ連(れ)バ
幼なきとき 勤め学ばざれば 老いてのち 恨み悔ゆるといえども
なお 所益 有ることなし かるがるゆえに 書を読んで 倦むことなかれ
學文に 怠るときなかれ 眠りを除いて 夜もすがら誦せよ
飢えを忍んで 終日(ひねもす)習え 師に会うといえども 学ばざれば
四大・・・人の身は四大(地・水・火・風)よりなる、という仏説に基づく。
心神・・・精神、こころ
誦・・・読む、そらんじる
徒如向市人 雖習讀不復
い多(た)づら尓(に) いちびと尓(に) む可(か)ふ□(ごと)しいたづらに市人(いちびと)に向かうごとし 習い読むといえども 復させざれば
奈(な)らひ よむといへども ふくさせざれバ
市人・・・町の人
福人・・・裕福な人、金持ち
如 □(ごと)し (□)内は、「合字」の(こと)の字のため、ここに表記できず。
(続きます)