實語教 その5 (テキストの本文 8~9頁)
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雖冨勿忘貧 或始冨終貧
雖貴勿忘賤 或先貴後賤
夫難習易忘 音聲之浮才
又易學難忘 書筆之博藝
但有食有法 亦有身有命
猶不忘農業 必莫廃學文
冨たつと雖も 貧を忘るることなかれ 或いは 始め冨み 終りに貧し
貴しと雖も 賤(いゆき)を忘ることなかれ 或いは先に貴く 後に賤(いや)し
それ習い難く 忘れやすき(し) 音聲の浮才は
また 学びやすく忘れがたきは 書筆の博藝(ハ)
但し 食(ニ)有れば 法(ニ)有り また身(ニ)有れば 命(ニ)有り
猶(なお) 農業を忘れざれ 必ず學文を 廃つることなかれ
9
故末代學者 先可案此書
是學問之始 身終勿忘失
實語教終
故(かるがゆえ)に 末代の 学者 まづ この書を 案ずべし
これ 学問の 始め 身を終わるまで 忘失することなかれ
実語教 終り
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雖冨勿忘貧 或始冨終貧
雖貴勿忘賤 或先貴後賤
夫難習易忘 音聲之浮才
又易學難忘 書筆之博藝
但有食有法 亦有身有命
猶不忘農業 必莫廃學文
とミ多(た)つと いへども ひんを ワするゝ□(こと)なかれ
あるいハ 者(は)じめ とミ お者(は)りニ まづし
たつとしと いへども いゆきを ワする□(こと)奈可(なか)れ
あるいハ さき尓(に) 多(た)つとく のち尓(に) いやし
そ連(れ) 奈(な)らひ可多(かた)く ワす連(れ)やすき(□)
をんせいの ふさいハ
ま多(た) ま奈(な)びや春(す)く ワ春(す)れ可多起(がたき)ハ
志(し)よひつの 者(は)く个(げ)い(ハ)
多(た)ゞし 志(し)よく(ニ)あれバ 本(ほ)う(ニ) あり
ま多(た) ミ(ニ)あ連(れ)バ いのち(ニ) あり
なお のうぎやうを ワ春連(わすれ)ざれ
可奈ら寸(かならず) 可(が)くもんを すつる□(こと)奈可(なか)れ
冨たつと雖も 貧を忘るることなかれ 或いは 始め冨み 終りに貧し
貴しと雖も 賤(いゆき)を忘ることなかれ 或いは先に貴く 後に賤(いや)し
それ習い難く 忘れやすき(し) 音聲の浮才は
また 学びやすく忘れがたきは 書筆の博藝(ハ)
但し 食(ニ)有れば 法(ニ)有り また身(ニ)有れば 命(ニ)有り
猶(なお) 農業を忘れざれ 必ず學文を 廃つることなかれ
9
故末代學者 先可案此書
是學問之始 身終勿忘失
實語教終
可る可ゆへ尓(かるがゆえ)に まつ多(だ)いの 可(が)くしや
まづ この 志(し)よを あん寸(ず)べし
これ 可(が)くもんの 者(は)じめ
ミ(み) をハるまで 本(ぼ)う志(し)つする□(こと)奈可連(なかれ)
じつごきやう おハり
故(かるがゆえ)に 末代の 学者 まづ この書を 案ずべし
これ 学問の 始め 身を終わるまで 忘失することなかれ
実語教 終り