かぶとん 江戸・東京の歴史散歩&池上本門寺

池上本門寺をベースに江戸の歴史・文化の学びと都内散策をしています。

池上市民大学・課外授業 鎌倉散策

2012-06-08 | 池上本門寺・池上市民大学
2012.06.07
池上市民大学 課外授業
鎌倉散策・比企谷妙本寺参拝

ひさしぶりに「池上市民大学」、参加しました。
詳しい行程がわからなかったので、後半の「名越の切通し」ハイキングには、ややびっくりしました。けれど鎌倉初心者にとっては、鎌倉の仏教、そして寺院について学ぶ、貴重な一日になりました。

JR鎌倉駅・集合
参加の応募をしたきりで、その後の様子がよくわからない。ともかくも、すこし早めに行ってみると、講座で知った顔の皆さんが集まっていました。総勢30名くらいの大所帯。引率は池上市民大学のクラス担任・吉田先生(池上永寿院ご住職)。本日の案内役は安藤さん(池上本門寺・霊宝殿の学芸員さんです)。期待でワクワク。安藤さんの知識の豊富さ、話し方のうまさには前々から、おおいに感服していましたので。
午前の予定は名越周辺の散策のはずでしたが、午後にまわり、先ずは鶴岡八幡宮の周辺を散策、その後、小町大路を南下して比企谷妙本寺に行くことになりました。
安藤さんから、ポイント毎に詳しい説明がありました。
鶴岡八幡宮周辺のこと(記事)については、ここでは流します。
〇若宮大路
〇段葛
〇三の鳥居
〇鶴岡八幡宮
もともとは、「元八幡宮」の場所にあった。
〇若宮
いちばん由緒のある建物だそうです。
〇白幡神社

〇宝戒寺
北条氏の執権館跡。のち、天台宗寺院として宝戒寺建立さる。
〇紅葉山やぐら
洞窟。防空壕跡にも見えるが、昔の墓所・墳墓とのこと。現在は埋められている。
〇東勝寺跡・腹切りやぐら
執権・北条高時とその一門、滅亡の場所。
〇小町大路
鎌倉時代のメイン道路。大路の名がつくも、道幅は狭い。北、鶴岡八幡宮寄りは武家屋敷地で、南、浜に近づくにつれ商業地。浜沿いは下層民の生活空間であった。
(現在の繁華街、「小町通り」とは別物ですよ。)
〇妙隆寺
小町大路の武家地寄り。御家人・千葉氏。日蓮宗・中山法華経寺系で、鎌倉弘教所の位置づけであった。
〇日蓮聖人辻説法阯碑
小町大路を行きつ戻りつ、あるいは何ヶ所かの場所で辻説法をしていた、とのこと。その一つです。
〇大巧寺
比企谷・妙本寺の元塔中寺院。
〇本覚寺
日蓮聖人、佐渡配流の赦免後、松葉ヶ谷の草庵は取壊されていたため、この地にあった夷堂に一時滞在した。その後、身延山に移った。東身延・本覚寺の創建は後年のこと。

妙本寺
妙本寺貫主・早水日秀師のお出迎え、ご挨拶を受けました。
妙本寺・書院にて昼食。
祖師堂参拝。
読経終了の後に、堂内の見学。安藤さんの詳しい解説付きでした。
〇蛇苦止堂 参拝
若狭(讃岐)の局を、妙本寺の鎮守としてお祀りしています。
若狭(讃岐)の局・・鎌倉幕府御家人・比企能員の娘、二代将軍源頼家室、一幡の母。

(常栄寺・ぼたもち寺)
(妙法寺)
〇安国論寺
(長勝寺)
〇日蓮乞水
〇名越の切通し
〇まんだら堂
(法性寺)

名越のところで、記述が止まってしまった。鎌倉は来てても名越は初訪、超初心者を自認しているので、どうってことないはずだった。けれど、それでも「マズい、なあ」という感覚があった。鎌倉お上りさんなら小町通り、鶴岡八幡宮の散策、別の機会に鎌倉五山、長谷の大仏と長谷寺の散策で充分のはずだ。けれど、ひと言、「鎌倉の歴史」に興味あり、と思ったときに、もしくは言ったときに、「名越」のことを、あまりに知らなすぎる。
日蓮聖人の「松葉ヶ谷法難」のことは、本の知識だけでなく現地をじっくりと歩いて、身で感じないといけないと思いました。

JR逗子駅に到着。(ここまで、ずっと徒歩!!) ここで、とりあえず解散です。
それから、逗子駅そばの居酒屋で、有志による懇親会をしました。
そして、JR逗子駅から帰途につきました。(が、さらに有志による比企谷妙本寺でのホタル観賞会があったそうです。)

はっきりいって、鎌倉は何度も来たい魅力的なところだ、と再確認したしだいです。
名越の地については、改めての訪問のうえ、記事を載せるつもりです。




えどはくカルチャー・古文書講座 3

2012-06-08 | 古文書入門
實語教 その3 (テキストの本文 4~5頁)

4
只如計隣財  君子愛智者
小人愛福人  雖入冨貴家
爲無財人者  猶如霜下花
雖出貧賤門  爲有智人者
宛如泥中蓮  父母如天地
師君如日月  親族譬如葦
多ゞ(ただ) と奈(な)りの多可(たか)らを 可(か)ぞふる可(が)□(ごと)し
くんしハ ちしやをあいし
しやう志(じ)んハ ふく志(じ)んを あい春(す)
ふ門(つ)きの いへ尓(に) いるといへども
ざ以(い) 奈起(なき) ひとの多め尓(ために)ハ
なを 志毛(しも)の志多(した)の 者(は)なの□(ごと)し
ひんせんのかどを いつるルといへども
ち あるひとの 多め尓(ために)ハ
あ多可(たか)も でいちうの者(は)ちすの□(ごと)し
ふ本(ぼ)ハ てんちの□(ごと)く
志(し)くんハ ぢつ个門(けつ)の□(ごと)し
志(し)んぞくハ 多(た)とハヾ あしの□(ごと)し
只(ただ) 隣りの財(たから)を かぞえるが如し  君子は 智者を愛し
小人は 福人を愛す  冨貴の家に入るといえども
財 無き人のためには  なお霜の下の花の如し
貧賤の門に出つるるといえども  智ある人のためには
あたかも泥中の蓮(はちす)の如し  父母は天地の如く
師君は日月の如し  親族は譬へば葦の如し

5
夫妻猶如瓦  父母孝朝夕
師君仕昼夜  交友勿諍事
己兄盡礼敬  己弟致愛顧
人而無智者  不異於木石
人而無孝者  不異於畜生
不交三學友  何遊七覺林
ふさいハ 奈(な)を 可ハらの□(ごと)し
ふ本(ぼ)尓(に)ハ てうせ起(き)尓(に)こうし
しくん尓ハ ちうや尓 つかへよ
ともとまじハりて あらそふこと な可連
おの連可 あ尓ゝハ 連い个(け)いをつくし
おの連可 をとゝ尓(に)ハ あいこを い多(た)せ
ひとゝして ち 奈起(なき)ハ
本(ぼ)くせ起(き)に (こと)奈(な)ら春(ず)
ひとゝして こう 奈起(なき)ハ
ちくしやう尓(に) □(こと)奈(な)ら春(ず)
さん可(が)くの とも尓(に) まじハら春(ず)んバ
奈(な)んぞ しち可(が)くの 者(は)やし尓(に) あそバん
夫妻は なお 瓦の如し  父母は 朝夕に孝し
師君には 昼夜に仕えよ  友と交わりて 諍(あらそ)う事なかれ
己が兄には礼敬をつくし  己が弟には愛顧を致せ
人として智 なきは  木石(ぼくせき)に異ならず
人として孝 なきは  畜生に異ならず
三學の友に交わらずんば  なんぞ 七覺の林に遊ばん

師君・・・師匠と主君
三學・・・戒、定、慧の修行の綱格
七覺・・・擇法、精進、喜、除、捨、定、念の修行を覺了して道に入る

(続きます)



えどはくカルチャー・古文書講座 2

2012-06-08 | 古文書入門
實語教 その2 (テキストの本文 2~3頁・6~16行)

人不學無智  無智爲愚人
倉内財有朽  身内才無朽
雖積千両金  不如一日學
兄弟常不合  慈悲爲兄弟
財物永不存  才智爲財物
ひと まなバざれバ ち なし
ち なきハ ぐ尓(に)んと春(す)
くらのうちの ざいハ くつる□(こと)あり
ミ(み)のうちのさいハ くつる□(こと)なし
せん里(り)やうの こ可(が)ねを つむといへども
いち丹(に)ちの 可(が)く尓(に)ハ 志(し)か春(ず)
きやう多(だ)い つね尓(に)ハ あ者(は)春(ず)
じひを きやう多(だ)いと春(す)
ざいもつ な可(が)くぞんぜ春(ず)
さいちを ざいもつと春(す)
人 学ばざれば智なし  智なきは 愚人とす
倉の内の財は 朽つることあり  身の内の才は 朽つることなし
千両の金(こがね)を積むといえども  一日の学には如(し)かず
兄弟 常には合わず  慈悲を 兄弟とす
財物 永く存ぜず  才智を 財物とす


四大日々衰  心神夜々暗
幼時不勤學  老後雖恨悔
尚無有所益  故讀書勿倦
學文忽怠時  除眠通夜誦
忍飢終日習  雖會師不學
し多(だ)い ひゞ尓(に)おとろへ
志(し)んじん やゝ尓(に) くらし
いとけ奈(な)きとき つとめ ま奈(な)バざれバ
をいてのち うらミくゆるといへども
なを 志(し)よえ起(き)ある(こと)なし
志(し)よを 可(か)る可(が)るゆへ尓(に) よんで うむ(こと)奈可連(なかれ)
がくもん尓(に) おこ多(た))ると起(き)奈可連(なかれ)
ねふりをのぞいて よもす可(が)ら 志(し)ゆせよ
うへを志(し)のんで ひめ(ね)も春(す) ならへ
し尓(に)あふといへども ま奈(な)バざ連(れ)バ
四大 日々に衰へ  心神 夜々(やや)に 暗し
幼なきとき 勤め学ばざれば  老いてのち 恨み悔ゆるといえども
なお 所益 有ることなし  かるがるゆえに 書を読んで 倦むことなかれ
學文に 怠るときなかれ  眠りを除いて 夜もすがら誦せよ
飢えを忍んで 終日(ひねもす)習え  師に会うといえども 学ばざれば

四大・・・人の身は四大(地・水・火・風)よりなる、という仏説に基づく。
心神・・・精神、こころ
誦・・・読む、そらんじる


徒如向市人  雖習讀不復
い多(た)づら尓(に) いちびと尓(に) む可(か)ふ□(ごと)し
奈(な)らひ よむといへども ふくさせざれバ
いたづらに市人(いちびと)に向かうごとし  習い読むといえども 復させざれば

市人・・・町の人
福人・・・裕福な人、金持ち
如 □(ごと)し  (□)内は、「合字」の(こと)の字のため、ここに表記できず。
  
(続きます)