かぶとん 江戸・東京の歴史散歩&池上本門寺

池上本門寺をベースに江戸の歴史・文化の学びと都内散策をしています。

法華経概論 中間試験・問題吟味

2013-07-20 | 法華経入門

 Q1. 法華経伝来の流れについて解説しなさい。

釈尊(お釈迦さま)はブダガヤで悟りを開かれて40余年、仏法の完成をめざし霊鷲山で「サッドダルマ・プンダリーカ・スートラ」(法華経)の説法を8年間された。釈尊の入滅後、500人の弟子たちは、王舎城に集まり、教えをもれなくまとめた(第一結集)。
その後も結集が行われ、釈尊の教えを文字に残し、経典をつくった。インドからシルクロードを経由して中国に伝えられた仏教経典は漢文に翻訳された。特に鳩摩羅什の漢訳した「妙法蓮華経」が普及した。その後、天台大師・智顗は天台宗をひらき法華経を広めた。
日本に伝わった法華経は、聖徳太子や伝教大師・最澄によって広く伝えられ、日蓮聖人により深く信仰された。

 Q2. 経題における「蓮華」の譬喩について解説しなさい。

蓮華には、大乗仏教とくに法華経における菩薩行の実践を象徴する意味がある。
法華経・従地涌出品第十五に「善く菩薩の道を学んで、世間の法に染まざることは、蓮華の水にあるが如し」と説かれている。蓮華は汚れた泥水の中に生い茂りながら、それ自体は清らかであって、いささかも汚泥に染まることはない。これと同じように菩薩は悪と汚れに 満ちた世間の中にあって人々を苦しみから救いながら、自分自身は清らかであっていささかも世間の悪や汚れに染まることはない、という意味をあらわしている。

二 次の語句を説明しなさい。
  1. 天台三大部
  2. 三一権実論争
  3. 四悉檀
  4. 四十余年未顕真実
  5. 王子不思議力
  6. 六波羅蜜
  7. 二処三会
  8. 如是我聞
  9. 三乗
  10. 方便

1. 天台三大部
天台大師智顗による法華経の教えと、それを書物の形にした弟子の潅頂の著作の中で、特に重要な三部。「妙法蓮華経玄義」「妙法蓮華経文句」「摩訶止観」のこと。前二作が「教相」(教義理論)、摩訶止観が「勧心」(実践論)である。

2. 三一権実論争
平安時代の初期、天台宗の祖、伝教大師・最澄と法相宗の僧・徳一との間で行われた仏教宗論。「三一」とは、三乗と一乗の教えのことであり、「権実」論争とは、どちらが権(方便。仮の考え)でどちらが実(真実の考え)であるかの論争。天台宗「法華経」の教えは一乗であり、三乗は一乗に導く方便とする。法相宗・徳一は三乗説。
3. 四悉檀

4. 四十余年未顕真実
「如来の得道よりこのかた四十余年」「種種に法を説くこと、方便力をもってす。四十余年にはいまだ真実を顕さず。」と法華三部経の開経・無量義経説法品に出てくる。真実の、み心はまだ顕されていない。法華経へとつながる。

5. 王子不思議力
法華三部経の無量義経・十功徳品の中の第四の功徳をいう。国王の子(王子)は幼いときから国民に慈愛されるように、諸仏が国王であり仏の教えが王女であり、菩薩(仏種)が王子にあたる、と譬えられる。稚少の菩薩、新学(新発意)への護念、慈愛。

6. 六波羅蜜
大乗仏教において菩薩が実践すべきものとされる六つの徳目で、布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧(般若)の六つをいう。波羅蜜(波羅蜜多)とは梵語パーラミターの音写で、悟りの彼岸に至る実践を意味する。

7. 二処三会
法華経において釈尊が説法される場所が霊鷲山(霊山)・虚空(空中)・霊鷲山と移り変わる。説法の場所が二か所、会合(会)が三度持たれたので、これを二処三会という。前霊山会・虚空会・後霊山会と称する。

8. 如是我聞
経典の書き出しの言葉で「是の如く我聞けり」あるいは「是の如きを我聞きき」と読む。経典は仏陀釈尊の説法を仏弟子あるいは後継の仏教徒たちが聞き伝えて、それを記録、成文化して編集したものである。

9. 三乗
声聞・縁覚・菩薩の三。乗というのはこの三種に対応する仏の教えをいうが、またその教えを実行する人もこのように称する。声聞は仏弟子、出家修行者。縁覚は独覚、辟支仏ともいう。菩薩とは仏陀の悟りを体現し、あるいはそれをめざして修行する人をいう。

10. 方便
衆生を教え導くために仏・求法者が時と場合に応じて用いる巧妙な手段、を意味する。仏の智慧に達するために仏の乗り物はひとつ(一仏乗)なのだけれども、三種の乗り物(三乗)をあげて説かれることを指す。「三乗方便一乗真実」


参考)
「法華経概論」の授業ノート
授業テキスト 『ものがたり 法華経』他

法華経学習、初心者の(自習用)記述です。正確度については「?」もあります。
四悉檀については授業ノートに記述がないので、ここではパスします(一応グーグルで見ましたが)。前期授業の欠席はないので、ある事情でうつらうつらしていた時のことかもしれない。




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