【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

薔薇に降る雨 ~ 雨の交響楽

2016-06-25 18:31:58 | 薔薇の追憶










   昨日も雨、今日も雨、明日も雨・・。
  今年は、こんなうんざりするような梅雨ではありません。

   ザ~ッと降ってもすぐにやみ、太陽と青空にも恵まれます。
  ただ今日は、雨は降らないながらも灰色の重苦しい梅雨空。

   それでもふと気付けば、音もなく静かに雨が降っていたりもして。
  いずれにしても、たいした雨ではありませんが。

   とは言え、やはり梅雨は梅雨。
  暑いような寒いような・・スッキリしない気候も然る事ながら、
  鬱陶しい事に変わりありません。

   こんな時、ふと口を付いて出るのは、
  「巷に雨の降る如く わが心にも涙降る」
  という、ヴェルレーヌの詩。

   尤も、そらで言えるのは、このフレーズだけ。
  折角ですから、重い腰を上げて全集を紐解いてみました。

   「巷に雨の降る如く わが心にも涙降る
  何だろうこの物憂さは しとしとと心の内に忍び入る

   おお雨の音 地上にも立ち並ぶ屋根の上にも
  この倦怠の心には 雨の歌 おお静かな響き・・・」


   ~と、こんな風に続きます。
  (因みに雨の多いロンドンでの作との事)












【背景は 「半夏生」 の白】







   さて、そんな今日。再び白薔薇が咲き始めました。
  折しも庭を席巻する 「半夏生(ハンゲショウ)」 を背景に。

   どちらかと言えば苦手な物憂い雨も薔薇に降ると思えば、
  途端にロマンティックな気分になりますね。
  ちょっとした女学生気分・・?

   そう言えば、女学生という言葉、最近、使わなくなりましたね。
  それこそ、今日の白薔薇のイメージでもあり、
  気品ある素敵な言葉ですのに。

   つい先日も記しましたが、ヴェルレーヌの詩は、
  樹木を打つ雨、柔らかい土や池の面に降り込む雨、
  それぞれ音を立てて降っていた時代があった事を思い起こします。

   振り返って窓を閉め切れば、ほとんど何も聞こえなくなった現代。
  音を失った虚無の時代かも知れません。

   今日などは少々、肌寒いけれど、
  たまには窓を開け、賑やかだった時代に思いを馳せながら、
  雨の音楽に耳を澄ますのもいいかも知れませんね。