こちらは昨日、今日と、
真珠色の空になりました。
時折、日は射すものの、
今頃のこんな空、
花曇りではないし・・
~なんて、思っていましたら・・。
「卯の花曇り」 と、
言うのだそうですね。
白っぽい空を卯の花の
こぼれるように咲く、
白い花に例えたのでしょうか・・。
ここでも、先人の素敵な感性を感じます。
「雪見草(ゆきみぐさ)」、「夏雪草(なつゆきそう)」、「潮見草(しおみぐさ)」、
「水晶花(すいしょうか)」・・これらは、全て 「卯の花」 の別名です。
何とロマンティックなのでしょう。
「押しあうて 又 卯の花 の 咲きこぼれ」 ~正岡子規
「卯の花 や 妹が垣根の はこべ草」 ~与謝蕪村
ところで冒頭の写真は、「ナガミヒナゲシ」、所謂、ポピーです。
漢字にすると、「長実雛罌粟」。ちょっと難しいですね。
でも、「ナガミ」 が 「長実」 とは知りませんでした。
どんな漢字だろう・・? なんて、思ったものです。
「永見」 や 「長見」 と言った文字は、簡単に浮かびますが、
「長実」 とは意外でした。こんな発見も、漢字を紐解いたからこそ。
何だか楽しくなりますね。
そしてこちらは、綿帽子になった 「蒲公英(たんぽぽ)」 です。
子供の頃、真っ白の綿毛が出来ると、
それを吹いて遊んでいた事が思い出されます。
最後に。
記事があっちこっち飛んでしまいましたね。
今日は卯の花を取り上げさせて頂きました。卯の花と言えば・・
真先に思い浮かぶ日本の唱歌、『夏は来ぬ』 を紹介します。
今でこそ、あまり卯の花 (ウツギ) は人気のある花とは言えませんが、
ある時代・・とても人気のあった花である事が分かります。
古き良き日本の初夏の光景が余す所、綴られています。
長閑(のどか)な情景が、目の前に浮かんで来ませんか・・?
【夏は来ぬ】
1.卯の花の 匂う垣根に 時鳥 早も来鳴きて
忍音 もらす 夏は来ぬ
2.五月雨の そそぐ山田に 早乙女が 裳裾ぬらして
玉苗 植うる 夏は来ぬ
3.橘の 薫る 軒ばの 窓近く 蛍飛び交い
怠り 諌むる 夏は来ぬ
4.棟散る 川辺の宿の 門遠く 水鶏声して
夕月 涼しき 夏は来ぬ
5.五月闇 蛍飛び交い 水鶏鳴き 卯の花咲きて
早苗植えわたす 夏は来ぬ
作詞 佐々木 信綱
作曲 小山 作之助
編曲 源田 俊一郎