今日は雨の音で目覚めました。
その雨も、お昼前には上がり、午後には青空も戻って来ました。
まさに天気予報通りの空です。
起床時には、それほどでもなかった気温も、
日中は、ほとんど上がりません。
昨日の気温差と比べると、7℃。
おまけに風もあり、ちょっぴり肌寒さも覚えます。
でも、その分、雨上がりという事も加わって空気は澄み、爽やかです。
この様子でしたら、昨日が 「下弦の月」 だったお月様、
今宵は、さぞかし美しい姿なのでは・・と期待も膨らみます。
そして、月光は周りの景色にも幻想的な魔法をかけてくれますね。
“小径は、さながら魔法にかけられているようだった。――
月光を浴びた、長い並木の下で森の精たちが
楽しく軽やかに踊っているかと思われた。
差し交わす枝の間を洩れる月光が、
銀色の光と、くっきりとした影とで織り成す
モザイク模様の中へ・・・進んで行った。・・・”
【「アンの友達」 5.】
出掛けた帰り径、ふと迷い込んでしまった小路。
徒歩か、自転車がせいぜいといった細い道です。
でも、そこには、昭和の面影が、
たっぷり残っていました。
今時、白壁の塀や趣のある板塀のどっしりした
構えの家。1軒、1軒のお宅は大きな家が多いです。
思わず見とれ・・。
ただ、細い道に坂。勿論、車は通れません。
駅からそれほどの距離ではありませんが、
それでも徒歩、20分位は、
かかるのではないでしょうか。
そして、注目は左の緑。一見、家はなく、
空地に木が生えているように見えますね。
実は、空き家です。
家は荒れ、庭全体に木が欝蒼(うっそう)と茂り、
まるで森のようです。こんな家を見ますと・・。
「古い空き家を見ると、たまらなく悲しくなる・・」
という、アンと同じ気持ちになります。
そんな家の写真は、哀れで・・何だか撮れません。
「過ぎ去った昔の事を考え、楽しかった時代が
帰って来ないのを悲しんでいるような気がするのよ。・・・
小さな子供たちの足音や笑い声や歌が家中に
溢れていたのに、今はがらんとして、
風が迷い子のように吹き込んで来るだけなんだわ。
どんなにあの家は寂しい、悲しい気持ちでしょうね。・・・」
【「アンの青春」 第2章】