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今週の一番『キングゴルフ』嫌なキャラの主人公には嫌な面でのライバルも必要かな?という話

2010年07月07日 | マンガ
【7月第1週:バクマン 91ページ 票と表】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10469.html#647

【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/



『キングゴルフ』(作・佐々木健)のドラコン編が決着しました。『キングゴルフ』はケンカばかりに明け暮れてプレデターと呼ばれていた傲慢な高校生・優木蒼甫がゴルフに目覚め、ゴルフで王者になる事を目指す物語。いや、ドラコン勝負、かなり良かったです。蒼甫の自己中心さ、憎ったらしさ、を維持したまま、しかしそれでもやがて観客は彼のプレイに魅了されるというのが、この作品のエピソード・フォーマットなんですが……。……けっこう、このフォーマット、維持するのはかなり難しいと思うんですけど、きっちりその軸を通したまま、ここまで話を進めて来ています。

【今週の一番付記「キングゴルフ」目立たないが確かに「天才の物語」】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/1fce2977a7350b74f07fc9a3eb7b9883
主人公のソースケは非常に強いメンタリティの持ち主として描かれていて、それを武器に急激に成長して行く物語になっています。つまり、精神力は既にワールドクラスで後は、技術力を追いつかせるだけ(それもメンタルが揺るがないから時間の問題)という、いわゆる「天才の物語」なんですね。

今回、僕が気に入っていたのはドラコンの帝王・瓜生でした。彼はちょっと『面白』かった…というか、蒼甫の敵としてかなりいい“仕事”をしていたと思います。

まず、彼(瓜生)は、基本嫌な奴(多少緩和はありますが)である所の蒼甫が“ぶっとばす為の敵”として描かれていて、この描きがかなり充分だったw外面は紳士然として帝王の風格を漂わせるようなスポーツマンなんですが、裏ではとにかく人の努力をあざ笑うのが好きで、人が見ていない所で隠れて笑っているという。まあ、正面から相手をこき下ろす蒼甫よりも嫌な奴として置かれているんですよね。…今、蒼甫よりも嫌な奴と言いましたが、実際、そういう演出で描いてはいるんですが、正確に言うなら蒼甫とは違った種類の嫌な奴を描く事で、蒼甫の嫌な部分を良くも悪くも両方引き立てている。より、蒼甫のキャラがくっきり出されていると言ってもいいですね。

もう一つは、そういう性格の奴だから、図太い…なんというか図太さがよく出ているキャラだったんですよね。これはドラコン大会三連覇を果たしている“帝王”としての実力は正真正銘のものだった事も大きいです。まあ、負けた今は肝が小さそうに描かれているんですけどねw(試合には勝ったけど飛距離はブチ抜かれてしまったという話なんですが)そこも含めて“ぶっとばされる敵”としての仕事をキッチリ果たしているいいキャラだと思います。……でも、なんか『漫研』の仲間の反応は冷たいんですよねえ…(´・ω・`)なんでだろう?只野仁(高橋克典)に似ているからカナ?(←なんで?)

今まで、この作品……まあ、正直、絵はそんなに上手くない、女の子はそんなに可愛くないし、萌えキャラではあり得ない、主人公のデザインもイマイチ、というマンガで。でも、何か主人公像か、あるいはテーマがすごくハッキリしているらしく、その明確なビジョンを元にネームの出来をどんどん上げていった連載…だと思っています。…でも、逆に言うと主人公が良いだけだった。
以前の強敵・戸川臨も、一位ライバルの霞見ひかるも、どこか線が細いというか、パンチが薄いキャラという印象だったんですよね。それが、どこかの筋肉ムキムキタレントをモデルにしたのか、ともかく“帝王”はいい感じに『回って』いました、蒼甫の敵として生きた強さ図太さを感じたんですね。まあ、帝王、帝王、言っていますが執念のドラコン選手・永作のおやじの話とか、総じてドラコン編は良かったです。

今後もこういうキャラを出して行けるなら『キングゴルフ』という作品の輪郭もクッキリ力強くなると思います。ライバルキャラのあいつが良かったよね!とか言われるようになるとスポーツマンガも“本物”という…………つか、この“帝王”そのまま持ってくればいいと思うんですよね。(´・ω・`)(何でか『漫研』では冷めた反応されたけどw)ヤムチャとかミスター・サタンくらいのキャラ位置にでも?w


KING GOLF 6 (少年サンデーコミックス)
佐々木 健,谷 将貴
小学館


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