8日(木)9日(金)と日経の経済教室のノートをさぼってしまった。だが両日ともどうでもいいような内容ではない。8日は経済に政治が介入する際のコストの問題とその対策が書いてあった。でもこれからずっと経済に政治が介入し続けるかのような前提には疑問。9日は直接の影響を受けなくても、先進国の不況から影響を受ける発展途上国の問題についてであった。どちらも重要。でもいろいろ他のことに気を取られてなかなかノートできなかった。その他のことの一つが、待望の勘定吟味役異聞のシリーズの新刊の発売だ。
とうとう、勘定吟味役異聞シリーズの最終となってしまった。しかしこの最終巻の「流転の果て」の内容は、今までの巻より展開があっけなく早く終わったような気がする。あまりに長編になりすぎたので、無理にこの巻で終わりに持っていったのかな。8代将軍の座をめぐる暗闘もあっけなかった。尾張徳川家はこの巻ではもう将軍の座をあきらめたみたいでからんでこない。藩主の葬式と代替わりが続いて藩財政が疲弊したことが原因みたいだが、この巻の尾張藩主が継友になっていて以前の吉通でないこともあるかもしれない。柳沢吉里の目は結局はなかったことだった。「流転」とはこの将軍の座のことについてかもしれないが、長編になりすぎた話の結末ともとれる。
ハッピーエンドのようでそうでもない結末だ。だって、水城聡四郎が剣士であることを棄て、旗本になりきるというのだもの。つまりダーティ・ハリーが、これからは役人道にまい進しますというようなもの。あ、ついでに言えば、前に剣の師は、右肩の骨を折って道場を閉めてしまっているが、この巻では弟子の水城聡四郎も、また聡四郎の家士になった弟弟子の大宮玄馬も右肩負傷。そのためだけではないけれど、水城聡四郎は旗本に専念するし、大宮は怪我がなくても元々太刀の軽さから一放流は次げないから、一放流は結局絶えるのかな?
前までの間では、食えない男だった紀州藩主徳川吉宗が、この巻ではまあ良い人間になってきた。養女にした人入れ屋の娘の紅を聡四郎と結婚させた。町人の娘のままでは旗本と結婚が難しいためだが、この方がむつかしい気がした。というのは、御三家の紀州藩主は、篤姫の養父の島津の殿様より官位がぐっと高いのだよ。そんな御三家の養女と要職の旗本とはいえ550石の布衣で守の官職名もない者との婚姻はかえって難しくなるのではないのか?むしろ娘の父の人入れ屋は幕府御用達で苗字帯刀もしているのでまだ問題がないような気がする。なお旗本と大名の婚姻自体は頻繁にあることだ。旗本は石高が低くても官位は大名並みのものも多いし、旗本自体が大名家の一族という場合も多いから。でも水城聡四郎は550石だもの。しかもこの巻の終わりに吉宗が将軍になってしまって、聡四郎は将軍の娘婿になってしまった。その後のことは何も書かれていない。聡四郎は婚姻直後、吉宗の勧めもあり肩の怪我を理由に、勘定吟味役を退職した。2年後将軍となった吉宗は、聡四郎の使い道を考えているところで話は終わった。勘定奉行か長崎奉行になるかは知らないがそんな出世話でいいのか。
こういう結末では話の性格が違うような気がする。そうそうこの巻では始めからなんか調子が違うぞ。仕事を回してもらえない孤立した勘定吟味役だったが書類が回ってくるようになった。大奥の調査を行ったが、相手の言うことを鵜呑みにしたみたいで、おまえ農水省の役人か。と言いたくなる。で旗本になりきるといったと同時に、徳川家の閨閥に入り込み、勘定吟味役を辞するときは、特別待遇で3000石以上の大身とおなじ扱いの寄合席にしてもらった。え!?これでいいのと、脱藩浪人である拙者は思うわけである。
それから徒歩目付永渕啓輔の剣の腕前が意外に強くなかった。だって吉宗の側近の紀州玉込め役の川村仁右衛門に簡単に取り押さえられてしまうのだもの。そうそう永渕啓輔というのは柳沢家の家来だったが、柳沢吉保の推薦で綱吉により幕臣に召しかかえられたのだ。
それを恩にきて幕府の徒歩目付でありながら、柳沢吉保の為に動いている。でもおかしいと思うのは、徒歩目付って御家人か下級旗本みだい。成長している柳沢家にいたらもっと石高の多い重臣になっていた気がするのだが。
とうとう、勘定吟味役異聞シリーズの最終となってしまった。しかしこの最終巻の「流転の果て」の内容は、今までの巻より展開があっけなく早く終わったような気がする。あまりに長編になりすぎたので、無理にこの巻で終わりに持っていったのかな。8代将軍の座をめぐる暗闘もあっけなかった。尾張徳川家はこの巻ではもう将軍の座をあきらめたみたいでからんでこない。藩主の葬式と代替わりが続いて藩財政が疲弊したことが原因みたいだが、この巻の尾張藩主が継友になっていて以前の吉通でないこともあるかもしれない。柳沢吉里の目は結局はなかったことだった。「流転」とはこの将軍の座のことについてかもしれないが、長編になりすぎた話の結末ともとれる。
ハッピーエンドのようでそうでもない結末だ。だって、水城聡四郎が剣士であることを棄て、旗本になりきるというのだもの。つまりダーティ・ハリーが、これからは役人道にまい進しますというようなもの。あ、ついでに言えば、前に剣の師は、右肩の骨を折って道場を閉めてしまっているが、この巻では弟子の水城聡四郎も、また聡四郎の家士になった弟弟子の大宮玄馬も右肩負傷。そのためだけではないけれど、水城聡四郎は旗本に専念するし、大宮は怪我がなくても元々太刀の軽さから一放流は次げないから、一放流は結局絶えるのかな?
前までの間では、食えない男だった紀州藩主徳川吉宗が、この巻ではまあ良い人間になってきた。養女にした人入れ屋の娘の紅を聡四郎と結婚させた。町人の娘のままでは旗本と結婚が難しいためだが、この方がむつかしい気がした。というのは、御三家の紀州藩主は、篤姫の養父の島津の殿様より官位がぐっと高いのだよ。そんな御三家の養女と要職の旗本とはいえ550石の布衣で守の官職名もない者との婚姻はかえって難しくなるのではないのか?むしろ娘の父の人入れ屋は幕府御用達で苗字帯刀もしているのでまだ問題がないような気がする。なお旗本と大名の婚姻自体は頻繁にあることだ。旗本は石高が低くても官位は大名並みのものも多いし、旗本自体が大名家の一族という場合も多いから。でも水城聡四郎は550石だもの。しかもこの巻の終わりに吉宗が将軍になってしまって、聡四郎は将軍の娘婿になってしまった。その後のことは何も書かれていない。聡四郎は婚姻直後、吉宗の勧めもあり肩の怪我を理由に、勘定吟味役を退職した。2年後将軍となった吉宗は、聡四郎の使い道を考えているところで話は終わった。勘定奉行か長崎奉行になるかは知らないがそんな出世話でいいのか。
こういう結末では話の性格が違うような気がする。そうそうこの巻では始めからなんか調子が違うぞ。仕事を回してもらえない孤立した勘定吟味役だったが書類が回ってくるようになった。大奥の調査を行ったが、相手の言うことを鵜呑みにしたみたいで、おまえ農水省の役人か。と言いたくなる。で旗本になりきるといったと同時に、徳川家の閨閥に入り込み、勘定吟味役を辞するときは、特別待遇で3000石以上の大身とおなじ扱いの寄合席にしてもらった。え!?これでいいのと、脱藩浪人である拙者は思うわけである。
それから徒歩目付永渕啓輔の剣の腕前が意外に強くなかった。だって吉宗の側近の紀州玉込め役の川村仁右衛門に簡単に取り押さえられてしまうのだもの。そうそう永渕啓輔というのは柳沢家の家来だったが、柳沢吉保の推薦で綱吉により幕臣に召しかかえられたのだ。
それを恩にきて幕府の徒歩目付でありながら、柳沢吉保の為に動いている。でもおかしいと思うのは、徒歩目付って御家人か下級旗本みだい。成長している柳沢家にいたらもっと石高の多い重臣になっていた気がするのだが。
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