セレンディピティ日記

読んでいる本、見たドラマなどからちょっと脱線して思いついたことを記録します。

最近の感想

2011-03-02 11:11:42 | 社会経済
最近の様々なことの感想を書こう。

やや旧聞になるが、昨年末に大阪市で内部告発したが懲戒免職となった(僕の気持としては「内部告発をしたために懲戒免職」が正しいけど)大阪市環境局河川事務所の元職員が処分の取り消しを求めて大阪地裁に提訴した。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110210k0000e040053000c.html
彼自身は拾得物を横領するつもりはなく証拠ビデオの撮影のため受け取ったふりをしただけで、その現金を元に戻していて実際には受け取っていないので、犯行の意思も結果もないので必ず処分(懲戒免職)の取り消し命令の判決が出るだろう。

ところで提訴のニュースを読んで、僕は「不利益処分の取り消しの訴えは、その前に人事委員会へ不利益処分への不服申し立てをしなければならないはず(不服申し立て前置主義)だけど、不服申し立ての結果にニュースは触れていないがどうなっているのだろう?」と思ってしまったが、これは僕の勘違いであった。

本人は大阪市環境局の技能労務職員(単純労務職員)なので地方公務員法ではなくて地方公営企業法の準用を受けるのだ。したがって大阪市の人事委員会への不服申し立てができないので、直接裁判所へ提訴できるのだ。

ところで環境局の技能労務職員の懲戒免職と言えば、2月22日に名古屋市は覚せい剤使用で逮捕された2人の技士の懲戒免職を発表した。報道だけを見ている人たちはステレオタイプの似たような見解をきっと持つと思う。でも僕は逮捕された1人を知っているので感じ方はみんなと違うと思う。

彼は明るい感じがやや欠けるが、その点をのぞけば彼はまじめで親切な好青年と言ってもいいだろう。ややシリアスな役を演じている緒形直人といったイメージだ。明るい感じが欠けるのは心身症的な病にかかりやすいからだと思う。ニュースにも「精神的な問題で職場を休みがち」と書いてあった。だから彼が覚せい剤に手を染めたのは、医師の治療や処方する薬では抑えきれない心の病があったからだと思う。

本人を知っているからでもあるが懲戒免職はかわいそうな気もする。いつもの僕なら民間よりも厚遇されていて職種というより身分となっている公務員だから、些細なことでも免職になるのは厚遇の対価として当然と思うべきと言うが、いかんせん現状では次の職を見つけることは非常に困難と思えるので免職はかわいそうと思う次第である。次の職を見つけるのが簡単な世の中なら、今までが良すぎたと思って心を入れ替えて普通の大多数の民間の条件で働いてくださいと言えるのだが。

リバタリアン的な意見をいえば、覚せい剤の使用という個人的な問題に国が干渉して犯罪とするのは行き過ぎではないかと思う。ちなみに痴漢は明確に他人の人権への侵害だから覚せい剤より犯罪性が高いのだが、自治体では示談の成立が前提かもしれないが、停職止まりで免職にはならない。飲酒運転については他人を害する可能性が高いためか名古屋市をはじめ多くの自治体で懲戒免職にする規定を設けている。だが全国的な判例では、裁判になれば「懲戒免職は厳しすぎる」として懲戒免職を取り消されるのが一般的だ。

名古屋市のこの覚せい剤はニュースではよくわからないことが多い。僕の感じでは本人を知っているので、病気がらみの個人的な事件と思えるのだが、警察へ通報があったことと、彼が覚せい剤を使用していたのは友人宅のトイレだったから、友人宅を警察が捜査したらその友人も覚せい剤を持っていた、ということは環境事業所に覚せい剤が広がっている可能性をニュースは示唆している。

僕の知っている環境事業所にはそんな兆候はなかった。でもいちどはやり始めるとパッと広がるということもある。そのためか名古屋市環境局は全職員(技能労務職だけかもしれないが)への聞き取り調査をしたはずである。相撲協会の野球賭博とちがって正直に白状したら処分を軽減できるというものでもないので、聞き取り調査が何の役に立つのかと思ったが、聞き取り調査の狙いは、覚せい剤の事を職場内で見聞きしたことがないかの確認だろう。

僕の個人的な推理ではこうだ。彼はふつう安全と思われる自宅ではなく、友人宅のトイレで覚せい剤を使用していた。しかし彼も友人も互いに相手が覚せい剤をやっていたことを知らなかったと供述している。警察が捜査して友人宅からも覚せい剤が発見されたのは偶然ということになる。なんたる偶然と言うべきか、それとも覚せい剤がそれほど浸透しているのか?

彼が自宅ではなく友人宅を選んだのは、家族に知られたくない又はすでに知られてしまって家族から非常に嫌がられているということが考えられる。警察は通報者がどんな人だったかを発表していない。僕の推理では、実は通報者は彼の家族で、動機はどうしても覚せい剤を止めさせたい最後の手段として。ただ偶然にも友人も覚せい剤をやっていたので環境事業所内で覚せい剤がまん延しているかもしれない疑惑が出てきたのだ。

話は変わるけど、3月13日は名古屋市議会選挙だ。今までと違って河村与党の減税日本の候補者を含めて大量の立候補者が出る予定だ。投票率も上がるだろう。既成政党のなかで前回と同様の議席を維持できるのは公明党だけだろう。いち早く河村政策への支持を打ち出していたので支援者の離反を防げるからだ。立候補者予定者には自営業者や経営者が多いという。また大学院生もいるらしい。どうやら先進国風のボランティアあるいはパートタイム地方議会に大きく近づきそうだ。

今までのようなアメリカの州知事並み(政務調査費を入れれば大きく上回る)の報酬を受けながら、州知事とちがって何の責任もない(市長は議会での反論権がなかったから、ばかな質問の市会議員が恥をかかされることもなかった)市議会議員を70名以上も抱えていた市議会が変わる第一歩だ。

いままでの市議会選挙は投票率が低かったから、手なずけた後援会があれば当選できた。なにか争点となる重要政策を訴えて選挙などしたら投票率も上がって落選する可能性が大きくなる。だから決して争点を作ってはいけないという何もしない市議会が構造的に作られてきたのだ。だから3月13日の投票日が楽しみだ。

またまた話はかわって国の話だけど、予算関連法案の公債特例法はどうなるのだろうね。公債特例法が成立しないと赤字国債が発行できなくて、平成23年度予算の半分が財源不足で執行できなくなる。民主党も野党の自民党公明党も、最後には相手が折れてくるか自分が折れなきゃいけなくなると思っていると思う。でもさ、こういうことって、成り行きにながされて結局どちらの側も望んでない結果に陥るってことはよくあること。ひょんなことから財政破綻があれよアレヨと起こるかもしれない。