玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

けものみち

2006年01月13日 | テレビ鑑賞記
松本清張ドラマの米倉涼子は好きだ。

木曜ドラマ 「松本清張 けものみち」

「黒革の手帳」でも魅力的だった。
ほかのドラマでの米倉涼子は好きではない。特に大河ドラマ「武蔵」でのおつう役はなんとなく下品で、武蔵よりも体が大きく強そうなのでうんざりさせられた。本人はがんばって演じていたようで(ほとんど見ていないので実際のところどうだったのかは知らない)責めるのは気の毒だけれど。

ところが、松本清張ドラマでは米倉の下品なまでの強さ、たくましさが逆に魅力となる。
「黒革の手帳」「けものみち」どちらの主人公も悪女だけれど、ほかの登場人物がそれに輪をかけた悪人や曲者ばかりなので、むしろ女らしくかわいらしく感じる。
「けものみち」では特に若村真由美が怖すぎて、米倉がまるで可憐な少女のように(言いすぎ)見えてくる。

テレビ朝日は「米倉涼子主演・松本清張ドラマ」をすっかり手の内にしたようで、キャスティングや演出に迷いがない。平幹二朗・佐藤浩市といった実力派をそろえ、光と影を生かしたおどろおどろしい画面作りは昭和の香りを漂わせて重厚だ。

原作の小説は以前に読んだ気もするが、ずいぶん前のことですっかり忘れてしまった。
これから3ヶ月のあいだドラマを楽しめそうだ。

ちょっと気になるのは裏番組「白夜行」の視聴率。
綾瀬はるかを応援したいけれど、「けものみち」がこれだけ面白いと苦戦しそうだ。
かくいう私も「白夜行」を録画して「けものみち」を見てしまったし。
「白夜行」はどうも重すぎ暗すぎて、「けものみち」のような悪の爽快さがなくて見るのが辛そうである。


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3 コメント

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Unknown (雪斎)
2006-01-13 11:09:07
御覧になりましたか。

 拙者は、お通役で出ていた米倉さんの演技を見たときに、「この人は汚い演技もできるのか」と思いました。
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汚い役 (玄倉川)
2006-01-13 18:58:51
「武蔵」では主役が蓬頭垢面だったので、せめてお通さんはきれいであってほしかったです。

「強いお通」を望んだのは脚本家だったそうで、米倉さんのせいではありませんけれど。



女優もそうですが政治家も「汚い役をやって評価を高める」のは実力派の証なのかな、という気がします。きれいな役だけで人気を得た人は逆境に弱そうです。
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Unknown (雪斎)
2006-01-13 20:55:52
そうですね。

 貴殿も書いておられましたが、昨日放送分で一番、怖かったのは、若村麻由美さん演ずる「女中頭」でしょうか。
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