どう考えても逆効果としか思えないのだけれど。
■ 朝日新聞社説 「自民総裁選 靖国を避けて通れるか」
■ 中日新聞社説 「その居直りがいけない」
靖国参拝の是非、それ自体についてはひとまず擱く。
理解しがたいのは、朝日新聞と中日新聞の社説がどちらも「総理の靖国参拝に反対」しつつ「自民党総裁選で『靖国問題』を争点に」と主張していることだ。
最近の世論調査によれば、小泉総理の靖国参拝について国民の賛否はほぼ拮抗している。
反対派には野党および公明党の支持者が多い。
逆に言うと、世論調査から野党と公明党の支持者を除けば参拝支持の割合はさらに高くなるはずである。
総裁選で投票するのは自民党員である。保守政党である自民党の党員は、国民の平均よりは参拝への支持率が高いことは容易に想像できる。朝日や中日のように「靖国参拝の是非を総裁選の争点にせよ」と主張することは、自民党内の参拝支持派のエネルギーを高め、安倍氏や麻生氏への追い風になるだろう。
もし私が参拝反対派で「自民党には参拝支持派が多い」ことを知っており、「次の自民党総裁=総理大臣は靖国参拝しない人が望ましい」と考えるなら、「靖国問題を争点にすべきだ」とは決して主張しないだろう。敵が優勢なところで戦いを挑んでも勝利を得る見込みは薄い。むしろ意中の参拝反対派候補が「靖国問題」以外(たとえば景気回復、財政再建等)を前面に押し立てて総裁選を戦うことを望み、それを支援するだろう。
結論として、マスコミや評論家が「自民党総裁選で靖国参拝を争点にすべき」と主張すればするほど参拝支持の候補者を利することになる。小泉総理と安倍氏が何を考えて「首相の靖国神社参拝の是非について総裁選での争点とすべきではない」と言ったのか定かでないが、もしも「マスコミが反発して靖国の争点化を主張する」のを目論んでいたのだとしたら見事というほかない。
仮に小泉総理自身が「総裁選では靖国参拝が争点になる」と語っていたら、朝日や中日は「他にもっと大事なことがある」と主張していただろう。「何でも反対」という硬直した姿勢が小泉総理のフェイントに惑わされ逆に利用されたのではないか。
■ 朝日新聞社説 「自民総裁選 靖国を避けて通れるか」
世論調査などで一番の人気は安倍官房長官である。その安倍氏が首相の靖国神社参拝の是非について、総裁選での争点とすべきではないと言い出した。
「総裁選で議論することで、より外交問題化、政治問題化する。本来、外交問題化、政治問題化させないことが大切ではないか。この問題について議論を深めていくことが果たして本当にいいのか」
これに対して、総裁選への意欲を見せ始めた山崎拓・元副総裁が「次の首相が参拝するかしないかはアジア外交に影響する」と反対する声をあげた。
連立政権のパートナーである公明党の神崎代表も、次期首相は参拝を自粛すべきだという考えを示した。
一方、小泉首相は安倍氏を応援するかのように「靖国は心の問題だ」と持論をぶった。だから、政治の争点にしない方がいいというわけだ。
私たちも、戦没者をどう追悼するかの問題が争点になるのは悲しむべきことだと考える。だが、現実に大きな争点になってしまっているのは明らかだ。
中国や韓国との政治的な対話のパイプは詰まり、苦労して作った日中韓の3カ国首脳会談まで流れてしまった。東アジア共同体構想をはじめ日本のアジア外交が行き詰まり、欧米からも懸念の目を向けられている。
中国など相手側に問題がないわけではない。それでも、こじれにこじれた外交をどう立て直すか、次期総裁つまり次の日本首相の座を争う政治家たちに、打開策が問われないはずがないではないか。
■ 中日新聞社説 「その居直りがいけない」
外遊先のイスタンブールでも首相は靖国にご執心だったようだ。年頭会見と同じ発言を繰り返した。おれの勝手だ、余計な口を挟むな、と言わんばかりに。まるで批判されるのを楽しむように。
物事を単純化して異論を退けるような、発展性のない議論につきあうつもりはさらさらないが、理解に苦しむ点はただしておきたい。
首相は自民党総裁選の争点に関して「靖国の問題を自分から提起したことはない。参拝しろとか、してはいかんとか、誰にも言うつもりはない」と述べている。
二〇〇一年総裁選で八月十五日参拝を公約して、党の有力支持団体、日本遺族会の票獲得に動いたのは誰だったか。小泉氏である。
それでいて、ポスト小泉の総裁選は靖国を争点にするな、と言うのなら、そんな身勝手はない。
盟友であった山崎拓氏が「外交問題でないと強弁しても、内政問題であり、争点になる」と言っている。その通りだ。次の総裁は小泉スタイルを継ぐのかどうか、党員も、国民だって、知っておきたいだろう。
そもそも、靖国参拝をわざわざ目立たせて、外交問題に発展させたのは首相自身だ。いまさら「精神の自由、心の問題だ」と自分の殻に閉じこもるのでは、無責任だろう。
靖国参拝の是非、それ自体についてはひとまず擱く。
理解しがたいのは、朝日新聞と中日新聞の社説がどちらも「総理の靖国参拝に反対」しつつ「自民党総裁選で『靖国問題』を争点に」と主張していることだ。
最近の世論調査によれば、小泉総理の靖国参拝について国民の賛否はほぼ拮抗している。
反対派には野党および公明党の支持者が多い。
逆に言うと、世論調査から野党と公明党の支持者を除けば参拝支持の割合はさらに高くなるはずである。
総裁選で投票するのは自民党員である。保守政党である自民党の党員は、国民の平均よりは参拝への支持率が高いことは容易に想像できる。朝日や中日のように「靖国参拝の是非を総裁選の争点にせよ」と主張することは、自民党内の参拝支持派のエネルギーを高め、安倍氏や麻生氏への追い風になるだろう。
もし私が参拝反対派で「自民党には参拝支持派が多い」ことを知っており、「次の自民党総裁=総理大臣は靖国参拝しない人が望ましい」と考えるなら、「靖国問題を争点にすべきだ」とは決して主張しないだろう。敵が優勢なところで戦いを挑んでも勝利を得る見込みは薄い。むしろ意中の参拝反対派候補が「靖国問題」以外(たとえば景気回復、財政再建等)を前面に押し立てて総裁選を戦うことを望み、それを支援するだろう。
結論として、マスコミや評論家が「自民党総裁選で靖国参拝を争点にすべき」と主張すればするほど参拝支持の候補者を利することになる。小泉総理と安倍氏が何を考えて「首相の靖国神社参拝の是非について総裁選での争点とすべきではない」と言ったのか定かでないが、もしも「マスコミが反発して靖国の争点化を主張する」のを目論んでいたのだとしたら見事というほかない。
仮に小泉総理自身が「総裁選では靖国参拝が争点になる」と語っていたら、朝日や中日は「他にもっと大事なことがある」と主張していただろう。「何でも反対」という硬直した姿勢が小泉総理のフェイントに惑わされ逆に利用されたのではないか。
ヒールはベビー(善玉)を光らすことが最大の仕事だしw
ふと思ったのは、朝日社説氏も中日社説氏も物理学を知らないのかな、と。
(私も運動量と運動エネルギーの区別がつかない体たらくですが)
作用があれば必ず反作用があることをまったく考えてなさそうです。
総裁選では各候補の基本的スタンスをはかる上でも
靖国問題は格好のテーマだ。……争点隠しは許され
ない。
と書きましたね。
私は、靖国問題は日本の外交カードになりつつあるのではないかと思っていましたので、中国様はこの問題で日本国内のマスコミが騒ぐことを、望んでいないのではないかと推測していました。したがって、中国様と朝日の間に何らかの齟齬、あるいは、朝日内部にご主人に逆らう冒険主義者が現れたのかと邪推していました。しかし、毎日の社説を見ると朝日はご主人様の意向通りの社説を書いたのだと理解しました。
さて、自民党の総裁選で靖国問題がどのように影響するか、私にはよく分かりません。しかし、最近の欧米のマスコミ論調(遊就館批判)を考えると、中国様は欧米の論調に弱い日本保守層を攻撃の目標にした可能性も十分に考えられるかもしれません。
としている気配が有り、その材料に逆利用され
そうですな。最早、靖国カードはアジアの大義
を得ていないのは明白でありますから、これは
一連の靖国参拝反対運動=反政府運動と国民に
思われても仕方がありませんな。
全く馬鹿げた連中ですな >朝毎中日
毎日の記事で、麻生さんの「中国や新聞に言われたからといって参拝をやめるのはいかがか」とのコメントが出ていましたが、「新聞に」ってわざわざ言うところが麻生さんらしくていいなあと思いました。玄蔵川さんご指摘の通り、国民世論は割れているのですから、単に靖国参拝に「賛成」か「反対」かだけでなく、小泉さんが踏み込まなかった「A級戦犯合祀」と「遊就館史観」について、各候補の見解は聞きたいと思っています。
PS:遅くなりましたが、今年もよろしくお願いいたします!
反靖国勢力が靖国参拝を争点化することは、小泉総理や靖国参拝支持派を有利にするかもしれませんが、日本全体として見ると政治的エネルギーの浪費にしかならないので望ましくないと思います。
さくらさんのおっしゃるように各候補の考え方を明らかにするのはいいのですが、争点としてほしくはありません。麻生さんも安倍さんも谷垣さんも福田さんも山崎さんも(五十音順)そのつもりは無いようなので今のところ安心しております。
>さくらさん
こちらこそよろしくお願いします。
大敗した民主党はどう説明しましょう?
「何でも反対」するのは"確かな野党"だけで十分です(笑)