黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

岐路に立つ日本(3)――やりたい放題の安倍政権の先は……

2016-11-15 11:03:52 | 仕事
 午前中のニュースを見ていたら、安倍「極右」政権は「内戦」状態の南スーダンに派遣中の自衛隊のPKO部隊の「駆け付け警護」を閣議決定したという。先の、それまで締結を主導してきたアメリカがこれから先どのように転がるか分からないにもかかわらず、TPPを衆院で「強行採決」したこと――安倍首相ら自民党幹部は、与党の自公に加えて維新の会が賛成したから、強行採決ではないと言い張っているが――と併せて、安倍自公政権は数を頼りにもう>「やりたい放題」である。
 これも皆、得票率が30パーセント未満でも衆参で3分の2の議席を得ることができるという「小選挙区制」という選挙制度のマジックのせいなのだが、沖縄県民に対して「土人」「シナ人」と侮蔑的(差別的)な言葉を投げかけた機動隊員について、「そのような言葉の使い方について<差別とは思わない>と発言した沖縄・北方領土担当大臣の発言や、「TPPは強行採決すべきだ」と発言した農林大臣を罷免することなく放置しているのも、自公政権の「やりたい放題」の現れと言ってもいい。
 これら自公政権の「やりたい放題」に関して、マスコミ・ジャーナリズムの対応も「鈍い」としか言いようがない。この世の中からから「批評精神・批判精神」が消えてしまったようでもある。
 先頃、僕は12月8日発売予定の講談社文芸文庫『谷間 再びルイへ』(林京子作)の「解説」を書いたのだが、15歳の誕生日直前にナガサキで被爆した林さんの結婚生活を描いた『谷間』と、重い口を開いて「3・11フクシマ」に関わり「反(脱)原発」の考えを明らかにした『再びルイへ』を読み直し、また、ずっと読み続けてきた「原発」をテーマとした文学作品と重ねて、「核と人類は共存できない」ことを改めて確信した。
 その意味では、原発の再稼働。原発輸出などもってのほかと言うしかないのだが、安倍政権が「失敗」が公言されているアベノミクスなる経済政策を「道半ば」と言って粉飾するのと同じ論理で、先頃「核保有国」(核実験やミサイル発射実験を行ってきた国)のインドと「日印原子力協定」を結ぶという暴挙を侵した
 この「核拡散防止条約(NTP)」を結んでいない、つまり核開発をし放題の国であるインドに日本の「核(原発)技術」を輸出すると言う行為は、結論的に言えばインドの核開発に手を貸すと言うことを意味し、「世界で唯一の戦争被爆国」である日本の政府(経済界)が行ってよいことであるかどうか。「カネ儲け=経済」のためなら何でも許されるという、まさに「モラル・ハザード」の極致を行くような安倍政権の行為、本当に許し難い。
 安倍政権がこの先に考えていることが、「戦前回帰」(天皇制国家)をめざす「日本会議」の方針に従って「憲法改正」だけだとするならば僕らは何とも嫌な時代に生きていることになる
 僕らはここで踏み止まり、安倍自公政権の終焉を本気で考えなければならないのではないだろうか