黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

この日本はどこへ行くのか(1)――機動隊員の「土人」発言に怒りを!

2016-10-21 10:17:02 | 仕事
 昨夜、沖縄の知人から電話があった。彼は「『立松和平の文学』読んでますよ。立松さんと沖縄は、深い関係にあったことを改めて思いました。」と言い、今沖縄で起こっていること、翁長沖縄県知事とはいとこの関係にあること、そのために今度『翁長知事講演会の会長になった」とのこと、及び「沖縄新報」の記者時代、八重山地区の担当になったとき、たてまつが援農でサトウキビ刈りに行った与那国島のこと、等々について、昔と変わらず朴訥な感じで話した。 彼と知り合ったのは、1997年の初夏、彼が『水滴』で芥川を受賞した目取真俊の文学について「琉球新報」に存分に書いて欲しい(結果的に、目取真俊については都合5回書くことになった)と依頼してきたからである。その後は、沖縄へ行くたびに時間が許せば、酒場で泡盛を飲みながら、喫茶店でコーヒーを飲みながら、沖縄の現状や全共闘世代として学生時代を過ごした東京の話し等について話し、また立松が学生時代に旅した台湾からの帰途、お金がなくなってアルバイトした沖縄時一の歓楽街波上(ナンミン)の「無許可営業のバー」を案内してもらったりした。
 折しも、沖縄北部のやんばるの森に沖縄県民(住民)の反対を押し切って建設中の「ヘリパッド」(アメリカ軍のヘリコプター・オスプレイ訓練基地)を強行するために動員された本土からの機動隊員500人のうち、大阪府警の20代の機動隊員2人が「ボケ、土人が」、「黙れこら、シナ人」と怒鳴ったというニュースがマスコミを騒がせていたが、、先の友人に僕は「沖縄は酷い状態になっているね。本土も安倍政権下でめちゃくちゃになっている」としか言えなかった。
 特に件の暴言を吐いた機動隊員に対して、「行き過ぎの発言はあったが、ご苦労様でした」とねぎらいの言葉を発した松井一郎大阪府知事が、そのあとの釈明会見で「沖縄の反対派住民も相当酷い言葉を機動隊員に浴びせていた。機動隊員は、よく我慢し頑張っていた」という主旨の発言をしたことを知り、大阪維新の会も安倍ファシスト首相の任期を延長するために「総裁任期」の延長を決め、沖縄県民の強固な反対が合っても強引に辺野古沖の新基地建設を推し進めている自民党と同じように、「国民」(沖縄県民)の切実な願いなど関係なく、自分たちの「野望」(その本丸は、第9条を中心とする憲法改正)を実現しようとする「強権政治」の信奉者なんだな、と思わざるを得なかった。
 件の機動隊員の言葉、それは失敗が見えているのに「アベノミクスは道半ば」と言い張る続け、また国会の所信演説で「自衛隊員・警察官・海上保安庁職員に敬意を表しよう」と居並ぶ国会議員に拍手を強要したる安倍首相やそれを「是」とする国会銀たちの在り方の反映である。「国民不在」・「差別の温存」、この国はもう壊れかけているのではないだろうか。
 嫌な時代だ、としか言いようがない

 実は、本音を言えば、連日マスコミ・ジャーナリズムを騒がせている小池東京都知事による「豊洲新市場問題」や「東京オリンピック・パラリンピック問題」をはじめとして、農水大臣による「TPPの承認は、今国会中に強行採決で」発言、あるいはあたかも今にも帰ってくるかのように報道されている北方領土問題――歯舞・色丹の2島返還青確約させ「日ロ平和条約」を結ぶという「幻想」が振りまかれている――、専門家のみならず「格差の拡大」「労働条件の悪化」等々から誰もが「失敗」と認めるアベノミクスに未だにすがりついている安倍首相はじめ自公の政治家たち、とアベノミクスの成功を信じたいと思っている国民の存在、等々、ほとほと嫌になっており、もう静観するしかないのかな、と思っていたのである。
 劇場型政治」や「虚言・軽口」が罷り通っている社会が「健全」であるはずがないと思卯が故に、それでも声を上げ続けるしかないのだろうか