牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

夏ばてはVA欠として現れる

2010-09-30 18:04:33 | 牛の病気

一頃の猛暑から解放され牛たちも食欲を取り戻しつつある。
高温などのストレスに加え、かねてよりVAの蓄積量が少ないために、夏場は肝機能も低下しがちである。
それらを回避させるために、VB群を配合に加えたり、梅雨以降からはパントテン サンカルシウムなどを飼槽内の配合飼料へ振り撒くなどで対応している。
それでも、写真のようにVA欠の症状を呈する肥育牛が出てくる。
前肢の間接の腫大もあるが、むしろ後肢の全体的な浮腫が気がかりである。
この状態を放置すると、いわゆるズルが全身に及ぶこととなる。
この牛は生後月齢が25ヶ月を超していることから、ビタロングを経口投与して対応している。
以前、この月齢に至った肥育牛に、同剤を投与したが肉質への顕著な低下は認められないという結果を得ている。
関係の研究者らによるVAコントロールのモデル曲線でも、この月齢以降は血中VA濃度を上げて、牛の健康管理に配慮したカーブとなっている。
これらの取り組みにより、仕上げ後半のVA欠はかなり回避される。