牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

収束なるか

2010-06-26 20:11:33 | 牛の病気
今日のニュースでは、7月16日を目処に宮崎県で発生中の口蹄疫の収束宣言が出される見通しとのことである。
今後予定通りに収束することをひたすら願うのみであり、全ての畜産関係者も同様な思いであろう。
今後はこれから3週間かけて、宮崎県の牛や豚などの飼育関係者が再発しないよう万全に取り組んで貰いたいと願っている。
今回の宮崎県における同症の発症にかかる感染経路については、同症感染調査委員会におかれては、順序立てて、正確に公式発表されるであろうが、それを国民の大方が願っている。
10年前の前回は、その感染経路は不明で、おそらく中国産の麦わらであった可能性が高いというものであった。
日本の畜産関係者が利用していない麦わらであれば、混乱は招かないであろうとの姑息な発表であると当時感じたものである。
今回は、そのような姑息な調査結果は許されるはずはない。
同調査委員の専門家が報告されている新聞論調では、川南町内でも発症施設から僅か200m離れていた畜産農家であったも感染していない例があったそうである。
その農家がなぜ感染しなかったかを調べたら、感染直後トラクターなどの自家保有の機械類を玄関までの通路に並べて、人の出入りを塞ぎ、自らもご子息が食料調達に1回外出しただけで、出かけることを2ヶ月間我慢した結果であったとのことである。
この記事を拝読し、感染は人が介在していたことを改めて思い知らされた次第である。
調査結果には、このような感染防止対策についても、詳細な報告を改めて期待する者である。
これからは写真のように、牛らも安心、人も安心して牛らと関わっていきたい。

鼻環は新たに付けることはない

2010-06-26 00:39:18 | 牛の鼻と口



この写真は08.04.02に貼り付けたものである。
導入時に付いてくる鼻環は付けたままか、という問いがあった。
当方では、肥育牛舎の構造が育成用・仕上げ舎用と別々に建てられていて、育成期が終了後は全頭仕上げ舎へ移動している。
また、移動時などに削蹄を行う必要もあり、どちらかと言えば鼻環があった方が捕獲や保定などには楽である。
だから、付いてきた鼻環は外してはいない。
しかし、宮崎産の真鍮(しんちゅう)製の鼻環以外は、肥育途中でかなりの割合で摩耗して外れてしまうが、再装着することはほとんど無い。
有るとすれば、捕獲時に飛び上がるなど突飛も無い行動をとる牛に限られ、年に1度あるかないかである。
鼻環は無ければならないというものでもない。
鼻環がない方が楽に捕まえられ、写真のようにロープを掛ければ全く支障なく管理できる。

公共牧場や特定の個人牧場などで、人慣れせず、よく走り出す子牛を出荷してくる箇所があり、長い間牛飼いしていれば、それらの牧場が特定できて、次第にセリボタンを押し難くなる。
また和牛の飼育の歴史が、比較的浅い地方の場合も、人慣れしていないケースがある。
人のためにある家畜なのだから、もの扱いではなく優しく接してほしいものである。
牛に接していて、自分の足を踏まれたり、尾で顔を叩かれたりしたら、反動的に牛を殴る若者が居たことがある。
「罰当たりなことをするな! おまえさん誰のおかげで生活ができていると考えたことがあるか」と叱咤したことがあった。
最近、牛を殴るのを見かけなくなった。