牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

鼻環を掛ける

2010-06-24 23:44:39 | 牛の鼻と口
時折育成牛が奇声をあげて泣き出すことがある。
慌てて現場に駆けつけると、大概は鼻環を柵などの取っ手などに引っかけた時である。
写真は、ウォーターカップの僅か3mm程度の窪みに鼻環が掛かった瞬間である。
牛自体が鼻環を僅かに緩めれば、難なく外れる状態なのに、外そうと後すざりする一方である。
後ろに回って尻をぽんと叩いたら、楽に鼻環は外れ、何もなかったように平然としている。
牛を飼育していれば、大多数の現場で同様の体験をしておられるはずである。
牛らは考えられないような状態で、このようにトラブルを起こす。
扱いを間違えれば、鼻環で鼻鏡を引き裂いてしまうこともある。
それだけ、このようなことのないように担当者が事細かに配慮してやらねばならない。
いっそのこと鼻環を装着しなければ起こりえぬことではあるが。
育成牛は鳴いて騒ぐが、成畜になれば奇声を出さないケースが多い。
よくもこの高さまで届いたものだと思うような所に掛けてしまっていることもあり、大方は牛の行動の意外性に舌を巻くことしきりである。