牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

口蹄疫 

2010-05-19 22:54:55 | 牛の病気

NHKのトップニュースに畜産関連の生産現場での事象が話題になることは、なかなか無い。
記憶に新しいところでは、京都で発生した鳥インフルエンザの時と今回の口蹄疫位いであろうか。
昨日、東国原知事の非常事態宣言における文言ではないが、全国的に及ぶ可能性を否定できない。
正に由々しき事態である。
今にいたり、行政や畜産関係者等は連日の懸命な対応を余儀なくされている。
昨日、同知事や赤松農水産大臣も一生懸命やっているとして、反省すべきことはない旨の発言があった。
感染拡大が現実の様相が明るみになりかけてからの一生懸命であった感は、周知の事実である。
一生懸命とは成果をあげるために努力することである。
余計なことだが、一生懸命の結果が非常事態宣言に至ってしまったからには、相応の苦情には冷静に対応すべきが公の長ではないだろうか。
テレビでは、連日かなりの大人数でスコップや竹箒でごしごししていて、如何にも消毒しているようなポーズが見てとれる。
行政の行うことは、何でも一生懸命であるが、口蹄疫のウイルスは箒でこすれば消滅するのであろうか。
当初は予想だにしなかった凡そ30万頭の家畜らが処分対象になる見通しとなった。
感染拡大の原因が全く見えてこない。
だから周辺10km域内を無差別に処分対象とせざるを得なくなったのが現実である。
感染防止対策の具体的な指導指示は出ているであろうか。
感染源は人の動きにあると専門家の発言がある。
生産現場の人の行動を箸の上げ下げに至るまで、細かい指摘が必要で、それらが徹底されていれば、ここまでの拡散はなかったのではないだろうか。
何年もかかり経営を徐々に拡大して、年も重ね、それなりに安堵の生産現場であったろうに、青天の霹靂、その増加の一途を日増しに伝え聞き、この惨憺たる実情からは、かかる生産者にかける言葉に窮する有様である。