牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

牛の角の形は全部違っている。

2008-03-17 22:50:41 | 牛の角
牛の角は、1頭1頭形が違う。角が長いか短い。太いか細い。左右の形や大きさが違う。角の色や光沢が違う。形では丸いのや楕円形のものもいる。
牛の角は、生まれる時には生えていないが、生まれた時に、角がどこから生えてくるかは、指先で頭部をまさぐるとはっきりと判る。生まれて1ヵ月後には頭部から0.5cm位に伸びてくる。一月に約0.5~0.8cmずつ伸びて、生後10ヵ月目には、5~8cm伸びる。角の伸びる速さは、黒毛和種では全てが同じ速度で伸びるというものではない。遺伝的に差があったり、栄養状態の善し悪しによる差もある。
また、角を外傷や突き合いの結果、損傷し正常に伸びない場合もある。損傷を受けた場合は、左右の角の長さが均等ではなくなる。
角の形の中で、丸いか楕円かと太い細いや長さ、角の色や光沢などは、遺伝的な影響を受ける。この他角の形は、上下・前後左右など伸びる方向が千差万別である。
何故、伸びる方向がそれぞれに異なるかは、牛が飼われている場所の構造が密接に関わっている。それに、牛個々の動きの癖も深く関わっている。
例えば、飼槽、つまり餌場の構造と牛が飼槽にクビを出す上下の横棒の高い低いや、ウォーターカップなど、つまり水飲み場が右にあるか左にあるか、周囲の柵の形や位置などによって、角は微妙に形付けながら伸び、個々の形が形成される。
写真のような形になることもある。餌を食べ、水を飲んで寝ること以外は、暇を持て余している牛たちのこと、日頃の癖が加われば、この様な芸術作品なみの形ができあがることになる。大まかの形は、生後20ヵ月目頃には形取られる。