雪の下

 定年退職した年寄りが日ごろ感じることや、ドライブ、山歩きなどで撮る風景、草花の写真を記録します。
 気の向くままに。

シデコブシ

2006年03月30日 | 写真
 昨日は雪がちらつき、冬に逆戻りしたような寒い日でした。
84歳になる母は身体が弱ってあまり出歩くことがなくなった。付けっぱなしにしたテレビの前でほとんど眠っているのが日課だ。
以前はよくドライブに連れ出したのだが、最近は出たがらなくなってきた。
家内が、付いていなければもうどこへも行かれないのである。でも、気分転換に出かけるかと聞けば、行くと言う。
そのうちに、行きたくても行けなくなるときがやって来る。
寝込まないうちに出かけられるところへ連れて行こうと思っている。

 先日シデコブシを見に三重県の菰野町まで出かけたが、まだ咲いていなかった。
見られないとよけいに見たくなるもので、どこか咲いているところはないかと探した。
暖かい渥美半島なら咲いているかもと、思い切って出かけることにした。
田原市役所に寄って藤七原湿地の場所を聞く。親切に教えてくれた。
市役所から3、4分ほどの距離だが、静かで自然豊かな山のふもとにあった。
平日で、風が強かったせいか、ほとんど人はいない。
駐車場から見えるシデコブシは満開。母と家内は車で待つという。

きれいに整備された遊歩道を一人で進む。途中マムシ注意の看板を見てからは足がすくんでしまった。にょろにょろした姿を想像するともう奥へ進めなくなった。蛇には申し訳ないが、私の中では一番気持ちの悪い動物である。こちらが何もしなければ逃げて行ってくれるのだから、そんなに怖がることはないのだが、見るだけで気持ちが悪く、ぞっとする。子供のころにはちょくちょく見たし、今ほど怖くなかったが、最近はあまり見なくなった分、よけいに気持ち悪さが増したような気がする。まだ寒いので蛇さんは冬眠中だったのかもしれないが、入り口近くで写真を撮ってすぐここを後にした。

 蔵王山の山頂で食事をしていたとき、見知らぬ方が、今見て来たが黒河湿地はシデコブシが綺麗でしたよと教えてくれた。そこから遠い場所ではなかったので、寄り道をすることにした。
そんなに大きな場所ではないが、ヤチヤナギ、シラタマホシクサ、食虫植物などが生育している湿地植物群落で、愛知県の天然記念物に指定されている。
地元の話好きなおじさんが、いいときに来たね。今日明日が一番の見ごろだし、ここ数年で一番花が多いと教えてくれた。
確かに白とピンクのシデコブシが一気に開花していて、見応えがあった。
足を伸ばした甲斐があったと喜んでいる。

母のために出かけるのではなく、自分が写真を撮りたいので出かけているに過ぎないのかも知れない。
コメント
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