バスツアーに参加した時のこと。
格安ツアーだったからかもしれないが、座席と座席の間隔が非常に狭かった。
最初の挨拶で添乗員からリクライニングシートは倒さないようにとお願いがあった。
にもかかわらずそれを無視して最初からシートを倒し前側のスペースを確保する人がいた。
注意を聞いていなかったのか、無視したのかは定かではないが、いかにも私たちは自由にふるまう、他人のことなど知りませんといった感じ。
60歳くらいの夫婦連れ、参加者の中では若い方。身なりはしっかりしていて、お金に不自由している感じはない。旦那はどこかの会社の管理職をしていて定年になったばかりのように見えるが、二人とも他人の迷惑など全く考えていない雰囲気。きっといつも要領のいい生き方をしてきた二人なんだろう。
昼食弁当は付いていて、バスの中でとった。狭いスペースがさらに狭く、後ろの席の人には気の毒だ。よほど人のいい方なのか黙って我慢をしておられた。
他人事ながら、この自分本位のバカ夫婦がと思い始めたら腹が立って仕方がない。彼らの一挙手一投足が気になり、後ろから睨みつけていた。自分だけが体を伸ばし平然と座っている姿にますます腹が立ち、せっかくのバスツアーが面白くなかった。
添乗員に注意してもらおうと思ったが、後ろの席の人が告げ口をしたと思われるといけないと思い、言うのをためらった。
結局最初から最後まで、シートは倒したままであった。他の人は誰ひとり倒している人はいなかった。
最終休憩地のサービスエリアにつく前、添乗員から社内美化に協力してと、ごみは処分するようにお願いがあった。ほとんどの人は前ポケットのごみを持ってバスを降り社内美化に協力した。
この夫婦、終着地に着いた時、前のポケットは空のペットボトルやごみが置き去りのまま、
腹が立って、よほど注意しようと思ったが、少し離れた場所から、小声でマナーの悪いのがいるねと言うのが精いっぱいだった。
この夫婦に聞こえたかどうかはわからないが、自分たちのことを言われているとは思っていないだろう。いつもそうしていてマナーが悪いと思っていないから始末が悪い。
アンケートに、添乗員が最初に注意した以上見回りして、守られているか確認するようにと書き記した。